【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

投稿者: kona

  • ノブドウ Ampelopsis brevipedunculata

    ブドウ科ノブドウ属
    漢字:野葡萄
    名前の由来:野に生える「ブドウ」。
    樹形:蔓性落葉低木
    葉:互生
    花:両性花、集散花序、緑色、葉に対生
    花期:7~8月
    果実:液果、白色/水色/赤色/紫色/瑠璃色
    果期:9~11月
    備考:
    葉の形に変異が多い。
    巻髭は花序のつかない節で葉に対生し、2又に分かれる。
    果実は、ブドウタマバエやブドウトガリバチの幼虫が寄生して虫えいを作ることが多く、色が鮮やかになり肥大化する。また、まずくて食べられない。
    茎や葉は「蛇葡萄(じゃほとう)」、根は「蛇葡萄根(じゃほとうこん)」の生薬名で呼ばれ、関節痛などに煎じて飲用する。または、若い茎葉をすり潰して、小麦粉と酢を混ぜたものを関節痛の患部に塗布する。
    <ブドウ属>
    ヤマブドウの備考参照。
    <ブドウ属の花序の違い>
    エビヅルサンカクヅルヤマブドウ:円錐花序
    ノブドウ:集散花序
    (参考)
    総状花序:花序軸は長く伸び、ほぼ均等に花柄がつき、花柄の先に花がつく。
    円錐花序:総状花序の花に当たるところに総状花序がつく。
    集散花序:花序軸の先端に花がつき、その下からは花柄が出て先に花がつく。花は上から下に向かって開花していく。

    ノブドウ
    20240911_箱根湿生花園
    ノブドウ
    20240911_箱根湿生花園
    ノブドウ
    20240911_箱根湿生花園
  • ノハナショウブ Iris ensata var. spontanea

    アヤメ科アヤメ属
    漢字:野花菖蒲
    名前の由来:
    野に生える「ハナショウブ」。
    「ハナショウブ(花菖蒲)」は、「ショウブ」に似た葉を持ち、花が美しい。
    「ショウブ(菖蒲)」は、中国名「白菖」だが、生薬の「菖蒲根」から「菖蒲」とした説あり。
    葉:互生
    花:赤紫色、外花被片の中央基部に黄色の細い斑紋あり
    花期:6~7月
    果実:蒴果
    習性:多年草
    備考:
    ハナショウブの原種。
    湿地に生える。

    ノハナショウブ
    20230724_八島湿原
  • ノコギリソウ Achillea alpina

    キク科ノコギリソウ属
    漢字:鋸草
    名前の由来:くし葉状の葉の形を鋸の歯に見立てた。
    葉:互生
    花:まわりの舌状花(雌性)と中心部の筒状花(両性)の集まった頭状花序、淡紅色または白色
    花期:7~9月
    果実:瘦果
    習性:多年草

    ノコギリソウ
    20230724_八島湿原
    ノコギリソウ
    20230724_八島湿原
    ノコギリソウ
    20230724_八島湿原
  • ノギラン Aletris luteoviridis

    キンコウカ科ソクシンラン属
    漢字:芒蘭
    名前の由来:芒をもつ花の形の蘭。
    葉:根生(ロゼット)
    花:総状花序、淡黄色
    花期:6~8月
    果実:蒴果
    習性:多年草

    ノギラン
    20231016_県立森林公園
    ノギラン
    20231016_県立森林公園
  • ノイバラ Rosa multiflora

    バラ科バラ属
    漢字:野茨
    名前の由来:トゲのことを「茨」といい、茎にトゲを持ち野に生える。
    樹形:落葉低木
    葉:互生、奇数羽状複葉
    花:両性花、円錐花序、白色、芳香あり
    花期:5~6月
    果実:バラ状果(集合果)、赤色
    果期:9~11月
    備考:
    枝にかぎ状に湾曲した鋭いトゲが対生する。
    托葉は葉柄の基部に合着し、羽状で、先端は細かく分かれ腺となっている。
    赤い果実は、冬に落葉しても残って越冬する。ローズヒップと呼ばれ、食べられる。
    果実を青みがかかったうちに採取して乾燥させたものを生薬の「営実(えいじつ)」と呼び、下剤、利尿薬に用いた。
    (参考)
    子房が肥大した「真果」に対して、子房以外の萼や花床(花托)などが肥大した果実を「偽果」という。バラ属、リンゴ属、ナシ属は発達した花床(花托)が肥大して偽果を形づくっている。

