クスノキ科シロダモ属
漢字:白だも/白梻?
名前の由来:
「シロ」は、葉裏が白い。
「ダモ」は、諸説あるが、タブノキに似るため「タブ」をあてたとする説が有力。
樹形:常緑高木
葉:互生、枝先では束生状
花:雌雄異株、黄色
花期:10~11月
果実:液果、赤色
果期:翌年の10~11月
備考:
葉裏は蝋で覆われ灰白色。
秋には今年咲いた花と前の年に咲いた花の赤熟した果実の両方が見られる。
種子から採った油を蝋燭材料や灯明油に用いた。
新葉は表裏に黄褐色の絹毛が密生して白っぽく、展葉するにしたがって赤褐色になる。
<新葉が垂れ下がっている理由>
直射日光による葉の温度上昇や水分蒸散を避けるためと、強い紫外線に細胞組織を破壊されないようにするためと考えられている。新葉は組織が柔らかく柔軟で、これらに対応するためのロウ物質を主成分とするクチクラ層がまだ未成熟。
<新葉が赤褐色になる理由>
強い紫外線は細胞組織内に活性酸素を発生させ、細胞を破壊してしまう。葉の中に含まれる色素のカロチノイド(黄色)やアントシアニン(赤色)は、紫外線を吸収し、抗酸化物質として働くためと考えられている。
投稿者: kona
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シロダモ Neolitsea sericea
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シラビソ Abies veitchii
マツ科モミ属
漢字:白檜曽
名前の由来:
白ヒノキ。
「シラ(白)」は、材や樹皮が白い、あるいは葉の裏が白い。
「ビソ(檜曽)」は、ヒノキの細材を意味する古語ヒソ(檜楚)に由来している説あり。
樹形:常緑高木
花:雌雄同株
花期:5~6月
種子:球果、黒っぽい青紫色
種期:10月頃
備考:
亜高山帯に生える。
材は建築材、器具材、土木用材、パルプなどに用いる。
<モミ属>
モミの備考参照。
<トウヒ属との違い>
モミの備考参照。
<オオシラビソとの違い>若枝 葉の着き方 シラビソ 灰色の細毛あり 上から見ると枝が見える。
枝の上の葉が立ち上がっているためオオシラビソ 赤褐色の軟毛あり 上から見ると枝が見えない。
枝の上の葉が張りつくように着くため -
シラカンバ(シラカバ) Betula platyphylla
カバノキ科カバノキ属
漢字:白樺
名前の由来:
「シラ(白)」は、樹肌が白い。
「カンバ(樺)」は、カバノキ属の植物の総称カバノキの古名カニハが転訛した。
樹形:落葉高木
葉:互生(長枝)、一対(短枝)
花:雌雄同株
花期:4~5月
果実:堅果が集まった複合果を下垂、堅果は左右に膜質の広い翼あり
果期:9~10月
備考:
北海道では低地に生えるが、本州では標高500~1000m地帯に生える。
「高原の白い貴公子」とよばれる。
風媒花で、北海道では花粉症の原因になる。
陽樹。山火事跡や崩壊地などの裸地に最も早く侵入する先駆樹種(パイオニアツリー)。
材は腐りやすく、あまり有用ではない。
白い樹皮は、雨でもすぐに着火できる燃材。他、煙草入れや小刀の鞘、火縄、合わせ箱の縫合(ほうごう)、屋根葺などに用いた。
樹液は「森の雫」などの飲料になる。
<ダケカンバとの違い>幹 葉の側脈の数 シラカンバ 山形の黒い線の枝痕が入る 5~8本 ダケカンバ ‐ 7~12本 -
シラカシ Quercus myrsinaefolia
ブナ科コナラ属
漢字:白樫
名前の由来:
「シラ(白)」は、材色が灰白色に近い。
「カシ(樫)」は、アラカシの名前の由来参照。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:雌雄同株
花期:4~5月
果実:堅果
果期:秋 -
ショウジョウバカマ Helonias orientalis
シュロソウ科ショウジョウバカマ属
漢字:猩猩袴
名前の由来:
淡紅色~紫色の花を猩猩(体はサル、顔が人間に似た酒好きな中国の伝説上の動物)の赤い顔に、地面に広がった根生葉を袴に見立てた説あり。
葉:ロゼット状
花:総状花序、淡紅色~濃紅紫色
花期:4~5月
果実:蒴果、3つの突起状になり、裂開すると糸くずのような種子が出る
習性:多年草
備考:
山地の湿地に生える。
自家受粉もできる自家和合性。早く咲く個体はハエ類による自家受粉が多く、遅く咲く個体はハチ類による他家受粉が多い。
しばしば枯死直前の葉先に栄養繁殖による小植物体(クローン)を形成する。 -
シャリンバイ Rhaphiolepis indica var. umbellata
バラ科シャリンバイ属
漢字:車輪梅
名前の由来:
「シャリン(車輪)」は、枝葉が輪生(車輪)状に出る。
「バイ(梅)」は、花が梅に似ている。
樹形:常緑低木~小高木
葉:互生、枝先に輪生状につく
花:両性花、円錐花序、白色
花期:5~6月
果実:ナシ状果、黒紫色、頂端に萼片の落ちた痕が輪状に残る
果期:10~11月
備考:
樹皮から得られる染料が大島紬に用いられる。
<海岸植物>
トベラの備考参照。 -
シャシャンボ Vaccinium bracteatum
ツツジ科スノキ属
漢字:小小坊
名前の由来:丸い小さな果実を多数つける様子を「小さい坊や」の意味で「小小ん坊(ささんぼ)」と呼んだものが転訛した。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:両性花、総状花序、白色
花期:5~7月
果実:液果、紫黒色
果期:9~10月
備考:
葉裏の主脈に数個の小さい突起があり、他と区別できる。
花柄の基部に葉状の苞葉があり、花後も残存して大きくなり、果実が熟してもついている。
果実は、甘酸っぱくて食べられる。
材は堅く重く、床柱、くり物細工、家具に用いた。