【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

投稿者: kona

  • ノアザミ Cirsium japonicum

    キク科アザミ属
    漢字:野薊
    名前の由来:
    「ノ(野)」は、野原に多い。
    「アザミ(薊)」は、トゲに触れて「あざむ(興ざめする)」に由来する。
    葉:茎葉は互生、基部は茎を抱く、とげが多い
    花:筒状花の集まった頭状花序、紅紫色
    花期:5~8月
    習性:多年草
    備考:
    総苞片は6~7裂で直立し、粘着する。
    <雄性先熟>
    アザミの仲間は花に虫が触ると、その刺激で筒状の葯(葯筒)の花糸が弓形に縮み、葯筒の中の花柱にある毛(集粉毛)が葯筒の上部にある花粉を外へ押し出す。この時、雌しべは成熟していないので受粉はしない。自分の株の花粉がなくなった頃、成熟して他の株の花粉を受粉する。

    ノアザミ
    20230619_富士山こどもの国
    ノアザミ
    20230619_富士山こどもの国
    ノアザミ
    20230724_八島湿原
    ノアザミ
    20230724_八島湿原
  • ネムノキ Albizia julibrissin

    マメ科ネムノキ属
    漢字:合歓木
    名前の由来:
    暗くなると小葉群が葉をたたんで垂れ下がり、眠るように見える就眠運動(備考参照)をする。
    「合歓木」は、「歓びが合わさるのでめでたい木」という中国名「合歓(ごうかん)」に由来。
    樹形:落葉高木
    葉:互生、2回偶数羽状複葉
    花:両性花、頭状花序、淡紅色
    花期:6~7月
    果実:豆果、褐色
    果期:10~12月
    備考:
    10本の雄しべは、花糸が3cm以上の長さがあり、上半分が淡紅色で目立つ。
    小葉の葉脈の位置が真ん中でなく偏っている。
    花は暗くなると咲いて夜行性の蛾を集め、翌日にしぼむ。
    冬芽は「隠芽(いんが)」で、葉痕に隠れていて見えない。
    生薬で樹皮を乾燥させたものを「合歓皮(ごうかんひ)」、花と蕾を「合歓花(ごうかんか)」と呼び、強壮、鎮痛、利尿、駆虫薬、打撲、捻挫などに用いる。
    若芽は茹でて食用にされた。
    材は加工が容易なため、器具材や桶、屋根板に用いた。
    地震を予知する働きがあるといわれる。根の先端の生長点が地震の前に起こる地層の歪みによって発生する電流を感じて、ネムノキの生体電位が変化する。
    <就眠運動>
    1日の中で葉が開閉したり、上下に動いたりすること。
    葉のつけ根にある小葉沈が蝶番(ちょうつがい)の役割をするためで、昼間は水分をたくさん含んで葉が広がり、夜には水分が欠乏して葉が閉じるという細胞の膨圧変化による。
    <雄性先熟>
    最初に雄しべが立つ、雌しべは垂れた状態、その後、雌しべが立ち上がり、雄しべが垂れ下がってくる。自家受粉を避ける仕組み。

    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
  • ネズミモチ Ligustrum japonicum

    モクセイ科イボタノキ属
    漢字:鼠黐
    名前の由来:黒紫色に熟した果実がネズミの糞に似ていることと、葉がモチノキに似ている。
    樹形:常緑小高木
    葉:対生
    花:両性花、円錐花序、白色
    花期:6月
    果実:液果状の核果、黒紫色
    果期:10~12月
    備考:
    トウネズミモチとの違い>

    葉を日に透かした場合の羽状脈(葉の厚み)葉身の長さ葉の先端葉の最大幅の位置花序の大きさ
    ネズミモチ透けて見えない
    (厚い)
    4~8cm中央10cm前後
    トウネズミモチ透けて見える
    (薄い)
    6~12cmやや長鋭尖する基部より20cm前後
    ネズミモチ
    20211018_城北公園
    ネズミモチ
    20211018_城北公園
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20240531_その他
    ネズミモチ
    20240531_その他
    ネズミモチ
    20240809_県立美術館
    ネズミモチ
    20240809_県立美術館
  • ネズミサシ Juniperus rigida

    ヒノキ科ビャクシン属
    漢字:鼠刺
    別名:ネズ
    名前の由来:ネズミの穴にこの葉を詰めておくと痛いのでネズミの害を防ぐ。
    樹形:常緑小高木
    花:雌雄異株
    花期:4月頃
    種子:球果、液果状で緑色→黒紫色で表面に白い蝋質あり
    種期:翌年または翌々年の10月頃
    備考:
    鋭く尖った硬質の葉はさわると痛い。
    球果を乾燥させたものは生薬の「杜松子(としょうし)/杜松実(としょうじつ)」と呼び、利尿、尿道炎、リュウマチ、神経痛などに用いる。

    ネズミサシ
    20231016_県立森林公園
    ネズミサシ
    20231016_県立森林公園
    ネズミサシ
    20231016_県立森林公園
  • ネジバナ Spiranthes sinensis var. amoena

