カバノキ科ハンノキ属
漢字:榛の木
別名:ハリノキ
名前の由来:
古名の「榛(はり)の木」が転化した。
「榛(はり)」は、開墾を意味する古語「墾(はり)」に由来する説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄同株、枝先に雄花序 その基部に雌花序
花期:4月(寒地) 11月(暖地)
果実:堅果が集まった複合果
果期:10月
備考:
水辺や湿原などの過湿地に生える。
冬芽は、ヤシャブシ類の先が尖るのに対し、ハンノキ類は円頭で短い柄がある。
花芽のつく枝の側芽は裸芽になっている(他は芽鱗あり)。
果穂はタンニンを含み、染料として用いた。
材は硬く、器具や薪炭に用いた。
幼虫が葉を食べるミドリシジミの食樹。
<ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定>
ハンノキ属の樹木は、葉から窒素などを回収せずに落葉するために、落ち葉は、黄葉や紅葉せずに緑色のまま。その結果、土壌中に窒素を提供する「肥料木」となる。
根に「根粒菌(細菌の一種)」が寄生して根粒を形成している。根粒菌は、根粒内部で空気中の窒素を植物が利用できる窒素化合物(アンモニア)に変換(窒素固定)している。根粒菌により大気中の窒素を吸収することができるため、落葉時に窒素などを回収する必要がない。植物側からは、光合成生産物の糖などを根粒菌に提供し、相利共生関係が成立している。