【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

投稿者: kona

  • ハコベ Stellaria neglecta

    ナデシコ科ハコベ属
    漢字:繁縷
    別名:ミドリハコベ
    名前の由来:
    茎の中にある白い維管束を、絹糸の帛(はく)に見立て、帛糸を引き、群がり繁る草を意味する「帛繁(はくべら)」説、
    帛は同じ意味で、五つの花弁が箆(へら)を意味する「帛箆(はくへら)」説、
    平安時代の本草書「本草和名(ほんぞうわみょう)」に記された「波久倍良(はくべら)」説など諸説あり。
    漢字名「繁縷(はんろう)」は漢名。
    葉:対生
    花:集散花序、白色
    花期:3~11月
    果実:蒴果、熟すと6裂する
    習性:2年草
    備考:
    春の七草の一つ。
    小鳥の餌にする。
    ハコベの仲間は花弁が基部近くまで2列し、花弁が10個あるように見える(実際は5個)。
    花柄は花が終わるとだんだん下に向くが、果実が裂開する頃に再び上を向く。
    生薬で「繁縷(はんろう)」と呼び、利尿や浄血、催乳などに用いる。
    昔は、ハコベを炒って粉にし、塩を混ぜて歯磨き粉に使った。現在も「はこべ塩歯磨」として販売されている。
    <アリ散布>
    種子にエライオソームと呼ばれる脂肪や糖類に富む付属物が付いていてアリが好んで運搬する。アリは「エライオソーム」をかじりとると、残りの部分(種の本体)を巣の近くの地面に捨てるため、種子を散布させることができ相利共生関係が成立している。
    <コハコベ(子繁縷)、ウシハコベ(牛繁縷)との違い>
    ※コハコベもハコベと呼ぶ場合あり

    茎の色花柱と雄しべの数サイズ
    ハコベ(ミドリハコべ)緑色花柱:3
    雄しべ:5~10
    コハコベ白緑色~暗紫色花柱:3
    雄しべ:1~7
    ハコベより小さい
    ウシハコベ同上花柱:5他より茎葉が大きい

    コハコベ

    ハコベ
    20240410_吉田川
    ハコベ
    20240410_吉田川
    ハコベ
    20240410_吉田川
    ハコベ
    20240421_遊木の森
    ハコベ
    20240421_遊木の森
    ハコベ
    20240421_遊木の森
  • ハコネウツギ Weigela coraeensis

    スイカズラ科タニウツギ属
    漢字:箱根空木
    名前の由来:箱根に生え、枝が空洞であることかららしいが、箱根の山中には生えておらず(低地には生えている)、枝の髄は白く充実している。
    樹形:落葉低木
    葉:対生
    花:両性花、白色→紅色
    花期:5~6月
    果実:蒴果
    果期:11月頃
    備考:
    日本固有種。
    花は白から、(アントシアニンが合成されて)赤に変わる。
    花色の変化は、虫に花の熟度を知らせるサインになる。
    白(フラボン色素)は紫外線を吸収し、紫外色を見ることができるハチの目には目立つ色。ハチは花の色(白/赤)を学習して効率的に蜜を吸い、花はハチに未受粉の花を集中的に巡回させる相利関係が成立している。
    <ニシキウツギとの違い>

    花冠葉裏の主脈
    ハコネウツギ花筒下部で急に角ばり細くなるほとんど無毛
    ニシキウツギ花筒下部で徐々に細くなる白い伏毛が密生
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
  • ハクモクレン Magnolia heptapeta

    モクレン科モクレン属
    漢字:白木蘭/白木蓮
    名前の由来:
    「ハク(白)」は、花の色が白い。
    「モクレン(木蓮)」は、花が蓮(ハス)に似ている木説、
    漢名「木蘭」が転訛した説あり。
    樹形:落葉高木
    葉:互生、葉先が短く尖る
    花:両性花、同花被花(花冠と萼が同形で区別できない)、白色、強い香りあり
    花期:3~4月
    果実:袋果が集まった集合果、種子は赤色
    果期:10月
    備考:
    中国原産。
    中国で改良された園芸品種で、山には生えていない。ほとんど実がならない。コブシの苗木に枝を接ぎ木して増やされる。
    <モクレン科の花>
    コブシの備考参照。

    ハクモクレン
    20220801_県立美術館
    ハクモクレン
    20220801_県立美術館
    ハクモクレン
    20220801_県立美術館
    ハクモクレン
    20240310_その他
    ハクモクレン
    20240310_その他
    ハクモクレン
    20240809_静岡県立美術館
    ハクモクレン
    20250430_県立美術館
    ハクモクレン
    20250430_県立美術館
  • ハクウンボク Styrax obassia

    エゴノキ科エゴノキ属
    漢字:白雲木
    名前の由来:白い花が群がって咲く様子を白雲に見立てた。
    樹形:落葉高木
    葉:互生
    花:両性花、総状花序、白色
    花期:5~6月
    果実:蒴果、種子は褐色
    果期:9月頃
    備考:
    2年枝は表皮が縦に短冊状に割れて剥がれ落ちる。
    冬芽は葉柄の中にあり落葉するまで見えない(葉柄内芽)。副芽が縦に並ぶ。

    ハクウンボク
    20231031_山梨・健康の森
    ハクウンボク
    20231031_山梨・健康の森
    ハクウンボク
    20231031_山梨・健康の森
    ハクウンボク
    20231031_山梨・健康の森
    ハクウンボク
    20240911_箱根湿生花園
    ハクウンボク
    20240911_箱根湿生花園
  • ハウチワカエデ Acer japonicum

