ナデシコ科ナデシコ属
漢字:河原撫子
別名:ナデシコ
名前の由来:
「カワラ(河原)」は、日当たりのよい草地や河原に生える。
「ナデシコ(撫子)」は、花が幼子を可愛くて撫でるのと同じくらい愛らしい。
葉:対生
花:淡紅紫色
花期:6~10月
果実:蒴果、円柱形で先端4裂
習性:多年草
備考:
秋の七草の一つ。
開花前の茎や葉は生薬で瞿麦(くばく)、種子は瞿麦子(くばくし)といい、消炎や利尿、月経不順に用いた。
投稿者: kona
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カワヤナギ Salix gilgiana
ヤナギ科ヤナギ属
漢字:川柳
別名:ナガバカワヤナギ(長葉川柳)
名前の由来:
「カワ(川)は、川沿いに多く生える。
「ヤナギ(柳)」は、アカメヤナギの名前の由来参照。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:雌雄異株、穂状花序、無花被花(萼と花冠なし)
花期:3月、葉の展開前
果実:蒴果、ねた毛あり互いにくっつき合って並ぶ
果期:4月 -
カラマツ Larix kaempferi
マツ科カラマツ属
漢字:唐松/落葉松
名前の由来:短枝に葉が束になってつく様子が中国の唐絵(からえ)に描かれた松に似ている。
樹形:落葉高木(森林限界付近では低木)
花:雌雄同株
花期:4~5月
種子:球果
種期:9~10月
備考:
日本固有種。
日本に自生する唯一の落葉する針葉樹。主に高地の寒さの厳しい環境に生育しており、雪の少ない場所では落葉することが、乾燥と低温対策に有効。このため、葉にはコストをかけず、常緑針葉樹に比べてやわらかい葉を付ける。
陽性で、山火事跡や崩壊地などの裸地に最も早く侵入する先駆樹種(パイオニアツリー)。<先駆樹種(パイオニアツリー)>については、アカメガシワの備考参照。
樹皮には褐色で細長い厚膜細胞があり、素手で触るとこれがとげのように刺さることがある。
材は強度があり腐りにくいが、割れやすく狂いが大きいため、建築材としては劣っていたが、最近は加工技術の進歩等により、集成材などに加工して、建築材にも使われるようになっている。
尾瀬の木道(もくどう)には、水に強いカラマツ材が主に使われている。 -
カラスノエンドウ Vicia sativa ssp. nigra
マメ科ソラマメ属
漢字:烏野豌豆
別名:ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)
名前の由来:
スズメノエンドウに比べて、花、葉、豆果が大形で、豆果が黒く熟すのをカラスにたとえた。
「ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)」は、小葉の先のくぼみの形を矢筈にたとえた。
葉:互生、偶数羽状複葉
花:蝶形花、紅紫色
花期:3~6月
果実:豆果、黒く熟し乾くと裂けて種子が飛ぶ。
習性:蔓性の越年草
備考:
葉柄の基部にある三角形の黒っぽい部分がふちに歯状突起がある托葉で、1個の花外蜜腺になっている。
若い芽や若いさやは、豆苗(とうみょう)のような味で食べられる。
<スズメノエンドウ/カスマグサとの違い>花のサイズとつき方 小葉の長さ 鞘 カラスノエンドウ 10~18mm
葉の付け根に1、2個20~30mm 無毛 スズメノエンドウ 3~4mm
枝先に3~7個10~17mm 有毛 カスマグサ 5~6mm
枝先に2個8~15mm 無毛 -
カラスザンショウ Zanthoxylum ailanthoides
ミカン科サンショウ属
漢字:烏山椒
名前の由来:
役に立たない大型のサンショウ説、
カラスが種子を食べる説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生、奇数羽状複葉
花:雌雄異株、散房花序、緑白色
花期:7~8月
果実:蒴果(3個の分果)、灰褐色、種子は黒色
果期:11~12月
備考:
枝や幹にあるトゲは成長とともに無くなり、イボ状突起だけが残る。
葉の全面に褐色の油点があり、太陽に透かすと白く見える。
一部の果序は12月下旬から自然脱落し始め、落下した果序の果肉は閉じたままで、乾燥すると果肉が割れて黒い種子が出てくる。
果皮はミカン科特有の香り成分があるため、「香袋(かおりぶくろ)」の材料に利用された。
若芽は天ぷらとして食べられた。
山火事跡や崩壊地などの裸地に最も早く侵入する先駆樹種(パイオニアツリー)。
<先駆樹種(パイオニアツリー)><シードバンク(埋土種子)>については、アカメガシワの備考参照。 -
カラコギカエデ Acer ginnala var. aidzuense
ムクロジ科カエデ属
漢字:鹿子木楓
名前の由来:
「カラコギ(鹿子木)」は、樹皮が鹿の子模様に剥離することからの「カノコギ」が転訛した。
「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
樹形:落葉小高木
葉:対生
花:雌雄同株(ひとつの花序に雄花と両性花が混じる)、淡黄緑色
花期:5~6月
果実:翼果、翼の開きは狭い(ほとんど平行)
果期:8~10月
備考:
日本固有種。
葉身は3浅裂し、芽鱗が7~10対と多い(カラコギカエデ節)。 -
カヤ Torreya nucifera
イチイ科カヤ属
漢字:榧
名前の由来:
古名のカエ(カヘ)と呼ばれたものが転訛した説(カエの語源は「変えず」に由来し常緑の意味?)、
葉や枝、木屑などを燻して虫除けの「蚊遣(かや)り」とした説など諸説あり。
樹形:常緑高木
花:雌雄異株
花期:4~5月
種子:緑色の仮種皮が種子を包んだ核果状、緑色→紫褐色、内種皮はかたく赤褐色
種期:翌年の9~10月
備考:
日本固有種。
葉をちぎるとグレープフルーツのような香りがする。
種子は、胚乳部分をそのまま生食して十二指腸虫(鉤虫(こうちゅう))の駆除薬とした他、アク抜きしてから炒るか、土中埋蔵して仮種皮などを腐らせてから蒸して食用とした。実は、脂肪油を35%含むリノール酸を含み、良質な天ぷら油に用いるほか、頭髪油、灯火油、五平餅のタレとした。
材は軟らかく、弾力があり、水湿に強い特性あり。大木から採った柾(まさ)目材は最高級の碁/将棋盤。
枝先を釣り用のタモ材として用いる。
<イヌガヤとの葉の違い>先端 堅さ 大きさ・色 裏の気孔帯 カヤ 鋭く尖り手で触ると痛い 剛直で光沢あり - - イヌガヤ 手で触っても痛みなし 柔らかく光沢なし カヤより大きく緑色が薄い カヤより幅が広い