ブナ科コナラ属
漢字:橡、椚など
名前の由来:
日本書紀の伝承説話からきた「国木(くにき)」説、
ドングリが食べられることから「食之木(くのき)」説、
葉の形がクリによく似ていることから「栗似木(くりにぎ)」説など諸説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄同株
花期:4~5月
果実:堅果、褐色、殻斗は大型の椀形で線形の長い鱗片が密生
果期:翌年の秋
備考:
シイタケの原木栽培のほだ木や薪炭材として用いられる。萌芽力があるため、適当な太さになる15~20年生で伐採して、その後の更新は萌芽で行う。
クワガタやカブトムシは、この木の樹液を最も好む。
<クリとの違い>
クリの備考参照。
投稿者: kona
-
クヌギ Quercus acutissima
-
クチナシ Gardenia jasminoides
アカネ科アリドオシ属
漢字:梔子
名前の由来:
果実が熟しても裂開しないので「口無し」説、
宿存するくちばし状の萼をクチ、細かい種子のある果実をナシに見立てた説など諸説あり。
漢字名「梔子」は、中国の酒器徳利「巵(し)」の形に似ているため、これに木偏をつけた。
樹形:常緑低木
葉:対生
花:両性花、白色
花期:6~7月
果実:液果、橙色/紅黄色、先端に6個の萼片が残る
果期:11~12月
備考:
花の香りがジャスミンに似ている。芳香は真夜中が一番強くなり、夜行性昆虫を引き寄せるためと考えられている。
花は刺身のツマや、酢の物として食用にできる。花弁は僅かに甘味があり、生でも火を通しても食べられる。
果実は黄色染料として布地の染色に用いられた。
無毒なため、近年は食品(栗、きんとん、たくあんなど)の天然着色料に用いられる。
また、生薬の山梔子(さんしし)として、消炎、利尿、止血などに用いる。
碁盤の脚はクチナシの実を象(かたど)ってある。勝負に横から口を挟むのを戒めているという意味。 -
クスノキ Cinnamomum camphora
クスノキ科クスノキ属
漢字:樟
名前の由来:
霊妙、神秘的な木「奇(くす)し木」が語源など諸説あり。
他「臭い木」、「くすぼる木」、「薬の木」、「久須(くす)は朽ちず」の略など。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:両性花、円錐花序、黄緑色
花期:5~6月
果実:液果、黒紫色
果期:10~11月
備考:
葉を揉んで嗅ぐと「樟脳」の香りがする。病害虫を防ぐため。
材や枝葉を蒸留して樟脳を生産し、防虫、防臭剤などに用いた。
アオスジアゲハの幼虫は解毒でき、クスノキなどクスノキ科の植物の葉を食べる。
大半の葉は、新芽が伸びる初夏前後に紅葉して1年ほどで落葉する。他の常緑樹の葉のように厚く丈夫にする必要がなく薄いため、光の透過性がよく、光合成の効率がよくなり成長が早い。
材は緻密で軽く加工しやすい。強い芳香があり、建築構造材には使われないが、建築内装、家具、玩具、彫刻材、木魚などに用いられる。
<ダニ部屋/室(ドマティア)>
葉の三行脈の起点付近に小さな一対のふくらみがあり、ここに草食性のフシダニが潜んでいる。共生か寄生かはわかっていない。フシダニはクスノキにとっては害が少ないため、ダニ部屋にフシダニを住まわせることにより、肉食性のダニをおびき寄せて、他の草食性のダニも含めて食べてもらっている説あり。 -
クサギ Clerodendrum trichotomum
シソ科クサギ属
漢字:臭木
名前の由来:葉や枝をちぎると強い臭気がある。
樹形:落葉小高木
葉:対生
花:両性花、集散花序、花冠 白色 萼 紅紫色、甘い芳香あり
花期:7~9月
果実:核果、藍色
果期:10~11月
備考:
若葉(新芽)は天ぷらなどの山菜になる。
若い枝や葉の脈に軟毛が生えている。
垂直方向につく葉の葉柄は、上側の葉は短く、下側の葉は長くせり上がり平面に並んでいる。1枚1枚の葉が重ならないように配置され、光合成を効率よく行う仕組み。
果実が藍色、開いた萼の内側が紅色で、鳥に目立つ「二色効果」あり。
夏の葉は小枝ごと刈り取って乾燥させ、煎液をつくってリウマチや高血圧症、腫れ物、痔に用いた。
根皮は利尿、健胃剤に用いた。
果実は青色の染料として用いた。
<雄性先熟>
自家受粉を避ける仕組み。
雄性期:最初に4本の雄しべが伸びて、1本の長い雌しべは下にうなだれている。
雌性期:雄しべがしおれると、雌しべが起き上がって伸び始める。 -
ギンリョウソウ Monotropastrum humile
ツツジ科ギンリョウソウ属
漢字:銀竜草
別名:ユウレイタケ(幽霊茸)
名前の由来:
下向きにつく花と鱗片葉を銀色の竜に見立てた。
「ユウレイタケ(幽霊茸)」は、薄暗い森林内で、白くひっそりと咲くのを幽霊に見立てた。
葉:互生、葉の退化した鱗片葉
花:白色
花期:5~8月
果実:液果、熟すと種子を落とす
習性:多年草
備考:
光合成をしないため、葉緑素をもたない。
<菌従属栄養植物>
菌類に寄生して栄養を奪うため、「菌従属栄養植物」と呼ばれる。
ギンリョウソウの場合、外生菌根菌(ベニタケ科(ベニタケ属・チチタケ属)のキノコ)を根に誘導して養分吸収器官を作らせ、外生菌根菌が樹木から獲得した栄養分を奪う。
<ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)との違い>
花期が8~9月(本種より遅い)。
果実は蒴果で、果実は直立して上向きにつく。
本種は黒く腐ったように枯れるのに対して、褐色のかさかさした感じに枯れる。