カバノキ科ハシバミ属
漢字:角榛
名前の由来:
「ツノ(角)」は、4つの堅果を包んでいる長い苞を角に見立てた。
「ハシバミ(榛)」は、葉に皺が多いことからの「葉皺(はしわ)」が転化した説、
実を「榛紫実(はりしばみ)」と呼んだ説などあり。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:雌雄同株(枝の途中に雄花序、枝の先端に雌花序)
花期:3~5月
果実:総苞に包まれた堅果が集まった複合果
果期:9~10月
備考:
堅果はクリのような味がしておいしい。渋みがほとんど無く生でも食べられるが、炒ると香ばしくなる。ただし、総苞にガラス質の刺毛(しもう)があるので素手で触れる時は注意が必要。
<叢生型低木>
数本の細い株を株立ちさせ、数十年で世代交代する。一度定着すると、幹や枝だけを若返らせる。
投稿者: kona
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ツノハシバミ Corylus sieboldiana
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ツチアケビ Galeola septentrionalis
ラン科ツチアケビ属
漢字:土木通
別名:ヤマノカミノシャクジョウ(山の神の錫杖)
名前の由来:
全体が土の色に似ており、果実の色や形がアケビに似ている(果実が裂開することはない)。
「ヤマノカミノシャクジョウ(山の神の錫杖)」は、果実のついた状態が修験僧の持つ錫杖に似ている。
葉:
花:総状花序、淡黄色
花期:6~7月
果実:紅色
習性:多年草
備考:
光合成をしないため、葉緑素をもたない。
菌類に寄生して栄養を奪うため、「菌従属栄養植物」と呼ばれる。
ツチアケビの場合、ナラタケ(腐生菌)が獲得した栄養分を奪う。
果実を乾燥させたものは生薬の「土通草(どつうそう)」と呼び、強壮・強精剤に用いる。 -
ツタウルシ Rhus ambigua
ウルシ科ウルシ属
漢字:蔦漆
名前の由来:ツタに似た「ウルシ」。
樹形:蔓性落葉木本
葉:互生、3出複葉
花:雌雄異株、総状花序、黄緑色
花期:5~6月
果実:核果、黄褐色、無毛
果期:8~9月
備考:
気根(付着根)を出して、木や岩にはい登る。
葉に触れると非常にかぶれやすい(ウルシオールという物質による接触性皮膚炎)。紅葉時はウルシ成分が少なく、かぶれることは少ない。
かぶれると炎症を起こし、猛烈に痒くなる。痒くてかくと傷が付き、熱が出て腫れてひどくなる。
かぶれの危険度は、
「ツタウルシ > ウルシ > ヤマハゼ > ハゼノキ > ヤマウルシ > ヌルデ」。
若い茎の小葉は粗い鋸歯があるが、古い茎の小葉は全縁。
<ツタとの違い>葉 巻き髭 毛 ツタウルシ 3出複葉のみ なし 葉裏側脈や若枝に褐色毛あり ツタ 3出複葉以外に単葉もあり変化が多い 枝別れした巻き髭あり なし -
ツタ Parthenocissus tricuspidata
ブドウ科ツタ属
漢字:蔦
別名:ナツヅタ(夏蔦)
名前の由来:
蔓をもって他物に伝う。
「ナツヅタ(夏蔦)」は、夏緑性で冬は落葉する。
樹形:蔓性落葉木本
葉:互生
花:両性花、集散花序、黄緑色
花期:6~7月
果実:液果、藍黒色
果期:秋
備考:
茎には側芽や巻き髭の着き方に規則性あり。節間が長い2節と節間が短い1節があり、3つの節間が1セット。葉はすべての節に着くが、側芽は短い節の基部のみに着き、巻き髭は長い節の基部のみに着く。
巻き髭は、5、6本に枝分かれし、その先端が吸盤になって張り付く。1年で枯れるが、その頃には茎から気根(付着根)を出して張り付く。
葉は、切れ込みのある単葉から3出複葉まで変化がある。 -
ツガ Tsuga sieboldii
マツ科ツガ属
漢字:栂
名前の由来:
木が曲がる意味の「とが」が転訛した説、
枝についた葉が下側に長い葉、上側に短い葉と並ぶことから、「継ぎあう」とか「番(つが)う」を意味する「つがう木(組み合わせる木)」と表現した説、
かつて咎人(とがにん)を張り付ける木として使われたため、トガがツガになった説などあり。
漢字名「栂」は、落葉した葉が厚く堆積して肥料となり台地を育むため、母のごとき木とした説、
楕円形の球果が、母指(おやゆび)ぐらいの大きさ説、
幹から出る白っぽい樹液(樹脂)を母乳に見立てた説など諸説あり。
樹形:常緑高木
花:雌雄同株
花期:4~6月
種子:球果
種期:10月頃
備考:
ツガ属の球果は下垂し、種鱗は脱落しない。
葉は偏平な針状、表面は黄色がかった緑色で艶あり、主脈に沿ってくぼみあり。裏面は二本の白い気孔帯が明瞭、葉先は少しくぼむが、モミのように尖らず丸まっている。
材は針葉樹材の中では重硬で、節やアテ材が比較的多く、加工性は容易ではない。また、ほとんどが天然性のため、成長が遅く、年輪が詰まった美しい柾目面が取れ、建築材としては柱や土台、長押(なげし)や鴨居、床柱に用いられた他、線路の枕木や器具材、指物(さしもの)、家具材、船舶材、彫刻材などにも用いた。
<コメツガとの違い>生息域 若枝 球果の長さ(mm) 果柄 冬芽 ツガ 本州中部標高1600付近
下部無毛、光沢あり 20~30 下向きに曲がる 先端尖り気味 コメツガ 本州中部標高1600付近
上部褐色の短毛あり、光沢なし 15~20 斜め下に曲がる程度 先端丸目気味 -
チドリノキ Acer carpinifolium
ムクロジ科カエデ属
漢字:千鳥の木
別名:ヤマシバカエデ(山柴楓)
名前の由来:翼果の形を千鳥が飛ぶ姿に見立てた。
樹形:落葉高木
葉:対生
花:雌雄異株、総状花序、淡黄色
花期:4~5月
果実:翼果
果期:8~10月
備考:
日本固有種。
黄葉した葉は落葉しにくく、春まで着いているものが多い。 -
チゴユリ Disporum smilacinum
イヌサフラン科チゴユリ属
漢字:稚児百合
名前の由来:
「チゴ(稚児)」は、可憐な小型の花を稚児に見立てた。
「ユリ(百合)」は、ササユリの名前の由来参照。
葉:互生
花:白色
花期:4~6月
果実:液果、黒色
習性:多年草