ツツジ科ツツジ属
漢字:山躑躅
名前の由来:
「ヤマ(山)」は、山に生える。
「ツツジ(躑躅)」は、たくさんの花が咲く様子から「続き咲き(ツヅキサキ)」が転訛した説、
花の筒形で長いオシベが出ていることから「筒咲」が転訛した説など諸説あり。
漢字の「躑躅」は「てきちょく」と読み、「足踏みをする」「たたずむ」「ためらう」「立ち止まる」意味。
この字がツツジにあてられたのは、中国で毒性のあるシナレンゲツツジの葉を羊が食べて足ぶみしてもがいたり、毒であることを知っている羊はシナレンゲツツジを見ると足踏みして進まなくなることに由来している説や、人が足を止めて見とれてしまうような美しさだからという説あり。
樹形:半落葉低木
葉:互生
花:両性花、朱色
花期:4~6月
果実:蒴果
果期:8~10月
備考:
<ほのかに甘い蜜>
ツツジのロート形の花びらを抜いて根本を舐めるとほのかに甘い味がする。ただし、レンゲツツジ及びキレンゲツツジは毒があるので注意が必要。
<蝶をターゲット>
ツツジの花は、花冠の上の裂片に蜜標あり。
雌しべも雄しべも少し上向きに湾曲している。蝶をターゲットにしたもの。蝶が飛来した時、雌しべが最も長いため、蝶の体に着いている他の花の花粉がつく。花に近づくと、雄しべの先から花粉がずるずると引き出され新たに体につく。
<半落葉(半常緑)>
春出る葉は秋には落葉し、夏~秋に出る葉も翌年の春には新しい葉が出ると落葉し、1枚の葉が1年間着いていない。
ヤマツツジ節はすべて半落葉。ミツバツツジやレンゲツツジは落葉。
<ツツジ型菌根(エリコイド菌根)>
ツツジ類やシャクナゲなどは、多量の鉄分等を要求するため酸性土壌を好む。このために根に菌根を形成する。酸性土壌で植物に害作用を示す重金属類の吸収を抑制するため、ツツジ類が岩場や泥炭、火山灰など酸性条件下で生育できる。