基本情報
- 学名:Castanea crenata
- 科名・属名:ブナ科クリ属
- 漢字名:栗
名前の由来
- 実が黒褐色になるので「黒い実」→「黒実(くろみ)」→「くろ」が転じた説が有力
生育地
- 丘陵~山地
樹形
- 落葉高木
樹皮
- 灰黒色。老木になると大きく長い割れ目が入る
葉
- 葉序:互生
- 葉形:長楕円形、葉身長8~20cm。先端は鋭くとがる
- 葉縁:鋸歯の先端は芒状にとがる、先端まで葉緑素が入り緑色
- 葉脈:側脈は16~23対
- 葉質:裏面は淡緑色で、小さな腺点が多い。クヌギより白っぽい
- 葉柄:0.5~2cm
花
- 花性: 雌雄同株/異花
- 花序:新枝の葉腋から長さ10~15cmの尾状花序をやや上向きに出す。ほとんどが雄花で、基部に数個の雌花序がつく
- 花被:単花被花(花冠なし萼のみ)
- 雄花:無柄で半円形の苞のわきに7個ほど集まってつく。雄しべ約10個、花被の外にとびでる
- 雌花:緑色の総苞の中に3個ずつ入る。総苞は花期には直径3mmほどの球形。外面は先のとがった鱗片におおわれる。花柱は長さ3mmほどの針状で、1個の花に9~10個、総苞の外にとびでる
- 開花期:5~6月
- 送粉方法:虫媒。ブナ属、コナラ属が風媒花であるのに対して、虫媒花であり強いにおいあり(男性の前立腺腋に含まれるスペルミンに例えられる)
果実
- 種類:堅果
- 形:大きさには変化あり
- 殻斗(いが):扁平な球形で、外面に長さ1cmほどのとげが密生
- 成熟期:秋、殻斗は4裂し、3個の堅果が入っている
- 食用:可。コナラ属のようにタンニンが含まれていないため、生でも食べられる
種子
- 数:3個
- 散布方法:重力散布または動物(貯食)散布
冬芽
- 鱗芽
- 長さ2~4mmの卵形~広卵形でやや扁平。芽鱗2~3個。頂芽なし。仮頂芽は側芽よりやや大きい
葉痕
- 形:半円形
- 維管束痕:多数散在
用途
- 材:強度に優れ水湿に強く耐久性があることから、建築の土台、風呂などの水回り材、鉄道の枕木や鉱山の杭木(くいき)として用いられた。木目も美しいので、家具、器具、漆器木地などにも用いられた
- 葉、樹皮、いが:乾燥させた葉や樹皮、いがは煎じて、やけどやあせも、ウルシかぶれの患部洗浄に用いられた
特記事項
- 昆虫との関係
- クリタマバチ(体長3mm程度の中国原産のハチ)
- 7月頃、葉のつけ根にある越冬芽に産卵し、翌年の4月頃から芽を寄生肥大させて虫えいをつくる。枯れる原因になっている
- クリシギゾウムシ
- 鬼皮に穴の空いたものあり。クリシギゾウムシが、10月頃、鬼皮と渋皮の間に産卵したもの。幼虫が果実を食べ、10月下旬に果実を脱出して土中に潜って越冬し、2、3年後の秋に成虫になる
- クリタマバチ(体長3mm程度の中国原産のハチ)
- 二重雌雄異熟性(雄花穂の雄花→雄雌花穂の雌花→雄雌花穂の雄花)
- 雄雌花穂は花穂の付け根に雌花あり。自家不和合性で他家受粉。周囲の雄花穂が咲き終わったころに雌花のついた花序が開花して、他のクリの花粉を着けた虫が雌花の上を通って、雄花に来るのを待つ
- クヌギとの違い
| 芒状の鋸歯 | 側脈の数 | 葉の裏 | 冬芽の先端 | |
| クリ | 緑色(葉緑素あり)で短い | 20対前後 | 腺点あり | まるい(クリ属) |
| クヌギ | 茶色(葉緑素なし)で長い | クリより少ない | 腺点なし | とがる(コナラ属) |
参考
- スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1949]
- 新牧野日本植物圖鑑:[139]
- 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-278P]
- 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[358P]
- “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下186]
- 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[106P]
- 「読む」植物図鑑:[1-61, 64, 67P]

