    ノイバラ
    20230724_八島湿原
    ノイバラ
    20230724_八島湿原
    ノイバラ
    20230724_八島湿原
    ノイバラ
    20231115_遊木の森
    ノイバラ
    20231115_遊木の森
    ノイバラ
    20231115_遊木の森
  • ノアザミ Cirsium japonicum

    キク科アザミ属
    漢字:野薊
    名前の由来:
    「ノ(野)」は、野原に多い。
    「アザミ(薊)」は、トゲに触れて「あざむ(興ざめする)」に由来する。
    葉:茎葉は互生、基部は茎を抱く、とげが多い
    花:筒状花の集まった頭状花序、紅紫色
    花期:5~8月
    習性:多年草
    備考:
    総苞片は6~7裂で直立し、粘着する。
    <雄性先熟>
    アザミの仲間は花に虫が触ると、その刺激で筒状の葯(葯筒)の花糸が弓形に縮み、葯筒の中の花柱にある毛(集粉毛)が葯筒の上部にある花粉を外へ押し出す。この時、雌しべは成熟していないので受粉はしない。自分の株の花粉がなくなった頃、成熟して他の株の花粉を受粉する。

    ノアザミ
    20230619_富士山こどもの国
    ノアザミ
    20230619_富士山こどもの国
    ノアザミ
    20230724_八島湿原
    ノアザミ
    20230724_八島湿原
  • ネムノキ Albizia julibrissin

    マメ科ネムノキ属
    漢字:合歓木
    名前の由来:
    暗くなると小葉群が葉をたたんで垂れ下がり、眠るように見える就眠運動(備考参照)をする。
    「合歓木」は、「歓びが合わさるのでめでたい木」という中国名「合歓(ごうかん)」に由来。
    樹形:落葉高木
    葉:互生、2回偶数羽状複葉
    花:両性花、頭状花序、淡紅色
    花期:6~7月
    果実:豆果、褐色
    果期:10~12月
    備考:
    10本の雄しべは、花糸が3cm以上の長さがあり、上半分が淡紅色で目立つ。
    小葉の葉脈の位置が真ん中でなく偏っている。
    花は暗くなると咲いて夜行性の蛾を集め、翌日にしぼむ。
    冬芽は「隠芽(いんが)」で、葉痕に隠れていて見えない。
    生薬で樹皮を乾燥させたものを「合歓皮(ごうかんひ)」、花と蕾を「合歓花(ごうかんか)」と呼び、強壮、鎮痛、利尿、駆虫薬、打撲、捻挫などに用いる。
    若芽は茹でて食用にされた。
    材は加工が容易なため、器具材や桶、屋根板に用いた。
    地震を予知する働きがあるといわれる。根の先端の生長点が地震の前に起こる地層の歪みによって発生する電流を感じて、ネムノキの生体電位が変化する。
    <就眠運動>
    1日の中で葉が開閉したり、上下に動いたりすること。
    葉のつけ根にある小葉沈が蝶番(ちょうつがい)の役割をするためで、昼間は水分をたくさん含んで葉が広がり、夜には水分が欠乏して葉が閉じるという細胞の膨圧変化による。
    <雄性先熟>
    最初に雄しべが立つ、雌しべは垂れた状態、その後、雌しべが立ち上がり、雄しべが垂れ下がってくる。自家受粉を避ける仕組み。

    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
  • ネズミモチ Ligustrum japonicum

