オオバコ科オオバコ属
漢字:大葉子
名前の由来:葉が広く大きい。
葉:
花:穂状花序
花期:4~9月
果実:蓋果
習性:多年草
備考:
<生息場所>
日当たりのよい道端や荒れ地。踏まれる場所に生えるのは、そこしか生きられる場所がないから。いいかえれば、ほかの植物たちと競争せずに済む平和な世界。
葉柄には5本の筋(維管束)があり、これが丈夫なため踏まれても葉がちぎれない。
<種子の散布方法>
果実が熟すと、果実の中央部が横に割れて上部が蓋のように外れ、種子がこぼれ出る。オオバコ属は、表層に増粘多糖類のコーティングがあり、湿ると表面が水を吸って接着剤のような粘液質になり、靴やタイヤにくっついて運ばれる。また、粘液質に雨水を吸い込んで蓄えておくことができ、乾きやすい場所でも、芽は干からびることがない。
<雌性先熟>
オオバコの花(風媒花)は、咲くとまず雌しべを出し、あとから雄しべを出すことによって、性の成熟時期をずらす。
同じ花や株の花粉を受精(自家受粉)を避けるため。自家受粉は近親交配をもたらし、子孫に遺伝的欠陥が生じやすくなり、生存や子孫を残すうえで不利になる(近交弱勢)。
花茎の下から上に以下ように咲きあがる。雄の花粉が降り注ぐことを避ける工夫。
1)雌しべ(1本)を出して受粉。
2)雌しべが枯れると入れ替わりに雄しべ(4本)が伸びる。
<用途>
薬草として咳止め、下痢止め、膀胱炎やむくみに用いる。生葉は炙って腫れ物に貼りつけた。