ブドウ科ブドウ属
漢字:蝦蔓/葡萄蔓
名前の由来:
若い葉の裏面に白色~淡紅褐色の毛が密生しているのをエビの色に見立てた説、
うす紫色の果実の汁の色をえび色といった説あり。
樹形:蔓性落葉木本
葉:互生、巻きひげと対生
花:雌雄異株、円錐花序、黄緑色
花期:6~8月
果実:液果、黒色
果期:10~11月
備考:
黒く熟した果実はヤマブドウより甘味がある。
葉の裏面が淡褐色と白色のクモ毛に被われるため、艾(もぐさ)が手に入らない地域ではこれを代用とした。
<ヤマブドウとの違い>
葉身は長さ10cmほどと小さく、3~5裂する切れ込みはやや深い点で異なる。
<ブドウ属>
ヤマブドウの備考参照。
投稿者: kona
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エノキ Celtis sinensis
アサ科エノキ属
漢字:榎
名前の由来:
実を野鳥などが好んで食べる「餌(え)の木」説、
農機具などの柄に使われた「柄(え)の木」説など諸説あり。
「榎」は、「夏に木陰を作る」ことを意味する和製漢字が当てられた。
樹形:落葉高木
葉:互生、基部は左右不相称
花:雌雄同株(雄花は新枝の下部、両性花は新枝の上部)、淡黄色
花期:4~5月
果実:核果、黄色→赤褐色
果期:9月
備考:
赤褐色に熟した実は甘味があって食べられる。
葉は国蝶のオオムラサキの幼虫の餌になる。
タマムシが多い。
昔は一里塚の目印として植えられた。 -
エゴノキ Styrax japonica
エゴノキ科エゴノキ属
漢字:蘞の木
別名:ロクロギ(轆轤木)
名前の由来:
果実は果皮にサポニンを含み、味が非常にえごい(えぐい)。
「ログロギ(轆轤木)」は、材は白く粘りがあり、和傘の轆轤(ろくろ)に用いられた。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:両性花、総状花序、白色
花期:5~6月
果実:蒴果、種子は褐色
果期:8~9月
備考:
側芽の基部に副芽がつく(親亀の背中に子亀が乗ったようにみえる)。
葉裏脈液に毛叢が残る。
エゴノネコアシアブラムシが、枝先に蓮華状のエゴノネコアシと呼ばれるの虫えいをつくる。「エゴ五倍子(ごふし)」と呼ばれ、タンニンを含むため、染料やインキ製造に用いた。
果皮のサポニンは泡立ちがよく洗剤の代用にしたり、「魚毒」とした。
果実はえぐ味があり不食だが、種子は脂肪分が多くヤマガラの好物。
<見分けるポイント>
葉が卵形で互生し、根元から「ひこばえ」と呼ばれる萌芽を出して株立ちしていることが多い。
樹皮が暗褐色で縦に細かい筋が入り、冬芽は淡褐色で丸っこく、星状毛に覆われている。 -
ウワミズザクラ Padus grayana
バラ科ウワミズザクラ属
漢字:上溝桜
名前の由来:
「上溝」の「溝」はカメの甲羅(亀甲)に線状に彫った溝を指し、ウワミズザクラを薪として燃やし、その上で亀甲を焼いて裂け方で吉凶を占った説あり。
占い方法には諸説あり。
ウワミズは、ウワミゾが転訛した。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:両性花、総状花序、白色
花期:4~5月
果実:核果、黄色→赤色→黒色
果期:8~9月
備考:
葉はしっとり柔らかな感触あり。
果実は果実酒になる。
樹皮や小枝を傷つけると(ベンズアルデヒドによる)特異な臭気あり。
つぼみや未熟の緑色の実を塩漬けにしたものを「杏仁子(あんにんご)」といい食用にする。
葉身の基部の一番下の鋸歯の部分に一対のはっきりしない蜜腺あり。
<枝の伸び方>
前年の葉痕に接して冬芽ができ、そこからシュートが伸びる。当年に伸びた小枝の多くは落葉後に落枝するため、これをくり返して枝が節くれ立つ。
<イヌザクラとの違い>葉の基部 花序の枝 果実 ウワミズザクラ 円形 基部に数個の葉がつく 萼片が残らない イヌザクラ くさび形 葉はつかない 萼片が残る -
ウリハダカエデ Acer rufinerve
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ウリカエデ Acer crataegifolium
ムクロジ科カエデ属
漢字:瓜楓
名前の由来:
「ウリ(瓜)」は、樹皮がマクワウリ(真桑瓜)の果皮に似ている。
「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
樹形:落葉小高木
葉:対生
花:雌雄異株、総状花序、淡黄色
花期:4~5月
果実:翼果、ほぼ水平に開く
果期:6~10月
備考:
日本固有種。
葉はほとんど分裂しないが、3浅裂、ときに5裂することがある。 -
ウラジロモミ Abies homolepis