基本情報
- 学名:Lindera praecox
- 科名・属名:クスノキ科クロモジ属
- 漢字名:油瀝青
- 別名:ムラダチ/ズサ/ヂシャ
名前の由来
- アブラ「油」+チャン「瀝青(れきせい:タールやピッチ等黒色の粘着性のあるものの総称)」
- 果実や樹皮に油分が多い
生育地
- 山地の中腹や山裾の落葉広葉樹林。湿ったところに多い
樹形
- 落葉低木。株立ち状になることが多い
樹皮
- 灰褐色。小さな円形の皮目が多い
葉
- 葉序:互生、枝先に集まらない
- 葉形:卵状楕円形(菱形に近い)、葉身長5~8cm、先端は急に鋭尖
- 葉縁:全縁
- 葉脈:羽状
- 質感:両面無毛、表面は緑色、裏面は淡緑色
- 葉柄:1~2.5cm、基部は赤みを帯びる
- 香り:ちぎるとクスノキ科特有のツンとした香りあり
- その他:秋に黄葉する
花
- 性: 雌雄異株
- 花序:枝先に3~5個ずつ集まった散形花序
- 花被:同花被花(花冠と萼が同形で区別できない→花被片)
- 花被片:6個、やや透明感がある淡黄色、長さ2mmほどの広楕円形、雄花より雌花のほうが小さい、花のあと脱落する
- 雄花:雄しべ9個(外側に6個、内側に3個)、内側の花糸の両側に黄色の腺体がつく、葯は2室
- 雌花:仮雌しべ9個、雌しべ1個
- 開花期:3〜4月、葉の展開前
- 送粉方法:虫媒
果実
- 種類:漿果(液果)、熟して乾燥すると果皮は不規則に割れる
- 形:球形、直径1.5cmほど
- 色:黄褐色
- 成熟期:9~10月、若い果実は割ると柑橘系の香りあり
種子
- 数:1個
- 形:球形、基部から先に向かってごく低い稜が走る
- 色:赤褐色
- 散布方法:鳥散布、あるいは重力散布または貯食散布
冬芽
- 鱗芽
- 葉芽:細い紡錘形で先端は尖り、赤褐色の芽鱗に包まれる、側芽は仮頂芽より小さく、枝に密着する
- 花芽:球形で、4mmほど柄があり、上向きか横向きにつく
葉痕
- 形:ハート形~半円形
- 維管束痕:1個または3個
用途
- 種子:油が多い。絞って灯明油(とうみょうあぶら)(神仏に供えるともしびの油)や頭髪油に用いた。枝にも油が多く、生木(なまき)でもよく燃える。
- 材:細長い幹は材のしなりとねじれ強さから、杖や輪かんじき、昔は縄代わりに用いた。
特記事項
- クロモジ属 4 種の違い
開花時期 花序 葉 冬芽 アブラチャン 葉の展開前 短い柄あり ヤマコウバシより厚く、先端が尖り、葉柄が長く赤い 混芽ではない ダンコウバイ 同上 無柄 ‐ 同上 クロモジ 葉の展開と同時 ‐ ‐ 同上 ヤマコウバシ 同上 – アブラチャンより薄く、先端は鈍頭、葉柄は短く赤くない、葉裏がやや粉白色 花と葉の両方が入る混芽
- 枝葉に、クロモジ、ダンコウバイ、ヤマコウバシに似た芳香あり。
参考
- スタンダード版 APG牧野植物図:[1-162]
- 新牧野日本植物圖鑑:[503]
- 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-420P]
- 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[128P]
- “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[上38]
- 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[139P]
- 「読む」植物図鑑:[4-17P]






















