バラ科ワレモコウ属
漢字:吾木香/吾亦紅
名前の由来:
「吾木香」は、キク科のモッコウ(木香)に古くから日本の木香の意味で「我の木香」という意味で「ワレモコウ」の名があったが、その後、名だけが本種の名となった説あり。
「吾亦紅」は、神が赤い花を集めていた時に、花自身が「吾もまた紅なり」と唱えた説あり。
葉:互生、奇数羽状複葉
花:穂状花序、単花被花(花冠なし萼片のみ)、暗赤紫色
花期:8~10月
果実:瘦果
習性:多年草
投稿者: kona
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ワサビ Eutrema japonicum
アブラナ科ワサビ属
漢字:山葵
名前の由来:
深山に生え、銭葵(ゼニアオイ)の葉に似ていることから山葵の名が生まれ、のちに「和佐比」の名前がついた説、
「悪障疼(わるさわりひびく)」「悪舌響(わるしたひびき)」の意味で、鼻につんとくる辛さを語源とした説、
葉が心臓形で葵の葉に似て、沢に生えていることで「沢葵(さわあおい)」と呼ばれ、短縮して「サワサビ」となり転じた説など諸説あり。
葉:茎葉は互生
花:総状花序、白色
花期:3~5月
果実:長角果
習性:多年草
備考:
栽培の始まりは、江戸時代(慶長時代)に静岡県の安倍川上流の「有東木」。
殺菌力が高い(にぎり寿司は、ワサビがなくては完成しなかったといわれる)。
根茎は香辛料として用いる。すりおろしたものは、リウマチや神経痛の鎮痛剤に用いた。
現在市販されている粉ワサビや練りワサビはワサビダイコンを緑色に着色したものが多い。 -
ロウバイ Chimonanthus praecox
ロウバイ科ロウバイ属
漢字:蝋梅
名前の由来:花弁が蝋細工のような透明感と独特の光沢があり、ウメのように香ることから説あり。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、黄色、芳香あり
花期:1~2月
果実:偽果(内部は瘦花5~20個)
果期:6~7月
備考:
中国原産。
葉の表面に、葉先に向かって細かく堅い毛が生えている。指を柄からなでおらすとスムーズに進むが、なであげると止まる。
内側の花被片が赤紫色でなく、黄色のものは、変種「ソシンロウバイ(素心蝋梅)」。 -
リョウブ Clethra barbinervis
リョウブ科リョウブ属
漢字:令法
名前の由来:律令制の時代(平安時代)に農民にリョウブを植えさせ、葉を救荒食として貯蔵することを命ずる官令が発せられ、この官令(令法)がそのまま名前になった説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生、枝先に輪生状につく
花:両性花、総状花序、白色
花期:6~8月
果実:蒴果
果期:10~11月
備考:
若葉を茹でてから陰干しして保存し、ご飯に混ぜたり、粉にした葉を米や粟の粉に混ぜて団子にしたりして食べた。十分乾燥した葉は1年以上保存でき、夏に土用干しして竈(かまど)で燻(いぶ)したものは、5年程度保存が効くため重要な救荒食だった。
樹皮が剥げ落ちた跡が縦に長くはっきりとした模様を描く。
材は緻密で堅く、器具や洋傘の柄、木炭に用いた。また、ヒメシャラやサルスベリなどど同じように皮付き丸太が茶室などの床柱に用いられる。
<同時枝>
腋芽が休眠して越冬することなく主軸と同時に側枝も伸びる(先発枝:腋芽が休眠して越冬した後に伸び出す)。
リョウブの場合は、冬芽の頂芽は大きいが、側芽は発達しない。春、頂芽が伸びて、その先に花序をつけて主軸の伸びが止まる頃、その枝につく葉の葉腋から新しい芽が伸び出してきて側枝となる(同時枝)。花をつけない枝も同様。
このため、木全体の枝振りを見ると太めの枝がほとんどで、枝分かれの頻度も少ない。 -
ラクウショウ Taxodium distichum
ヒノキ科ヌマスギ属
漢字:落羽松
別名:ヌマスギ(沼杉)
名前の由来:
小枝ごと落葉する葉が水平に並んでつく様子を鳥の羽に見立てた。
「ヌマスギ(沼杉)」は、沼地などの湿地に生える。
樹形:落葉高木
葉:側枝に互生
花:雌雄同株
花期:3~4月
種子:球果、緑白→褐色、種子は褐色
種期:11~12月
備考:
北アメリカ原産。
地中の根から直立する太い呼吸根(膝根(しっこん))を地上に出す。膝根の由来は、膝を立てたところに似ていることから。
落葉する際は小枝(側枝)ごと落ちる。枝の葉痕のようなものは枝痕。
<メタセコイアとの違い>
メタセコイアの備考参照。 -
ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana
ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属
漢字:洋種山牛蒡
別名:アメリカヤマゴボウ
名前の由来:
「ヨウシュ(洋種)」は、外国種の意味。
「ヤマゴボウ(山牛蒡)」は、根がゴボウの根に似ている。
葉:互生
花:総状花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、白色(淡紅色を帯びる)
花期:6~9月
果実:液果、下垂、黒紫色、つぶすと赤紫色の果汁が出る
習性:多年草
備考:
北アメリカ原産。
茎をたてに切ると、中にたくさんの膜がはしご状に並んでいる。
全草にわたって毒あり。毒性:根>葉>果実。果実は特に種子に毒性が高い。根などを誤食すると、強い嘔吐や下痢、けいれん、意識障害が生じ、呼吸障害や心臓まひで死に至ることもあり。 -
ユリノキ Liriodendron tulipifera
モクレン科ユリノキ属
漢字:百合の木
別名:ハンテンボク(半纏木)、チューリップツリー
名前の由来:
大正天皇が皇太子の時に小石川植物園でこの木を見て命名した説、
属名の Liriodendron(lirion ユリ + dendron 木)を「ユリノキ」と訳した説あり。
「ハンテンボク(半纏木)」は、葉を上下ひっくり返すと半纏(はんてん)のように見える。
「チューリップツリー」は、チューリップのような花を咲かせる。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:両性花、黄緑色(基部にオレンジ色の斑紋あり)、萼は緑白色、芳香あり
花期:5~6月
果実:翼果が上向きに集まった集合果
果期:10~3月
備考:
北アメリカ原産。
モクレン科の中では蜜あり。
花弁にあるオレンジ色の斑紋部分から多量の蜜を分泌して、萼片などに溜まり蜜源となる。
葉柄基部の托葉は、大きく目立つ。
材は軽軟だが狂いが少なく、加工性もよく、合板に用いる。