マツ科ツガ属
漢字:栂
名前の由来:
木が曲がる意味の「とが」が転訛した説、
枝についた葉が下側に長い葉、上側に短い葉と並ぶことから、「継ぎあう」とか「番(つが)う」を意味する「つがう木(組み合わせる木)」と表現した説、
かつて咎人(とがにん)を張り付ける木として使われたため、トガがツガになった説などあり。
漢字名「栂」は、落葉した葉が厚く堆積して肥料となり台地を育むため、母のごとき木とした説、
楕円形の球果が、母指(おやゆび)ぐらいの大きさ説、
幹から出る白っぽい樹液(樹脂)を母乳に見立てた説など諸説あり。
樹形:常緑高木
葉:らせん状に互生、扁平な線形、長さ1~2cm、先は少し凹み丸まっている、裏に白い気孔帯2本が目立つ、短い葉柄に対してほぼ直角に曲がる、表面は濃緑色で光沢あり
花:雌雄同株、風媒花
花期:4~6月
種子:球果、楕円形~卵形(長さ2~3cm)、種鱗は円形(径1cm)、ツガ属の球果は下垂し種鱗は脱落しない、風散布
種期:10月頃
備考:[1-10][21][3-608P][58P][上10][5-97P]
材は針葉樹材の中では重硬で、節やアテ材が比較的多く、加工性は容易ではない。また、ほとんどが天然性のため、成長が遅く、年輪が詰まった美しい柾目面が取れ、建築材としては柱や土台、長押(なげし)や鴨居、床柱に用いられた他、線路の枕木や器具材、指物(さしもの)、家具材、船舶材、彫刻材などにも用いた。
<コメツガとの違い>
| 生息域 | 若枝 | 球果の長さ(mm) | 果柄 | 冬芽 | |
| ツガ | 本州中部標高1600付近 下部 | 無毛、光沢あり | 20~30 | 下向きに曲がる | 先端尖り気味 |
| コメツガ | 本州中部標高1600付近 上部 | 褐色の短毛あり、光沢なし | 15~20 | 斜め下に曲がる程度 | 先端丸目気味 |








