シュロソウ科ショウジョウバカマ属
漢字:猩猩袴
名前の由来:
淡紅色~紫色の花を猩猩(体はサル、顔が人間に似た酒好きな中国の伝説上の動物)の赤い顔に、地面に広がった根生葉を袴に見立てた説あり。
葉:ロゼット状
花:総状花序、淡紅色~濃紅紫色
花期:4~5月
果実:蒴果、3つの突起状になり、裂開すると糸くずのような種子が出る
習性:多年草
備考:
山地の湿地に生える。
自家受粉もできる自家和合性。早く咲く個体はハエ類による自家受粉が多く、遅く咲く個体はハチ類による他家受粉が多い。
しばしば枯死直前の葉先に栄養繁殖による小植物体(クローン)を形成する。
投稿者: kona
-
ショウジョウバカマ Helonias orientalis
-
シャリンバイ Rhaphiolepis indica var. umbellata
バラ科シャリンバイ属
漢字:車輪梅
名前の由来:
「シャリン(車輪)」は、枝葉が輪生(車輪)状に出る。
「バイ(梅)」は、花が梅に似ている。
樹形:常緑低木~小高木
葉:互生、枝先に輪生状につく
花:両性花、円錐花序、白色
花期:5~6月
果実:ナシ状果、黒紫色、頂端に萼片の落ちた痕が輪状に残る
果期:10~11月
備考:
樹皮から得られる染料が大島紬に用いられる。
<海岸植物>
トベラの備考参照。 -
シャシャンボ Vaccinium bracteatum
ツツジ科スノキ属
漢字:小小坊
名前の由来:丸い小さな果実を多数つける様子を「小さい坊や」の意味で「小小ん坊(ささんぼ)」と呼んだものが転訛した。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:両性花、総状花序、白色
花期:5~7月
果実:液果、紫黒色
果期:9~10月
備考:
葉裏の主脈に数個の小さい突起があり、他と区別できる。
花柄の基部に葉状の苞葉があり、花後も残存して大きくなり、果実が熟してもついている。
果実は、甘酸っぱくて食べられる。
材は堅く重く、床柱、くり物細工、家具に用いた。 -
シャガ Iris japonica
アヤメ科アヤメ属
漢字:射干
名前の由来:シャガと同じように葉を扇形につけるヒオウギの漢名「射干(しゃっかん)」を誤って漢字につけて音読みした。
葉:
花:淡白紫色
花期:4~5月
習性:多年草
備考:
朝咲いて夕方しぼむ一日花。
花は橙色と青紫色に彩られた外花被片(萼片)があり、中央の黄色い部分が「鶏冠状」の突起になっている。
3組の染色体をもつ「3倍体」(多くの植物は2倍体)で結実しない。鱗茎(球根)や地下茎で栄養繁殖(無性繁殖)することによってクローンを増やす。他、ヒガンバナやニホンスイセンも同様。
(参考)
鱗茎(りんけい):短い茎に厚い鱗葉が重なり合ったもの。球根。
塊茎(かいけい):地下茎の先がふくらんだいも。
<単面葉>
葉は表も裏も同じように見えるが、植物学上はすべて「裏」(1枚の葉の表同士が折り紙を折るように内側に折られてくっついて、外側はどちらも「裏」状態)。 -
シマトネリコ Fraxinus griffithii
モクセイ科トネリコ属
漢字:島梣/島十練子
名前の由来:
「シマ(島)」は、沖縄諸島。
「トネリコ(梣)」は、樹皮につくイボタロウムシ(カイガラムシの一種)が分泌する白蝋を固めたイボタ蝋(虫白蝋(ちゅうはくろう))を、敷居の溝に塗って滑りをよくしたことから「戸に塗る木(とにぬるき)」が転訛した説、
樹皮の煮汁等を加えて墨をすると、墨色が美しく蛍光を発するため共練濃(ともねりこ)が転訛した説あり。
樹形:常緑小高木
葉:対生、奇数羽状複葉
花:雌雄異株、円錐花序、白色
花期:5~6月
果実:翼果
果期:10~11月
備考:もともと沖縄以南から東南アジアにかけて生育する亜熱帯植物だが、関東地方以南では街路樹やシンボリツリーとして植えられている。 -
シナノキ Tilia japonica
アオイ科シナノキ属
漢字:科の木
名前の由来:
アイヌ語で「縛る、結ぶ」を意味する「シナ」説(備考の樹皮繊維の記事参照)、
樹皮が「しなしなしている」「よくしなる」説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:両性花、集散花序、淡黄色
花期:6~7月
果実:堅果
果期:10~11月
備考:
日本固有種。
葉裏は脈液に褐色の毛叢がある。それ以外は無毛。
葉腋から一枚のヘラ状の苞葉をつけた花序を出し、苞葉の中間付近まで、苞葉の主脈と花序の柄は合着している。果実は苞葉により風に乗って種子散布される。
花は甘い香りが強く、蜜は濃厚で良質なため蜂蜜「シナ蜜」とした。
樹皮繊維は縦に裂きやすく強靭で、湿気に強いため、織物(科布(しなぬの))や綱・縄に用いた。
材は軟らかく加工しやすく、材質が均質で狂いにくく安価だが、耐久性は劣るため、シナ合板の他、割り箸、マッチの軸、鉛筆材、アイスクリームのヘラなどに用いた。