アジサイ科アジサイ属
漢字:小紫陽花
名前の由来:
小さい「アジサイ」。
「アジサイ(紫陽花)」は、真の藍(青)色の花が集まって咲く様子「集真藍(アヅサアイ)」が転訛した。
漢字名「紫陽花」は、白楽天(中国,唐代の詩人の一人)の詩に紫陽花が詠まれ、日本で最初の漢和辞典にアジサイとして記載されたことによるが誤用とされる。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、散房花序、淡青色
花期:6~7月
果実:蒴果、褐色になり裂ける
果期:9~10月
備考:
アジサイ属では唯一装飾花(大きくなった萼片)がなく、すべて両性花。
花が咲く前の若葉は、茹でた後に水でさらすことにより、天ぷら、酢みそ和え、ゴマ和え、油炒めにして食べられる。
投稿者: kona
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コアジサイ Hydrangea hirta
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ケンポナシ Hovenia dulcis
クロウメモドキ科ケンポナシ属
漢字:玄圃梨
名前の由来:枝分かれしたデコボコの果柄を手を患った状態の「手棒(てんぼう)」に見立て、梨のような味がすることから「手棒梨(てんぼうなし)」が転訛した説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:両性花、集散花序、緑白色
花期:6~7月
果実:核果、紫褐色
果期:9~10月
備考:
果実は食べられないが、肥大した果柄(果軸)は梨に似た甘味があり食べられる。落下したばかりの果柄は少し渋味があるが、何回か霜にあたると水溶性タンニンが不溶性に変化するため渋味がなくなる。
葉のつき方が「コクサギ型葉序」になる場合あり。
葉の基部から3つに分かれる葉脈があり、両側脈が縁に出ていて、葉柄上端(葉脚基部)に腺体あり。
葉に舌の甘味の鍵穴を塞ぐ甘未阻害物質の配糖体(ホタロシド)があり、一度口にすると約30分間甘味を感じなくなる。
材は色合いや木理の感じからヤマグワやセンダンの模擬材として、建築、洋家具、器具、楽器、彫刻などに用いた。
果柄を生薬名「枳具子(きぐし)」と呼び、解毒や止嘔、通便や二日酔いに用いた。樹液は「枳具子汁(きぐしじゅう)」と呼ばれ煎じてワキガの治療に用いた。
大手メーカーから市販されているフラボノガムには、息をスッキリさせる目的で「ケンポナシ抽出物」が配合されている。 -
ゲンゲ(レンゲソウ) Astragalus sinicus
マメ科ゲンゲ属
漢字:紫雲英
漢名:翹揺
別名:レンゲソウ
名前の由来:
「ゲンゲ(紫雲英)」は、漢名「翹揺」の音読みとする説などあり。漢字「紫雲英」は、一面に咲いた花を紫の雲にたとえたあて字。
「レンゲソウ(蓮華草)」は、蝶形花が輪状に並んだ様子がハス(蓮)の花(華)に似ている。
葉:互生、奇数羽状複葉
花:蝶形花
花期:4~6月、紅紫色
果実:豆果、黒色
習性:越年草
備考:
中国原産。
<緑肥として>
冬の田んぼで育て、花が咲きそろった頃に土にすきこんで肥料にする。
根に寄生する「根粒菌」が空気中からとりこんだ分だけ土の窒素が増えて、窒素肥料を与えるのと同じ効果が得られる。「根粒菌」については、シロツメクサの備考参照。 -
ケヤキ Zelkova serrata
ニレ科ケヤキ属
漢字:欅
名前の由来:けやけき(尊い、秀でた、美しい、目立つ)木に由来する。
樹形:落葉高木
葉:互生、弧を描くような鋸歯
花:雌雄同株(雄花、雌花、両性花)、単花被花(花冠なし萼のみ)、黄緑色
花期:4~5月
果実:いびつな痩果
果期:10月
備考:
街路樹や公園樹として植栽される。
ホウキを立てたようなおうぎ形の樹形。
樹皮は灰白色で丸いイボ状の皮目があり、老木ではうろこ状に剥げ落ちる。
材質が堅く、木目が美しく、腐りにくく、耐用年数があるとして、神社仏閣や城、仏像、家具、臼、盆、和太鼓の胴、弓などに用いた。
「清水寺」の舞台の柱の建材。
風媒花のため、葉が伸びる前に雄花が花粉を飛ばし、小さな葉脇に雌花が咲く。
新芽の時期は、葉だけの枝と花が咲く枝では異なる。葉だけの枝は、花が咲く枝より2週間近く遅れる。
<着果短枝(ちゃっかたんし)>
果実が熟すと、果実と枯れ葉をつけたまま枝先の小枝(着果枝)ごと風に乗り、回転しながら浮力を得て遠方に運ぶ。 -
ゲッケイジュ Laurus nobilis
クスノキ科ゲッケイジュ属
漢字:月桂樹
名前の由来:明治時代にフランスから日本に木が渡った際に、中国では学名を月桂樹と誤訳していたが、そのままゲッケイジュと読んだ説あり。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:雌雄異株、淡黄色
花期:4月
果実:液果、暗紫色
果期:10月
備考:
地中海沿岸地方の原産。
葉に精油成分を含み芳香がある。
葉はスープやカレーなどの香辛料、頭髪用の香水「ベーラム」の原料、リュウマチや神経痛の薬に用いる。
オリンピックなどの競技で勝者に与えられるものにこの枝葉で作られる月桂冠がある。 -
クロモジ Lindera umbellata
クスノキ科クロモジ属
漢字:黒文字
名前の由来:
緑色の小枝に煤(すす)で汚れたような黒い斑紋があり、これを文字に見立てた説が有力。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:雌雄異株、散形花序、淡黄色
花期:4月
果実:液果、黒色
果期:9~10月
備考:
全体に芳香があり、枝葉を蒸留して精油を採り、香水や石鹸の香料に用いた。
今はアロマセラピーの香料として用いられている。また、皮付きの爪楊枝や菓子用の大型楊枝に用いる。
この香りは、シカの食害を防いでいる。
根皮は、生薬で「釣樟(ちょうしょう)」と呼ばれ、急性胃腸カタル、脚気、去痰、鎮咳、湿疹などに用いた。
材は軽く強靭なため、洋傘やカマの柄、輪かんじき、ぶり縄(木登り道具)の棒などに用いた。 -
クロソヨゴ Ilex sugerokii
モチノキ科モチノキ属
漢字:黒冬青
別名:ウシカバ(牛樺)
名前の由来:
「クロ(黒)」は、ソヨゴに比べて樹皮が黒っぽい。
「ソヨゴ(冬青)」は、葉がソヨゴに似ている。
「ウシカバ(牛樺)」は、樹皮が黒く、表面がサクラやカバノキに似る。
樹形:常緑低木または小高木
葉:互生
花:雌雄異株、白色
花期:5~7月
果実:核果、赤色
果期:9~10月
備考:分布は、本州(山梨県以西)、四国。アカミノイヌツゲ var. brevipedunculata(赤実の犬黄楊)の分布は、北海道、本州(東北地方、中部地方北部)