基本情報
- 学名:Acer mono Maxim.
- 科名・属名:ムクロジ科カエデ属
- 漢字名:板屋楓
名前の由来
- 「イタヤ(板屋)」は、大きな葉が水平によく茂り、雨が降っても雨宿りできる板で葺いた屋根「板屋」にたとえた
- 「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照
生育地
- 日本固有種
- 日当たりのよい谷間や谷間に接する斜面
樹形
- 落葉高木
樹皮
- 暗灰色。若木ではなめらか、老木では浅く縦に裂ける
葉
- 葉序:対生
- 葉形:扁円形、掌状に5~7裂(浅裂~深裂まで変化あり)、葉身長5~18cm
- 葉縁:全縁
- 葉質:表は光沢あり、裏の脈液に淡黄褐色の毛叢がある以外は無毛
- 葉柄:4~15cm
- 紅葉:黄色
花
- 花性: 雌雄同株/異花
- 花序:枝先に散房花序、黄緑色の雄花と両性花が混じる
- 花被:花の直径5~7mm、花弁と萼片5個、雄しべ8個
- 開花期:4〜5月
- 送粉方法:虫媒
果実
- 種類:翼果
- 形:分果は長さ2~3cmで無毛、翼は直角~鋭角に開く
- 成熟期:9~10月
種子
- 散布方法:翼による風散布
冬芽
- 鱗芽
- 枝先に頂生側芽を伴った頂芽がつく。頂芽は長さ5~8mmの卵形で濃紅紫色、芽鱗は5~8対、側芽は葉柄内芽のものもあり
葉痕
- 形:浅いV字形
- 維管束痕:3個
用途
- 材:木肌が白く弾力があり、加工も容易なため、かつては家具や楽器、スキー板などに利用された、細いものはテープ状に剥いで籠編みに用いられた
- 日本産の樹木としては糖分が多く、東北から北海道にかけて、春先に「メープルサップ」と呼ばれる甘い樹液を採取した
- 樹液が甘い理由
寒い時期の広葉樹は、養分を貯蔵している柔細胞内の濃度を濃くして、凍らないようにしている。春、根が休眠状態から目覚めて水分吸収を始めると、根にある柔細胞内の濃い細胞液を薄めるために、水分が細胞内に吸い込まれる。順次上にある柔細胞が水分を吸収し、幹の道管に水が上がっていく。この時、道管液には、柔細胞から排出された糖分が溶け込んでいる。幹に穴をあけると道管液がにじみ出る。
- 樹液が甘い理由
特記事項
- 静岡県内には4変種あり
- エンコウカエデ(猿猴楓)(別名:アサヒカエデ)(f.dissectum)
- 葉が掌状に5~9深裂
- ウラゲエンコウカエデ(裏毛猿猴楓)(var. connivens )
- 葉が掌状に5~9中裂
- 葉裏の脈上と葉柄上部に白色開出毛密生
- モトゲイタヤ(元毛板屋)(別名:イトマキイタヤ(糸巻板屋))(var. trichobasis)
- 葉が掌状に7~9浅裂
- 葉裏脈液と葉柄上部に褐色の毛叢
- オニイタヤ(鬼板屋)(別名:ケイタヤ(毛板屋))(var. ambiuum)
- 葉が掌状に5~7浅裂
- 葉裏全体に短毛
- エンコウカエデ(猿猴楓)(別名:アサヒカエデ)(f.dissectum)
参考
- スタンダード版 APG牧野植物図:[2-2386]
- 新牧野日本植物圖鑑:[1583]
- 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[2-354P]
- 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[492P]
- “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下213]
- 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
- 「読む」植物図鑑:[‐]















