基本情報
- 学名:Alnus japonica
- 科名・属名:カバノキ科ハンノキ属
- 漢字名:榛の木
- 別名:ハリノキ
名前の由来
- 古名の「榛(はり)の木」が転化した。「榛(はり)」は、開墾を意味する古語「墾(はり)」に由来する説あり
生育地
- 低地の湿地や水辺など
樹形
- 落葉高木
樹皮
- 紫褐色。不規則に浅く裂けてはがれる
葉
- 葉序:互生
- 葉形:卵状長楕円形、葉身長6~13cm
- 葉縁:目立たない不ぞろいの浅い鋸歯
- 葉脈:側脈6~9対、裏面で隆起
- 葉質:表面は無毛。裏面は脈液に赤褐色の毛あり
- 葉柄:1.5~3.5cm
花
- 花性: 雌雄同株/異花
- 花序:
- 雄花序:枝先に2~5個下垂、有柄で長さ4~7cm
- 雌花序:雄花序の下方に1~5個つく、有柄で長さ3~4mm
- 花被:単花被花(花冠なし雄花に萼のみ)
- 雄花:苞のわきに3個つく
- 雌花:苞のわきに2個つく。花柱は紅色で2裂
- 開花期:4月(寒地) 11月(暖地) 、1~3月(冬から早春)の記事もあり、葉の展開前
- 送粉方法:風媒
果実
- 種類:堅果が集まった複合果
- 形:果穂は長さ1.5~2cmの卵状楕円形
- 果鱗:長さ5~6mmの扇形
- 成熟期:10月
種子
- 数:堅果は2個、果鱗の内側につく
- 形:堅果は長さ3~4mm、頂部に花柱が残り、翼はほとんどない
- 散布方法:翼による風散布、堅果は風に飛ばされるが、果鱗は果軸に残る
冬芽
- 鱗芽
- 葉芽:長さ3~8mmの長楕円形。長さ4~6mmの柄あり
- 雄花序と雄花序:芽鱗に包まれず、裸出したまま冬を越す
- ヤシャブシ類との違い
- ヤシャブシの冬芽参照
葉痕
- 形:円~半円形
- 維管束痕:3個
用途
- 果穂:タンニンを含み、茶色染料として用いた
- 材:かたく、器具や薪炭に用いた
特記事項
- 幼虫が葉を食べるミドリシジミの食樹
- ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定
- ハンノキ属の樹木は、葉から窒素などを回収せずに落葉するために、落ち葉は、黄葉や紅葉せずに緑色のまま。その結果、土壌中に窒素を提供する「肥料木」となる。
根に「根粒菌(細菌の一種)」が寄生して根粒を形成している。根粒菌は、根粒内部で空気中の窒素を植物が利用できる窒素化合物(アンモニア)に変換(窒素固定)している。根粒菌により大気中の窒素を吸収することができるため、落葉時に窒素などを回収する必要がない。植物側からは、光合成生産物の糖などを根粒菌に提供し、相利共生関係が成立している
- ハンノキ属の樹木は、葉から窒素などを回収せずに落葉するために、落ち葉は、黄葉や紅葉せずに緑色のまま。その結果、土壌中に窒素を提供する「肥料木」となる。
参考
- スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1994]
- 新牧野日本植物圖鑑:[127]
- 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-166P]
- 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[392P]
- “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下196]
- 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[102P]
- 「読む」植物図鑑:[2-31P]





