ジンチョウゲ科ミツマタ属
漢字:三椏
名前の由来:枝が3分岐(三股)する。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:両性花、筒状花の集まった頭状花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、黄色
花期:3~4月
果実:核果(瘦果の記述もあり)、緑色で有毛、宿存萼に包まれる
果期:6~7月
備考:
中国原産。
内皮繊維が強靭で手ではちぎれない。和紙の原料となり、特に紙幣に用いる。
コウゾやミツマタの樹皮をたたいて、樹皮細胞の中からリグニン分を取り除き、セルロースを取り出して水に浮かせて漉きとると、和紙ができる。
(参考)
「セルロース」「リグニン」「ヘミセルロース」は樹木の主要化学成分。セルロースは、主に細胞の⼆次壁部分(細胞壁の主要部分)に存在し、樹⽊を⽀える役割を果たしている。リグニンは、特に細胞間に⾼濃度で存在し、細胞壁と細胞壁をくっつける役割を果たしている。ヘミセルロースは、セルロースと同様に、主に⼆次壁部分に存在するが、その役割についてはよくわかっていない。
投稿者: kona
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ミツマタ Edgeworthia chrysantha
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ミツバウツギ Staphylea bumalda
ミツバウツギ科ミツバウツギ属
漢字:三葉空木
名前の由来:
「ミツバ(三葉)」は、葉が三出複葉。
「ウツギ(空木)」は、白い花がウツギに似ている。
樹形:落葉低木
葉:対生、3出複葉
花:両性花、円錐花序、白色
花期:5月
果実:蒴果、褐色、種子は光沢のある淡黄色
果期:9~11月
備考:
若葉は山菜になる。
材は堅く箸は櫛に用いる。
袋状の果実は偏平で矢筈のような形をしており、振ると種子がカラカラと音を立てることもある? -
ミツデカエデ Acer cissifolium
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ミソハギ Lythrum anceps
ミソハギ科ミソハギ属
漢字:禊萩
名前の由来:
花穂でお供え物に水をかける風習「禊萩(みそぎはぎ)」から転訛した説が有力(禊ぎは水でけがれを流し去ること、亡者の喉の渇きを癒すため説あり)。
他、ハギに似ているが、草丈が低いため「微萩(みそかはぎ)」説、
疫病を除く御簾(みす)に例えて「御簾萩」説、
水辺に生えて花がハギに似るため「水萩」または「溝萩」説あり。
葉:対生、基部は茎を抱かない
花:短い集散花序、紅紫色
花期:7~8月
果実:蒴果、宿存萼の中にある
習性:多年草
備考:
山野の湿地に生える。
地上部を花期に採取し、乾燥させたものは「千屈菜(せんくつさい)」と呼ばれ、下痢や胃腸炎などに用いる。
<エゾミソハギとの違い>
エゾミソハギは、茎や葉、花序に細毛を密生する。葉の基部が茎を抱く。
<異型花柱性>
短花柱花、中花柱花、長花柱花の3型の花がある。
自分を含む同型の花から受粉しても結実しない(自家不和合性)。
短花柱花:短雌しべ+長/中雄しべ
中花柱花:中雌しべ+長/短雄しべ
長花柱花:長雌しべ+中/短雄しべ -
ミゾソバ Polygonum thunbergii
タデ科イヌタデ属
漢字:溝蕎麦
別名:ウシノヒタイ(牛の額)
名前の由来:
「ミゾソバ(溝蕎麦)」は、溝や湿地に生え、草姿(葉、瘦果)がが「ソバ」に似ている。
「ウシノヒタイ(牛の額)」は、葉の形が牛の顔(額)のように見える。
葉:互生
花:単花被花(花冠なし萼のみ)、萼片の上部は紅紫色、下部は白色
花期:7~10月
果実:瘦果、宿存萼に包まれ3稜あり
習性:1年草
備考:
湿地に群生する。
地表または近くの節から「閉鎖花」をつける短い枝を出す。
茎には稜があり、稜に沿って下向きの小とげあり。 -
ミズメ Betula grossa
カバノキ科カバノキ属
漢字:水芽
名前の由来:樹皮や太い枝が傷つくと水のような樹液がしみ出る。
樹形:落葉高木
葉:互生(長枝)、一対(短枝)
花:雌雄同株(雄花序 長枝の先 下垂 褐黄色、雌花序 短枝の先 上向き 緑色)
花期:4~5月
果実:堅果が集まった複合果、褐色
果期:10月
備考:
日本固有種。
樹皮を傷つけるとサロメチール(サルチル酸メチル)の香りあり。
材は重硬で肌目が緻密で美しく、弾力性に富んで割れにくく、狂いが少なく、加工性がよいため、家具材など多方面に用いられた。昔は弓材にも用いた。 -
ミズキ Cornus controversa
ミズキ科ミズキ属
漢字:水木
名前の由来:春先に枝を切ると樹液/水が滴り落ちる。
樹形:落葉高木
葉:互生、枝先に集まってつく(葉が重ならない)
花:両性花、散房花序、白色
花期:5~6月
果実:核果、緑色→赤色→紫黒色
果期:6~10月
備考:
葉の6~8本の側脈は、裏面に隆起し、湾曲して先端に向かうが、葉縁には届かない。
葉をそっとちぎると、維管束の一部の白い糸が出てくる。
材は重硬・緻密で加工性がよく、漆器木地や杓子、寄木細工、こけしに用いられる。
白い花が平たく集まっていて、甲虫(ハナカミキリやハナムグリなど)が停まりやすくなっている。
<仮軸分岐(かじくぶんし)>
枝が車輪状に仮軸分岐して水平に張るため、階段状の樹形になる。
主軸が短枝化し、代わって側枝が伸長することをくり返す。
<クマノミズキとの違い>葉と枝 葉柄 花 冬芽 ミズキ 互生 長いものがまじる 5月頃白い花が咲く 数枚の芽鱗に包まれやや丸みがある クマノミズキ 対生
葉はミズキよりやや大きく細長い同じ長さ 6月頃黄白色の花が咲く 2枚の芽鱗に包まれ尖っており黒褐色