基本情報
- 学名:Padus grayana
- 科名・属名:バラ科ウワミズザクラ属
- 漢字名:上溝桜
- 古名:ハハカ
名前の由来
- 「上溝」の「溝」はカメの甲羅(亀甲)に線状に彫った溝を指し、ウワミズザクラを薪として燃やし、その上で亀甲を焼いて裂け方で吉凶を占った説あり。占い方法には諸説あり
- ウワミズは、ウワミゾが転訛した
生育地
- 日当たりのよい谷間や沢の斜面など
樹形
- 落葉高木
- 枝の伸び方
- 前年の葉痕に接して冬芽ができ、そこからシュートが伸びる。当年に伸びた小枝の多くは落葉後に落枝するため、これをくり返して枝が節くれ立つ
樹皮
- 若木は紫色を帯びた褐色。成木は暗紫褐色。横に長い皮目あり
- 樹皮や小枝を傷つけると(ベンズアルデヒドによる)特異なにおいあり
葉
- 葉序:互生
- 葉形:楕円形、葉身長8~12cm、先は尾状にとがる
- 葉縁:芒状の細鋸歯
- 葉脈:表面で凹み裏面でやや突出
- 葉質:両面無毛かまれに裏面脈上に毛あり。しっとり柔らかな感触あり
- 葉柄:0.6~1cm
- その他:目立たない蜜腺が基部に一対ある場合あり
花
- 花性: 両性花
- 花序:新枝の先に総状花序(ブラシ状)、長さ8~15cm、白い花が多数つく、下に葉が3~5個つく
- 花被:直径約6mm、花弁5個、長さ約3mmの倒卵形で先はまるい。萼筒は長さ約2.5mmの鐘形で無毛。萼片は長さ1~1.5mm。雄しべ約30個、花弁より長くつきでる。雌しべは無毛
- 開花期:4~5月、葉の展開後
- 送粉方法:虫媒
果実
- 種類:核果
- 形:直径約8mmの卵円形
- 色:赤色→黒色
- 成熟期:8~9月
- その他:基部に萼片は残らない
種子
- 数:核1個
- 形:卵形
- 散布方法:動物(鳥)散布
冬芽
- 鱗芽
- 長さ3~6mmの卵形。芽鱗は5~8個、赤褐色~紅紫色で無毛
葉痕
- 形:三日月形~半円形
- 維管束痕:3個
用途
- 果実:果実酒になる
- 杏仁子(あんにんご):つぼみや未熟の緑色の実を塩漬けにしたものを「杏仁子」といい食用にする
特記事項
- イヌザクラとの違い
| 葉の基部 | 花序の枝 | 果実 | |
| ウワミズザクラ | 円形 | 基部に数個の葉がつく | 萼片が残らない |
| イヌザクラ | くさび形 | 葉はつかない | 萼片が残る |
参考
- スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1661]
- 新牧野日本植物圖鑑:[1239]
- 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-532P]
- 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[238P]
- “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[上146]
- 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[156P]
- 「読む」植物図鑑:[1-29P]