    ラン科ネジバナ属
    漢字:捩花
    別名:モジズリ(捩摺)
    名前の由来:
    花序が螺旋状にねじれている。
    「モジズリ(捩摺)」は、捩(もじ)れ模様に染めた絹織物の一種で、ねじれた花序をこれにたとえた。
    葉:根生
    花:穂状花序、淡紅色ときに白色
    花期:5~8月
    習性:多年草
    備考:
    花序は左巻き、右巻きの両方あり。
    花粉を運ぶハチが横から花にもぐり込む習性に合わせ、花は横向きに咲く。
    視覚で花を探すハチを呼ぶには、小さな花が集まった方が効果的なため、小さな花を螺旋につけることで重心を安定させ、細い茎を直立させた。
    <花粉塊(かふんかい)>
    ラン科の花は、花粉を塊ごと虫の体にくっつける仕掛けを備えている。花粉の塊は、粘着体につながっており、ハチなどが花から出る時に頭などに粘着体が貼りつき、粘着体につながっている花粉塊も引きずり出される。花粉塊が運び去られた花では、粘液のある雌しべが露出して、花粉塊をつけたハチが訪れると受粉する。長期花粉塊が運び去られないと、花粉塊が柱頭に接合して自家受粉する。
    <ラン菌>
    ラン科植物の微細な種子は、栄養を貯蔵していないため自力では発芽できない。地面に種子が落ちると、ランの共生菌(ラン菌)の菌糸が集まってきて種子を包む。種子は菌糸から栄養を吸収して発芽し、根の中に菌糸を取り込んで菌根をつくって成長する。光合成で栄養をまかなうことができるようになると、菌糸を分解して自分の栄養にする。共生ではなく、ランがラン菌に「寄生」して一方的に栄養を搾取している。
    ラン菌は、ふだんは土中の有機物(枯葉や枯れ枝)を分解することで生きていけるのに対して、ランは、ラン菌を利用しなければ生きられない。

    20240616_遊木の森
    20240616_遊木の森
    20240616_遊木の森
    20240616_遊木の森
  • ネジキ Lyonia ovalifolia var. elliptica

    ツツジ科ネジキ属
    漢字:捩木
    名前の由来:生長するにしたがって幹が捩じれる。幹の縦筋が捩じれていることでわかる。
    樹形:落葉小高木
    葉:互生
    花:両性花、総状花序、白色
    花期:5~7月
    果実:蒴果
    果期:9~10月
    備考:
    日本固有種。
    乾燥地に多く生える。
    葉縁は波打つ。
    葉裏の脈上に白い毛があり、若枝は紅色で艶あり。
    下垂する壺形の花を咲かせるが、花が散ると花柄は上向きに反転し、果実は上向きに熟す。
    材は堅く、櫛や傘の柄、製糸用鼓車(こしゃ)などに用いた。
    枝葉は有毒で、蛆(うじ)殺しなどに用いた。

    ネジキ
    20230619_富士山こどもの国
    ネジキ
    20230619_富士山こどもの国
    ネジキ
    20230619_富士山こどもの国
    ネジキ
    20230619_富士山こどもの国
    ネジキ
    20230619_富士山こどもの国
    ネジキ
    20231001_高山・市民の森
    ネジキ
    20231001_高山・市民の森
    ネジキ
    20231001_高山・市民の森
    ネジキ
    20231115_遊木の森
    ネジキ
    20231115_遊木の森
    ネジキ
    20231115_遊木の森
    ネジキ
    20240427_遊木の森
    ネジキ
    20240427_遊木の森
    ネジキ
    20240427_遊木の森
    ネジキ
    20240511_遊木の森
    ネジキ
    20240614_高山・市民の森
    ネジキ
    20240614_高山・市民の森
    ネジキ
    20240614_高山・市民の森
    ネジキ
    20240614_高山・市民の森
    ネジキ
    20240614_高山・市民の森
    ネジキ
    20240614_高山・市民の森
  • ヌルデ Rhus javanica var. roxburghii

    ウルシ科ウルシ属
    漢字:白膠木
    名前の由来:幹を傷つけると出る白い漆のような樹液を器に塗った「塗る手」が転訛した。
    樹形:落葉小高木
    葉:互生、奇数羽状複葉
    花:雌雄異株、円錐花序、白色
    花期:8~9月
    果実:核果、黄赤色、核は黄褐色
    果期:10~11月
    備考:
    先駆樹種(パイオニアツリー)。陽樹。
    <先駆樹種(パイオニアツリー)><シードバンク(埋土種子)>については、アカメガシワの備考参照。
    小葉の間の葉軸に翼がある。
    ウルシ属のなかでは、ほとんどかぶれない。
    枝を切ると白い樹液がにじみ出るウルシ溝が、形成層の外側に並んでいる。
    果実の表面に白い結晶(リンゴ酸カルシウム)が浮き出ていて、舐めると塩辛い味がし塩の代用品にした。
    日干しにして乾燥させた果実は、生薬の「塩麩子(えんふし)」として、下痢、たん、咳などに用いた。
    材は比較的軽い割には耐腐朽性が高く、水を吸いにくいため、杭や農器具、浮き、箱物、シイタケ原木に用い、樹皮は染料に、実から蝋を採り、春の若芽は山菜とした。
    <五倍子(ごばいし、ふし)>
    葉にヌルデオオミミフシアブラムシ、ヌルデシロアブラムシなどのアブラムシが「虫えい形成物質」を注入して虫えいを作る。この虫えいを採取して乾燥させたものを「五倍子」と呼ぶ。タンニンが多く、染料や写真現像液、インキ、白髪染め、お歯黒の媒染剤に用いた。

