ツツジ科アセビ属
漢字:馬酔木
名前の由来:
万葉集で「あしび」の名で読まれており、有毒の実を指す「悪し実(あしみ)」を意味する説が有力。
酔った馬が足を曳(ひ)く「脚曳き」説、
足が痺(しび)れるので「足痺れ」から転訛した説など諸説あり。
漢字「馬酔木」は当て字とされ、馬が食べると酩酊状態になる様子を表現。
樹形:常緑低木
葉:互生、枝先に集まる
花:両性花、下垂、複総状花序、白色
花期:3~4月
果実:蒴果、褐色、先端に花柱が残る
果期:9~10月
備考:
葉や花に有毒成分が含まれ、中毒すると嘔吐、腹痛、下痢、四股麻痺などを起こす。奈良公園にアセビが多いのは、鹿が食べないため。葉の煎液は、殺虫剤に用いた。
ツツジ科の植物は、葉や花に有毒物質を含むものが多い。
鳥媒花:開花時期は、まだ昆虫が少ないため、メジロなどが花粉を媒介する。
投稿者: kona
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アセビ Pieris japonica
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アズマシャクナゲ Rhododendron degronianum
ツツジ科ツツジ属
漢字:東石楠花
名前の由来:
「アズマ」は、東日本に多い。
「シャクナゲ」は、漢名「石南花」を呉音(ごおん)読みした「しゃくなんげ」が転訛したものだが、「石南花」は、本来バラ科のオオカナメモチで誤用。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:両性花、淡紅紫~紅紫色
花期:5~6月
果実:蒴果
果期:7~10月 -
アスナロ Thujopsis dolabrata
ヒノキ科アスナロ属
漢字:翌檜/明日檜
別名:ヒバ(檜葉)は、アスナロの変種ヒノキアスナロ(var. hondai)をいうことが多い。
名前の由来:「明日はヒノキになろう」からとする俗説があるが、それほどヒノキより劣っているわけではない。
樹形:常緑高木
葉:十字対生(小さな鱗のように見えるのが1個の葉)
花:雌雄同株
花期:5月頃
種子:球果
種期:10~11月
備考:
日本固有種。
材の強度はヒノキに少し劣るが、スギよりは強い。材に含まれるヒノキチオールという精油は、強い抗菌性と防虫性をもち、ヒノキよりもはるかに耐久性があり、シロアリなどの害に強い。
材は建築、家具などに用いるほか、漆器の木地にも用いられる。
耐陰性が極めて強いため、日陰の庭木に用いたり、山林の境界木(キョウカイキ)に植えられる。 -
アズキナシ Sorbus alnifolia
バラ科ナナカマド属
漢字:小豆梨
別名:ハカリノメ(秤の目)
名前の由来:
果実がナシに似ていて、アズキのように小さい。
「ハカリノメ(秤の目)」は、紫黒色の若枝の白色の皮目を秤の目盛りに見立てた。
樹形:落葉高木
葉:互生、短枝化した側枝に3枚着くことが多い
花:両性花、複散房花序、白色
花期:5~6月
果実:ナシ状果、赤色、表面に白い皮目あり、先端はやや凹む
果期:10~11月
備考:材は堅く重く、薪炭材に用いたり、器具類や家具、櫛にも用いられる。 -
アサノハカエデ Acer argutum
ムクロジ科カエデ属
漢字:麻の葉楓
名前の由来:
「アサノハ(麻の葉)」は、葉が麻の葉に似ている。
「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
樹形:落葉小高木
葉:対生
花:雌雄異株、短い総状花序、淡黄緑色
花期:5~6月
果実:翼果、翼の開きは水平に近い
果期:8~10月
備考:日本固有種 -
アケビ Akebia quinata
アケビ科アケビ属
漢字:木通/通草
名前の由来:
果実が紫色に熟し、縦に割れて大きく口を開けた形から「開け実」説、
「開けツビ(女性の性器の古語)」による説など諸説あり。
漢字「木通」は、蔓の木口から息を吹き込むと反対側に抜けるように道管が太い。
樹形:蔓性落葉木本、右巻き(ネジと同一方向として)
葉:互生、5出の掌状複葉
花:雌雄同株、総状花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、淡紫色、虫媒花
花期:4~5月
果実:液果、薄紫色、熟すと果皮が裂開する、種子は黒褐色
果期:9~10月
備考:
白い果肉は甘くて美味しいが、種が多い。
アケビの柔らかい新芽は天ぷらや胡麻和え、マヨネーズ和えにする。
蔓(茎)を乾燥したものは生薬の「木通(もくつう)」、実を乾燥したものを「木痛子(もくつうし)」と呼び、利尿、鎮痛、通経などに用いた。
蔓は、薪や柴の結束に用いたり、編んで篭を作る「あけび細工」に用いる(より柔軟で強靭なミツバアケビの蔓がよい)。
<アリ散布>
種子には脂肪の多いエライオソームという付属物があり、アリが好む。アリは、鳥類などが排出した糞から種子を巣に運び、エライオソームを食べた後で種子を外に棄て、種子散布を広げる。