キツネノマゴ科イセハナビ属
漢字:鈴虫花
名前の由来:
スズムシが鳴くころに咲く説、
花姿がスズムシの羽根のように見える説あり。
葉:対生
花:唇形花、淡紫色、朝開いて午後散る
花期:9~10月
果実:蒴果、熟すと2裂して4個の種子を散らす
習性:多年草
備考:山地の樹陰に生える。
投稿者: kona
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スギ Cryptomeria japonica
ヒノキ科スギ属
漢字:杉
名前の由来:
真っ直ぐの木「直ぐ木(すぐき)」から変化した説が有力、
他、上へ進み上がる木「進木(すすぎ)」説あり。
樹形:常緑高木
花:雌雄同株、雄花は淡黄色 雌花は緑色
花期:2~4月
種子:球果
種期:10~11月
備考:
日本固有種。
日本で最も樹高が高くなり、寿命も長く大木になる。
葉は冬になると緑が薄くなり、黄褐~赤褐色になる。光合成機能が低下する低温条件下で太陽光による光阻害(強すぎる光によって光合成が阻害されること)を防ぐための適応。
成長が早く、単位面積当たりの収穫材積が大きく、昔から植林された。
材は割裂性が良く、あまり固くないので削ったり、切ったりが容易で、曲げても粘りがあり折れないため、主に建築用材とされるが、建具、箱、下駄、箸など用途が広い。桶や樽などにも用いた。
樹皮は、ヒノキ同様、昔は屋根や壁を葺くのに用いた。
造り酒屋が新酒を仕込んだ目印に、枝葉を丸い玉に束ねた「杉玉(すぎだま)」を軒先に掲げた。
葉は線香の原料になる。
春先、枝先に着いたの雄花から風によって大量の花粉を撒き散らし、花粉症の原因になる。 -
スイカズラ Lonicera japonica
スイカズラ科スカイズラ属
漢字:吸葛
別名:忍冬(にんどう)、金銀花(きんぎんか)
名前の由来:
「スイ(吸)」は、花筒の奥にある甘い蜜を味わうために花冠を引き抜いて「吸う」行為とする説や、
花弁の形が人がものを吸い込むときの唇の形に似ている説あり。
「カズラ(葛)」は、つるを表す。
「忍冬(にんどう)」は、暖地では冬に落葉せず、葉を内側に丸めて耐え忍んでいるように見える。生薬名でもあり、葉茎を乾燥したもので、痔や腰痛、腫物の薬とした。
「金銀花(きんぎんか)」は、花色が白色から黄色へ変わり、それらが混ざって咲く様子による。生薬名でもあり、花を乾燥したもので、関節痛や解熱の薬とした。
樹形:蔓性半落葉(半常緑)木本、左巻き(ネジと同一方向として)
葉:対生
花:両性花、白色→黄色
花期:5~7月
果実:液果、黒色
果期:9~12月
備考:
白い花は甘い芳香あり。白は闇に浮き立つ色で夜咲く。芳香は昼間より夜のほうが強くなる。花粉を媒介するスズメガを誘うためとされる。
株元に近いところ(”若い茎”の記述もあり)の葉は羽状に切れ込むことがある。 -
シロヤシオ(ゴヨウツツジ) Rhododendron quinquefolium
ツツジ科ツツジ属
漢字:白八入/白八汐
別名:ゴヨウツツジ(五葉躑躅)
名前の由来:
「白」は、花の色。
「八入(やしお)」は、布を幾度も染汁(そめしる)に浸して濃く染めること。八は多いことを意味し、純白の花の色が布を幾度も染めるほど鮮やかに見える。
「ゴヨウツツジ(五葉躑躅)」は、葉が5個輪生するツツジ。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:両性花、白色
花期:5月下旬~6月
果実:蒴果
果期:9~10月
備考:ツツジについては、ヤマツツジの備考参照。 -
