クワ科クワ属
漢字:山桑
名前の由来:
「ヤマ(山)」は、山に生える。
「クワ(桑)」は、カイコ(蚕)の「食葉(くは)」、あるいは、「蚕葉(こは)」が転訛した説が有力。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄異株、穂状花序、淡黄色、花弁なし
花期:4~5月
果実:クワ状果、赤色→黒紫色
果期:6~7月
備考:
マグワの葉は、養蚕のカイコの餌として知られる。ヤマグワの葉はマグワの代用として用いた。
同じ枝に着く葉に、裂け目のあるものとないものがある異形葉。
葉身基部は側脈から始まり、葉面は基部から少し離れて張り出す。
クワ科の植物に共通で、若い枝や葉を傷つけると白い乳液が出る。虫の食害や微生物、菌などの侵入から身を守る(カイコはこの防御機構を克服した)。
果実は赤色から黒紫色に熟して、甘くておいしい。
材は重硬・強靭で、床柱、高級な家具材、琵琶や三味線などの和楽器、碁笥(ごけ)などに用いられる。
<ヒメコウゾとの違い>
花や果実で見分けられる。花や果実がない時期(夏~秋)
冬芽 | 葉 | |
ヤマグワ | 芽鱗4~7個 枝に密着しない | ー |
ヒメコウゾ | 芽鱗2個 枝に密着する | ヤマグワに比べて ・薄い ・葉柄に毛がある ・鋸歯が細かい |
<マグワとの違い>
葉 | 花柱 | 果実 | |
ヤマグワ | 先端が尾状に尖る | 長くY字形になる | マグワに比べて ・小さい ・長い花柱が残る |
マグワ | 先端は尖らない | 短くV字形になる | ー |