ムクロジ科カエデ属
漢字:三出楓
名前の由来:
「ミツデ(三出)」は、3出複葉。
「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
樹形:落葉高木
葉:対生、3出複葉、葉柄は紅色
花:雌雄異株、総状花序、黄色
花期:4~5月
果実:翼果、翼は鋭角に開く
果期:7~10月
備考:
日本固有種。
葉柄、小葉に毛はあるが疎らで、葉裏脈液に毛叢がある。
<メグスリノキとの花序の違い>
ミツデカエデは、5~15cmの細長い総状で垂れ下がり、20~30と多数の花が着くが、メグスリノキは、散形で垂れ下がり、花は1~5個で少ない。
投稿者: kona
-
ミソハギ Lythrum anceps
ミソハギ科ミソハギ属
漢字:禊萩
名前の由来:
花穂でお供え物に水をかける風習「禊萩(みそぎはぎ)」から転訛した説が有力(禊ぎは水でけがれを流し去ること、亡者の喉の渇きを癒すため説あり)。
他、ハギに似ているが、草丈が低いため「微萩(みそかはぎ)」説、
疫病を除く御簾(みす)に例えて「御簾萩」説、
水辺に生えて花がハギに似るため「水萩」または「溝萩」説あり。
葉:対生、基部は茎を抱かない
花:短い集散花序、紅紫色
花期:7~8月
果実:蒴果、宿存萼の中にある
習性:多年草
備考:
山野の湿地に生える。
地上部を花期に採取し、乾燥させたものは「千屈菜(せんくつさい)」と呼ばれ、下痢や胃腸炎などに用いる。
<エゾミソハギとの違い>
エゾミソハギは、茎や葉、花序に細毛を密生する。葉の基部が茎を抱く。
<異型花柱性>
短花柱花、中花柱花、長花柱花の3型の花がある。
自分を含む同型の花から受粉しても結実しない(自家不和合性)。
短花柱花:短雌しべ+長/中雄しべ
中花柱花:中雌しべ+長/短雄しべ
長花柱花:長雌しべ+中/短雄しべ -
ミゾソバ Polygonum thunbergii
タデ科イヌタデ属
漢字:溝蕎麦
別名:ウシノヒタイ(牛の額)
名前の由来:
「ミゾソバ(溝蕎麦)」は、溝や湿地に生え、草姿(葉、瘦果)がが「ソバ」に似ている。
「ウシノヒタイ(牛の額)」は、葉の形が牛の顔(額)のように見える。
葉:互生
花:単花被花(花冠なし萼のみ)、萼片の上部は紅紫色、下部は白色
花期:7~10月
果実:瘦果、宿存萼に包まれ3稜あり
習性:1年草
備考:
湿地に群生する。
地表または近くの節から「閉鎖花」をつける短い枝を出す。
茎には稜があり、稜に沿って下向きの小とげあり。 -
ミズメ Betula grossa
カバノキ科カバノキ属
漢字:水芽
名前の由来:樹皮や太い枝が傷つくと水のような樹液がしみ出る。
樹形:落葉高木
葉:互生(長枝)、一対(短枝)
花:雌雄同株(雄花序 長枝の先 下垂 褐黄色、雌花序 短枝の先 上向き 緑色)
花期:4~5月
果実:堅果が集まった複合果、褐色
果期:10月
備考:
日本固有種。
樹皮を傷つけるとサロメチール(サルチル酸メチル)の香りあり。
材は重硬で肌目が緻密で美しく、弾力性に富んで割れにくく、狂いが少なく、加工性がよいため、家具材など多方面に用いられた。昔は弓材にも用いた。 -
ミズキ Cornus controversa
ミズキ科ミズキ属
漢字:水木
名前の由来:春先に枝を切ると樹液/水が滴り落ちる。
樹形:落葉高木
葉:互生、枝先に集まってつく(葉が重ならない)
花:両性花、散房花序、白色
花期:5~6月
果実:核果、緑色→赤色→紫黒色
果期:6~10月
備考:
葉の6~8本の側脈は、裏面に隆起し、湾曲して先端に向かうが、葉縁には届かない。