シロバナノヘビイチゴ Fragaria nipponica
バラ科オランダイチゴ属
漢字:白花の蛇苺
別名:モリイチゴ(森苺)
名前の由来:
花の色が白で「ヘビイチゴ」に似る。
「ヘビイチゴ(蛇苺)」は、ヘビイチゴの名前の由来参照。
葉:束生、3出複葉
花:白色
花期:5~7月
果実:イチゴ状果(花床がふくらんだ表面に瘦果の集まった集合果)
習性:多年草
備考:
匍匐枝を出して繁殖する。
熟した赤色の果実は甘味があり食べられる。 -
シロツメクサ Trifolium repens
マメ科シャジクソウ属
漢字:白詰草
別名:クローバー
名前の由来:
「シロ(白)」は、花の色。
「ツメクサ(詰草)」は、江戸時代にオランダからガラス器を送ってきたとき、壊れないように乾燥した本種を詰め物にした。
葉:互生、3出複葉
花:蝶形花、白色
花期:5~8月
果実:豆果
習性:多年草
備考:
ヨーロッパ原産。
牧草や緑肥に用いる。
<マメ科植物と共生する根粒菌>
根を引き抜くと、ところどころに丸い粒「根粒」がついている。根に「根粒菌」が寄生して生じたもの。根粒菌は、土に住む細菌の一種。
マメ科植物に寄生すると根粒をつくり、大気中の窒素ガスからアンモニアをつくる(窒素固定)ようになる。
根粒菌は、マメ科植物から炭水化物やビタミンをもらう。
植物は、根粒菌からアンモニアをもらってアミノ酸やタンパク質の原料にする。
マメ科植物は、根粒菌と「共生」することで、窒素不足から開放された結果、痩せた土地にも進出が可能になった。
マメ科と根粒菌の関係は、互いに利益を受ける「相利共生」。 -
シロダモ Neolitsea sericea
クスノキ科シロダモ属
漢字:白だも/白梻?
名前の由来:
「シロ」は、葉裏が白い。
「ダモ」は、諸説あるが、タブノキに似るため「タブ」をあてたとする説が有力。
樹形:常緑高木
葉:互生、枝先では束生状
花:雌雄異株、黄色
花期:10~11月
果実:液果、赤色
果期:翌年の10~11月
備考:
葉裏は蝋で覆われ灰白色。
秋には今年咲いた花と前の年に咲いた花の赤熟した果実の両方が見られる。
種子から採った油を蝋燭材料や灯明油に用いた。
新葉は表裏に黄褐色の絹毛が密生して白っぽく、展葉するにしたがって赤褐色になる。
<新葉が垂れ下がっている理由>
直射日光による葉の温度上昇や水分蒸散を避けるためと、強い紫外線に細胞組織を破壊されないようにするためと考えられている。新葉は組織が柔らかく柔軟で、これらに対応するためのロウ物質を主成分とするクチクラ層がまだ未成熟。
<新葉が赤褐色になる理由>
強い紫外線は細胞組織内に活性酸素を発生させ、細胞を破壊してしまう。葉の中に含まれる色素のカロチノイド(黄色)やアントシアニン(赤色)は、紫外線を吸収し、抗酸化物質として働くためと考えられている。 -
シラビソ Abies veitchii
マツ科モミ属
漢字:白檜曽
名前の由来:
白ヒノキ。
「シラ(白)」は、材や樹皮が白い、あるいは葉の裏が白い。
「ビソ(檜曽)」は、ヒノキの細材を意味する古語ヒソ(檜楚)に由来している説あり。
樹形:常緑高木
花:雌雄同株
花期:5~6月
種子:球果、黒っぽい青紫色
種期:10月頃
備考:
亜高山帯に生える。
材は建築材、器具材、土木用材、パルプなどに用いる。
<モミ属>
モミの備考参照。
<トウヒ属との違い>
モミの備考参照。
<オオシラビソとの違い>若枝 葉の着き方 シラビソ 灰色の細毛あり 上から見ると枝が見える。
枝の上の葉が立ち上がっているためオオシラビソ 赤褐色の軟毛あり 上から見ると枝が見えない。
枝の上の葉が張りつくように着くため