基本情報
- 学名:Alnus firma
- 科名・属名:カバノキ科ハンノキ属
- 漢字名:夜叉五倍子
名前の由来
- 「ヤシャ(夜叉)」は、果穂に凸凹があり、これを夜叉に見立てた。
- 「ブシ(五倍子)」は、果穂にタンニンが多く、黒色染料とする五倍子(ふし)(ヌルデの虫えい)の代用にした
生育地
- 日本固有種
- 丘陵~山地。とくに尾根沿いに多い。崩壊地や林道などの治山工事後の法面にすばやく侵入する
樹形
- 落葉小高木
樹皮
- 灰褐色。若木はなめらかだが、古くなるとはがれる
葉
- 葉序:互生
- 葉形:長卵形、葉身長5~12cm、基部は左右不ぞろい
- 葉縁:細重鋸歯
- 葉脈:13~18対
- 葉柄:0.7~3cm
- ヤシャブシ類
- 裏全体に粘液を分泌する腺あり、やや光沢があって粘り、特有の香りあり
花
- 花性: 雌雄同株
- 花序:
- 雄花序:枝先から下垂、無柄で長さ4~6cm、やや太くて弓形に曲がる。雄花は苞の基部に3個ずつつく
- 雌花序:雄花序よりすこし下部に1~2個直立、柄あり、柱頭は赤色
- 花被:無花被花(花冠と萼なし)
- 開花期:3~4月、葉の展開前
- 送粉方法:風媒
果実
- 種類:堅果が集まった複合果
- 形:果穂は長さ1.5~2cmの卵状広楕円形、直立または斜上
- 果鱗:長さ5~6mmの扇形で黒褐色
- 成熟期:10~11月
種子
- 数:堅果は1個
- 形:堅果は長さ3.5~4mmの楕円形で、頂部に花柱が残り、両側に本体とほぼ同じ幅の約1mmの翼あり
- 散布方法:翼による風散布
冬芽
- 鱗芽
- 葉芽と雌花序の長さ1~1.5cmの披針形で、柄なし。3~4個の光沢のある芽鱗に包まれる。雄花序は芽鱗に包まれず、裸出したまま冬を越す
- ハンノキ類との違い
| 先端 | 柄 | |
| ヤシャブシ類 | とがる | なし |
| ハンノキ類 | 円頭 | 短い柄あり |
葉痕
- 形:三角形
- 維管束痕:3個
用途
- 果穂:タンニンが多く、黒色の染料になる
特記事項
- ヤシャブシ類の違い
| 側脈数 | 花序の位置 | 花穂 | |
| ヤシャブシ | 13~18対 | 雄花序:枝の先端 雌花序:雄花序の下 | 上向 1~2個 |
| オオバヤシャブシ | 11~16対 | 雌花序:枝先端の葉芽の下 雄花序:雌花序の下 | 上向 1個 |
| ヒメヤシャブシ | 17~28対 | ヤシャブシと同じ | 下垂 2~3個 |
- ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定
- ハンノキの備考参照
参考
- スタンダード版 APG牧野植物図:[1-2001]
- 新牧野日本植物圖鑑:[134]
- 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-158P]
- 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[399P]
- “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下195]
- 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
- 「読む」植物図鑑:[‐]