葉をそっとちぎると、維管束の一部の白い糸が出てくる。
材は重硬・緻密で加工性がよく、漆器木地や杓子、寄木細工、こけしに用いられる。
白い花が平たく集まっていて、甲虫(ハナカミキリやハナムグリなど)が停まりやすくなっている。
<仮軸分岐(かじくぶんし)>
枝が車輪状に仮軸分岐して水平に張るため、階段状の樹形になる。
主軸が短枝化し、代わって側枝が伸長することをくり返す。
<クマノミズキとの違い>葉と枝 葉柄 花 冬芽 ミズキ 互生 長いものがまじる 5月頃白い花が咲く 数枚の芽鱗に包まれやや丸みがある クマノミズキ 対生
葉はミズキよりやや大きく細長い同じ長さ 6月頃黄白色の花が咲く 2枚の芽鱗に包まれ尖っており黒褐色 -
マンリョウ Ardisia crenata
サクラソウ科ヤブコウジ属
漢字:万両
名前の由来:
カラタチバナを漢名で「百両金」と書くため、よく似た植物でより実の美しいセンリョウを「千両」、それより趣のあるマンリョウを「万両」とした説、
カラタチバナの園芸品種が江戸時代に非常で高価で、百両以下では手に入れられない「百両金」と名づけ、これに準じて実の量が多いマンリョウを「万両」とした説あり。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:両性花、散形花序、白色
花期:7~8月
果実:核果、赤色
果期:10月頃熟し、翌年の2月頃まで残る
備考:
江戸時代の植物ブームで、万両を出す価値があると鑑賞用に流通していた人気植物。センリョウ(千両)、カラタチバナ(百両)、ヤブコウジ(十両)、アリドオシ(一両)と続き、冬に赤い実のなる「千両、万両、有り通し」の語呂合わせで植えると金運に恵まれるとされ、庭先に植えられたり、正月飾りに用いる。 -
マンサク Hamamelis japonica
マンサク科マンサク属
漢字:満作
名前の由来:
早春に他の木の花に先駆けて花が咲くので「まず咲く」説、
枝に花をたくさん咲かせる様子から「豊年満作」説あり。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:両性花、黄色
花期:3月頃
果実:蒴果、2裂して光沢のある黒色の種子をはじき飛ばす
果期:9~10月
備考:
日本固有種。
葉は枯れても落ちにくく、春まで着いているものあり。
材(枝)は極めて強靭で、薪や柴などを縛るのに縄の代わりに用いた。 -
マルバノキ Disanthus cercidifolius
マンサク科マルバノキ属
漢字:丸葉の木
別名:ベニマンサク(紅満作)
名前の由来:
葉が丸い。
「ベニマンサク(紅満作)」は、花の色が紅色で形がマンサクの花に似る。
樹形:落葉低木
葉:互生、花期に紅葉
花:両性花、暗紅紫色、背中合わせに2個、ドクダミに似たにおいあり
花期:10~11月
果実:蒴果、腎臓形、暗褐色、種子は黒色、熟すと2裂して種子を弾き飛ばす
果期:花の咲いた翌年の秋
備考:
日本固有種。
本州中部地方以西、四国に自生。
落葉樹ではめずらしく、秋の落葉して休眠する時期に、紅葉しながら花を咲かせる。 -
マルバウツギ Deutzia scabra
アジサイ科ウツギ属
漢字:丸葉空木
名前の由来:
「マルバ(丸葉)」は、葉の形がウツギより円い。
「ウツギ(空木)」は、ウツギの名前の由来参照。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、円錐花序、白色
花期:4~6月
果実:蒴果
果期:10~11月
備考:
株立ちし枝を分ける。
全体に星状毛を密生する。
花序をつける枝の葉は無柄。