    ヌルデ
    20211030_遊木の森
    ヌルデ
    20220619_遊木の森
    ヌルデ
    20220619_遊木の森
    ヌルデ
    20220619_遊木の森
  • ヌスビトハギ Desmodium podocarpum ssp. oxyphyllum var. japonicum

    マメ科ヌスビトハギ属
    漢字:盗人萩
    名前の由来:
    「ヌスビト(盗人)」は、半円形の果実の形が、盗みをする人が足の裏の縁だけを地面につけて忍び足で歩く足跡に似ている説、
    盗みに入ったが、知らぬうちに衣類に果実を貼りつけて帰る説あり。
    「ハギ(萩)」は、ヤマハギの名前の由来参照。
    葉:互生、3出羽状複葉
    花:総状花序、蝶形花、淡紅色
    花期:7~9月
    果実:節果、半円形の小節果が2個並ぶ
    果期:10~12月
    習性:多年草
    備考:節果の表面にはかぎ状の毛があり、衣服などにくっついて種子を散布する。

    ヌスビトハギ
    20231119_朝鮮岩
    ヌスビトハギ
    20231119_朝鮮岩
    ヌスビトハギ
    20240608_遊木の森
    ヌスビトハギ
    20240608_遊木の森
    ヌスビトハギ
    20240608_遊木の森
    ヌスビトハギ
    20240904_遊木の森
    ヌスビトハギ
    20240904_遊木の森
    ヌスビトハギ
    20240904_遊木の森
    ヌスビトハギ
    20240911_箱根湿生花園
  • ニワトコ Sambucus racemosa

    ガマズミ科ニワトコ属
    漢字:接骨木
    別名:セッコツボク(接骨木)
    名前の由来:
    薬用木として庭に常に植えられたから「庭常(にわとこ)」説、
    造木(みやつこぎ:宮仕う木の意味で、小正月に神前などに供した木幣(アイヌの祭具のひとつ)の材料)と呼ばれたものが転訛、
    ニワツコギ(庭に植えるウコギ)やニワツウツギ(庭に植えるウツギ)が転訛などあり。
    「セッコツボク(接骨木)」は、骨折や打撲の患部への湿布薬の材料として用いた(湿布薬:枝葉や幹を煎じて水あめ状にしたものや黒焼きにしたニワトコとうどん粉、そして酢をまぜたもの)。
    樹形:落葉低木
    葉:対生、奇数羽状複葉
    花:両性花、円錐花序、黄白色
    花期:3~5月
    果実:液果状の核果、暗赤色
    果期:6~8月
    備考:
    髄が太く発達。枝の中心から押し出せる白い髄は発砲スチロール状で、顕微鏡観察の標本用に薄い切片をカミソリで切り出すときの支持材(ピス)に用いた。
    蜜腺は花にはなく、複葉の基部に対になって出るツメのような突起(茎蜜腺)、不規則に見られる小葉基部の突起(小葉蜜腺)、まれに見られる葉軸の突起(葉軸蜜腺)があるが、葉が成長する頃には無くなる。
    熟した果実は果実酒の材料に用いる。

    ニワトコ
    20230717_八島湿原
    ニワトコ
    20230717_八島湿原
    ニワトコ
    20231101_清里自然歩道
    ニワトコ
    20231101_清里自然歩道
    ニワトコ
    20231101_清里自然歩道
    ニワトコ
    20240517_竜爪山
    ニワトコ
    20240517_竜爪山
    ニワトコ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ニワトコ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ニワトコ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ニワトコ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
  • ニワゼキショウ Sisyrinchium rosulatum

    アヤメ科ニワゼキショウ属
    漢字:庭石菖
    名前の由来:
    「セキショウ」に似て、庭に生える。
    「セキショウ(石菖)」は、岩場に生え、ショウブ(菖蒲)に似る。
    葉:根生
    花:紫色または白紫色で濃い色のすじあり
    花期:5~6月
    果実:蒴果、褐紫色
    習性:多年草
    備考:
    北アメリカ原産。
    花は一日でしぼむ。

    ニワゼキショウ
    20240504_高山・市民の森
    ニワゼキショウ
    20240504_高山・市民の森
    ニワゼキショウ
    20240504_高山・市民の森