    モクセイ科イボタノキ属
    漢字:鼠黐
    名前の由来:黒紫色に熟した果実がネズミの糞に似ていることと、葉がモチノキに似ている。
    樹形:常緑小高木
    葉:対生
    花:両性花、円錐花序、白色
    花期:6月
    果実:液果状の核果、黒紫色
    果期:10~12月
    備考:
    トウネズミモチとの違い>

    葉を日に透かした場合の羽状脈(葉の厚み)葉身の長さ葉の先端葉の最大幅の位置花序の大きさ
    ネズミモチ透けて見えない
    (厚い)
    4~8cm中央10cm前後
    トウネズミモチ透けて見える
    (薄い)
    6~12cmやや長鋭尖する基部より20cm前後
    ネズミモチ
    20211018_城北公園
    ネズミモチ
    20211018_城北公園
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20240531_その他
    ネズミモチ
    20240531_その他
    ネズミモチ
    20240809_県立美術館
    ネズミモチ
    20240809_県立美術館
  • ネズミサシ Juniperus rigida

    ヒノキ科ビャクシン属
    漢字:鼠刺
    別名:ネズ
    名前の由来:ネズミの穴にこの葉を詰めておくと痛いのでネズミの害を防ぐ。
    樹形:常緑小高木
    花:雌雄異株
    花期:4月頃
    種子:球果、液果状で緑色→黒紫色で表面に白い蝋質あり
    種期:翌年または翌々年の10月頃
    備考:
    鋭く尖った硬質の葉はさわると痛い。
    球果を乾燥させたものは生薬の「杜松子(としょうし)/杜松実(としょうじつ)」と呼び、利尿、尿道炎、リュウマチ、神経痛などに用いる。

    ネズミサシ
    20231016_県立森林公園
    ネズミサシ
    20231016_県立森林公園
    ネズミサシ
    20231016_県立森林公園
  • ネジバナ Spiranthes sinensis var. amoena

    ラン科ネジバナ属
    漢字:捩花
    別名:モジズリ(捩摺)
    名前の由来:
    花序が螺旋状にねじれている。
    「モジズリ(捩摺)」は、捩(もじ)れ模様に染めた絹織物の一種で、ねじれた花序をこれにたとえた。
    葉:根生
    花:穂状花序、淡紅色ときに白色
    花期:5~8月
    習性:多年草
    備考:
    花序は左巻き、右巻きの両方あり。
    花粉を運ぶハチが横から花にもぐり込む習性に合わせ、花は横向きに咲く。
    視覚で花を探すハチを呼ぶには、小さな花が集まった方が効果的なため、小さな花を螺旋につけることで重心を安定させ、細い茎を直立させた。
    <花粉塊(かふんかい)>
    ラン科の花は、花粉を塊ごと虫の体にくっつける仕掛けを備えている。花粉の塊は、粘着体につながっており、ハチなどが花から出る時に頭などに粘着体が貼りつき、粘着体につながっている花粉塊も引きずり出される。花粉塊が運び去られた花では、粘液のある雌しべが露出して、花粉塊をつけたハチが訪れると受粉する。長期花粉塊が運び去られないと、花粉塊が柱頭に接合して自家受粉する。
    <ラン菌>
    ラン科植物の微細な種子は、栄養を貯蔵していないため自力では発芽できない。地面に種子が落ちると、ランの共生菌(ラン菌)の菌糸が集まってきて種子を包む。種子は菌糸から栄養を吸収して発芽し、根の中に菌糸を取り込んで菌根をつくって成長する。光合成で栄養をまかなうことができるようになると、菌糸を分解して自分の栄養にする。共生ではなく、ランがラン菌に「寄生」して一方的に栄養を搾取している。
    ラン菌は、ふだんは土中の有機物(枯葉や枯れ枝)を分解することで生きていけるのに対して、ランは、ラン菌を利用しなければ生きられない。

    20240616_遊木の森
    20240616_遊木の森
    20240616_遊木の森
    20240616_遊木の森