基本情報
- 学名:Cinnamomum camphora
- 科名・属名:クスノキ科クスノキ属
- 漢字名:樟/楠
名前の由来
- 霊妙、神秘的な木「奇(くす)し木」が語源など諸説あり
- 他「臭い木」、「くすぼる木」、「薬の木」、「久須(くす)は朽ちず」の略など
生育地
- 暖地に見られるが、自生かはっきりしない
樹形
- 常緑高木
樹皮
- 帯黄褐色。短冊状に縦に裂ける
葉
- 葉序:互生
- 葉形:卵形~楕円形、葉身長6~11cm、先はやや伸びてとがる
- 葉縁:全縁、波打つ
- 葉脈:三行脈が見立つ、三行脈の起点付近にダニ部屋/室あり→特記事項参照
- 葉質:革質、両面無毛、表面は光沢あり、裏面は粉白色を帯びる
- 葉柄:1.5~3cm
- におい:→特記事項の樟脳参照
- 紅葉:大半の葉は、新芽が伸びる初夏前後に紅葉して1年ほどで落葉する。他の常緑樹の葉のように厚く丈夫にする必要がなく薄いため、光の透過性がよく、光合成の効率がよくなり成長が早い
花
- 花性: 雌雄同株/同花
- 花序:新葉の葉腋から黄緑色の花をまばらにつける円錐花序
- 花被:同花被花(花冠と萼が同形で区別できない)、花被は筒形で上部は6裂。花被片は長さは約1.5mm、花のあと脱落し、杯形の筒部だけ残る。雄しべ9個(3個ずつ3輪に並び、内側に退化した仮雄しべ3個)、最も内側の雄しべの基部の両側に黄色の腺体あり。葯4室。花柱は細く、柱頭は盤状に肥大
- 開花期:5~6月
- 送粉方法:虫媒
果実
- 種類:漿果(液果)
- 形:直径8mmほどの球形
- 成熟期:10~11月、黒紫色。表面に光沢あり
- 果床:杯状で浅くくぼみ、その上に果実をのせる(クスノキ属共通)
種子
- 数:1個
- 形:球形、ヘソ状の突起あり
- 散布方法:動物(鳥)散布
冬芽
- 鱗芽
- 長卵形で先はとがり、芽鱗は淡赤褐色
葉痕
- 形:?
- 維管束痕:?
用途
- 材や枝葉:蒸留して樟脳を生産し、防虫、防臭剤などに用いられた
- 材:緻密で軽く加工しやすい。強い芳香があり、建築構造材には使われないが、建築内装、家具、玩具、彫刻材、木魚などに用いられる
特記事項
- 樟脳
- 葉をもんでかぐと「樟脳」のにおいがする。病害虫を防ぐため。果実も緑色の時は樟脳臭が強いが、黒紫色に熟すと消える。鳥に散布してもらうため。アオスジアゲハの幼虫は解毒でき、クスノキなどクスノキ科の植物の葉を食べる
- ダニ部屋/室(ドマティア)
- 葉の三行脈の起点付近に小さな一対のふくらみがあり、ここに草食性のフシダニが潜んでいる。ふくらみはクスノキがつくったもの。共生か寄生かはわかっていない。フシダニはクスノキにとっては害が少ないため、ダニ部屋にフシダニを住まわせることにより、肉食性のダニをおびき寄せて、他の草食性のダニも含めて食べてもらっている説あり
参考
- スタンダード版 APG牧野植物図:[1-140]
- 新牧野日本植物圖鑑:[481]
- 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-394P]
- 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[118P]
- “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[上36]
- 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[138P]
- 「読む」植物図鑑:[2-51P]












