クスノキ科クロモジ属
漢字:黒文字
名前の由来:
緑色の小枝に煤(すす)で汚れたような黒い斑紋があり、これを文字に見立てた説が有力。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:雌雄異株、散形花序、淡黄色
花期:4月
果実:液果、黒色
果期:9~10月
備考:
全体に芳香があり、枝葉を蒸留して精油を採り、香水や石鹸の香料に用いた。
今はアロマセラピーの香料として用いられている。また、皮付きの爪楊枝や菓子用の大型楊枝に用いる。
この香りは、シカの食害を防いでいる。
根皮は、生薬で「釣樟(ちょうしょう)」と呼ばれ、急性胃腸カタル、脚気、去痰、鎮咳、湿疹などに用いた。
材は軽く強靭なため、洋傘やカマの柄、輪かんじき、ぶり縄(木登り道具)の棒などに用いた。
投稿者: kona
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クロモジ Lindera umbellata
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クロソヨゴ Ilex sugerokii
モチノキ科モチノキ属
漢字:黒冬青
別名:ウシカバ(牛樺)
名前の由来:
「クロ(黒)」は、ソヨゴに比べて樹皮が黒っぽい。
「ソヨゴ(冬青)」は、葉がソヨゴに似ている。
「ウシカバ(牛樺)」は、樹皮が黒く、表面がサクラやカバノキに似る。
樹形:常緑低木または小高木
葉:互生
花:雌雄異株、白色
花期:5~7月
果実:核果、赤色
果期:9~10月
備考:分布は、本州(山梨県以西)、四国。アカミノイヌツゲ var. brevipedunculata(赤実の犬黄楊)の分布は、北海道、本州(東北地方、中部地方北部) -
クルマムグラ Galium japonicum
アカネ科ヤエムグラ属
漢字:車葎
名前の由来:
「クルマ(車)」は、6個の輪生状の葉を車輪に見立てた。
「ムグラ(葎)」は、草むらや藪の意味。
葉:6個輪生
花:集散花序、白色
花期:6~7月
果実:2個の分果、長いかぎ状の毛を密生
習性:多年草
備考:
林内の湿地に生える。
<クルマバソウとの違い>
クルマバソウの花は、漏斗形で筒部あり、花冠の直径は4mmほど、クルマムグラの花冠は、直径2.5mmほど。
クルマムグラの葉は乾くと黒くなる、クルマバソウは芳香あり。
クルマムグラの茎は、4稜あり。
<オククルマムグラとの違い>
オククルマムグラは、葉や茎の裏面中脈に下向きの刺状毛あり。葉は乾いても黒くならない。 -
クリ Castanea crenata
ブナ科クリ属
漢字:栗
名前の由来:実が黒褐色になるので「黒い実」→「黒実(くろみ)」→「くろ」が転じた説が有力。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄同株、雄花 穂状花序(尾状花序)、雌花 雄花穂の基部につく
花期:5~6月
果実:堅果、とげのある総苞(いが)に包まれ熟すと4裂する
果期:秋
備考:
果実は、コナラ属のようにタンニンが含まれていないため、生でも食べられる。
ブナ属、コナラ属が風媒花であるのに対して、虫媒花であり強い香りあり(男性の前立腺腋に含まれるスペルミンに例えられる)。
材は強度に優れ水湿に強く耐久性があることから、建築の土台、風呂などの水回り材、鉄道の枕木や鉱山の杭木(くいき)として用いられた。木目も美しいので、家具、器具、漆器木地などにも用いられた。
乾燥させた葉や樹皮、いがは煎じて、やけどやあせも、ウルシかぶれの患部洗浄に用いた。
クリタマバチ(体長3mm程度の中国原産のハチ)が、7月頃、葉のつけ根にある越冬芽に産卵し、翌年の4月頃から芽を寄生肥大させて虫えいをつくる。枯れる原因になっている。
鬼皮に穴の空いたものあり。クリシギゾウムシが、10月頃、鬼皮と渋皮の間に産卵したもの。幼虫が果実を食べ、老熟した幼虫は10月下旬に果実を脱出して土中に潜って越冬し、2、3年後の秋に成虫になる。
<二重雌雄異熟性(雄花穂の雄花→雄雌花穂の雌花→雄雌花穂の雄花)>
雄雌花穂は花穂の付け根に雌花あり。自家不和合性で他家受粉。周囲の雄花穂が咲き終わったころに雌花のついた花序が開花して、他のクリの花粉を着けた虫が雌花の上を通って、雄花に来るのを待つ。
<クヌギとの違い>とげ状の鋸歯の先端 側脈の数 葉の裏 冬芽の先端 クリ 緑色(葉緑素あり)で短い 20対前後 腺点あり 丸い(クリ属) クヌギ 茶色で長い クリより少ない 腺点なし 尖る(コナラ属) -
クマシデ Carpinus japonica