    ムクロジ科カエデ属
    漢字:羽団扇楓
    別名:メイゲツカエデ(名月楓)
    名前の由来:
    「ハウチワ(羽団扇)」は、葉の形が天狗の羽団扇(はうちわ)に似る。
    「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
    「メイゲツ(名月)」は、オオイタヤメイゲツの名前の由来参照。
    樹形:落葉高木
    葉:対生
    花:雌雄同株(ひとつの花序に雄花と両性花が混じる)、複散房花序、紅紫色
    花期:4~5月
    果実:翼果
    果期:7~9月
    備考:
    日本固有種。
    オオイタヤメイゲツとの葉柄の違い>
    オオイタヤメイゲツの備考参照。
    他、葉の裂片の幅がやや広く、切れ込みも浅い違いあり。

    ハウチワカエデ
    20221012_しらびそ高原
    ハウチワカエデ
    20221012_しらびそ高原
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
  • バアソブ Codonopsis ussuriensis

    キキョウ科ツルニンジン属
    漢字:婆ソブ
    名前の由来:花冠の内側の斑点を老婆の顔のそばかす(ソブ)にたとえた。
    葉:
    花:花冠の内側の上部は紫色、下半分は濃紫色の斑点あり
    花期:7~8月
    果実:蒴果
    習性:蔓性多年草
    備考:
    つるを切ると白い乳液が出る。
    ツルニンジン(ジイソブ)との違い>
    本種は葉の裏面や縁に白い毛がある

    バアソブ
    20230724_八島湿原
    バアソブ
    20230724_八島湿原
  • ノリウツギ Hydrangea paniculata

    アジサイ科アジサイ属
    漢字:糊空木
    名前の由来:
    「ノリ(糊)」は、樹皮の内皮に粘液があって、伐った枝を水に浸けると靭皮から糊状の粘液が出る。糊料は、和紙をすく過程で用いた。
    「ウツギ(空木)」は、枝の中が空洞の意味だが、枝の髄は白く充実している。
    樹形:落葉低木~小高木
    葉:対生
    花:両性花、円錐花序、白色、装飾花は種子が熟すと淡緑色→淡紅色
    花期:7~8月
    果実:蒴果、花柱が残る、種子は赤褐色
    果期:9~11月
    備考:
    葉柄は赤みを帯びる。
    花序は枯れても、翌年まで枝先に付いている。
    材は白くて堅く、傘の柄や杖、輪カンジキ、楊枝などに用いた。根本付近の材で煙管(キセル)「サビタパイプ」が作られた。

    ノリウツギ
    20221012_しらびそ高原
    ノリウツギ
    20221012_しらびそ高原
    ノリウツギ
    20221012_しらびそ高原
    ノリウツギ
    20221012_しらびそ高原
    ノリウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ノリウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ノリウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ノリウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ノリウツギ
    20230702_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20230702_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20230902_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20230902_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20240614_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20240614_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20250412_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20250412_高山・市民の森
  • ノミノツヅリ Arenaria serpyllifolia

    ナデシコ科ノミノツヅリ属
    漢字:蚤の綴り
    名前の由来:小形の葉をノミの綴り(布切れをつなぎあわせてつくった粗末な衣)に見立てた。
    葉:対生
    花:白色
    花期:3~6月
    果実:蒴果、先端が6裂する、種子は腎臓形で細かい凹凸あり
    習性:越年草

    ノミノツヅリ
    20240504_高山・市民の森
    ノミノツヅリ
    20240504_高山・市民の森
  • ノブドウ Ampelopsis brevipedunculata

    ブドウ科ノブドウ属
    漢字:野葡萄
    名前の由来:野に生える「ブドウ」。
    樹形:蔓性落葉低木
    葉:互生
    花:両性花、集散花序、緑色、葉に対生
    花期:7~8月
    果実:液果、白色/水色/赤色/紫色/瑠璃色
    果期:9~11月
    備考:
    葉の形に変異が多い。
    巻髭は花序のつかない節で葉に対生し、2又に分かれる。
    果実は、ブドウタマバエやブドウトガリバチの幼虫が寄生して虫えいを作ることが多く、色が鮮やかになり肥大化する。また、まずくて食べられない。
    茎や葉は「蛇葡萄(じゃほとう)」、根は「蛇葡萄根(じゃほとうこん)」の生薬名で呼ばれ、関節痛などに煎じて飲用する。または、若い茎葉をすり潰して、小麦粉と酢を混ぜたものを関節痛の患部に塗布する。
    <ブドウ属>
    ヤマブドウの備考参照。
    <ブドウ属の花序の違い>
    エビヅル、サンカクヅル、ヤマブドウ:円錐花序
    ノブドウ:集散花序
    (参考)
    総状花序:花序軸は長く伸び、ほぼ均等に花柄がつき、花柄の先に花がつく。
    円錐花序:総状花序の花に当たるところに総状花序がつく。
    集散花序:花序軸の先端に花がつき、その下からは花柄が出て先に花がつく。花は上から下に向かって開花していく。

    ノブドウ
    20240911_箱根湿生花園
    ノブドウ
    20240911_箱根湿生花園
    ノブドウ
    20240911_箱根湿生花園
  • ノハナショウブ Iris ensata var. spontanea

    アヤメ科アヤメ属
    漢字:野花菖蒲
    名前の由来:
    野に生える「ハナショウブ」。
    「ハナショウブ(花菖蒲)」は、「ショウブ」に似た葉を持ち、花が美しい。
    「ショウブ(菖蒲)」は、中国名「白菖」だが、生薬の「菖蒲根」から「菖蒲」とした説あり。
    葉:互生
    花:赤紫色、外花被片の中央基部に黄色の細い斑紋あり
    花期:6~7月
    果実:蒴果
    習性:多年草
    備考:
    ハナショウブの原種。
    湿地に生える。

    ノハナショウブ
    20230724_八島湿原