トウダイグサ科アカメガシワ属
漢字:赤芽柏
名前の由来:
「アカメ(赤芽)」は、新芽が赤い。
「ガシワ(柏)」は、カシワの葉のように、葉を食べ物の器にして神前に供えたり、団子を包んで蒸したりした。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄異株、円錐花序、緑黄色、花弁なし
花期:6~7月
果実:蒴果、褐色、種子は紫黒色(光沢あり)
果期:9~10月
備考:
紅色の葉柄は、枝の基部の葉は長く20cmほど、先端の葉は短く5センチほどで、日光を効率よく利用。葉柄の中には太い維管束が通っている。
新芽は赤いが、赤いのは若葉そのものではなく、若葉の表面に密生している星状毛。赤色はアントシアニンで、有害な紫外線を吸収して未発達な葉の細胞を保護している。
種子だけでなく、根からもよく萌芽する。
<花外蜜腺>
葉身の基部に2個の蜜腺があり、夏頃まではこれを舐めにアリが来ている。
蜜を報酬としてアリを雇い入れている。
アリは蜜が欲しいから、花外蜜腺に近づく昆虫は追い払う。結果として、植物はやってくる害虫から守ってもらうことができる。
<先駆樹種(パイオニアツリー)>
暗い林内に到達した種子は発芽せず、伐採などで光環境がよくなると発芽する先駆樹種(パイオニアツリー)。初期成長が早いが、寿命は短いものが多い。他にヌルデ、カラズザンショウなど。
<シードバンク(埋土種子)>
種子の中で、暗い林内に到達したものが土中で休眠し、光環境がよくなると発芽する性質のもの(埋土種子)。土中に貯めた埋土種子集団。
陽性の先駆種など、芽生えの成長に良好な光条件を必要とする植物の種子は、他の植物にすでに占有されている場所では発芽せず、地表面付近の土壌中にシードバンクをつくり、休眠状態で数十年、数百年もの間寿命を保つ。ギャップが形成されると、ギャップ環境特有の大きな日格差、昼間の高温などが種子の休眠を解除する刺激となって発芽する。