【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

投稿者: kona

  • ヤマツツジ Rhododendron kaempferi

    ツツジ科ツツジ属
    漢字:山躑躅
    名前の由来:
    山に生える「ツツジ」。
    「ツツジ(躑躅)」は、たくさんの花が咲く様子から「続き咲き(ツヅキサキ)」が転訛した説、
    花の筒形で長いオシベが出ていることから「筒咲」が転訛した説など諸説あり。
    漢字の「躑躅」は「てきちょく」と読み、「足踏みをする」「たたずむ」「ためらう」「立ち止まる」意味。
    この字がツツジにあてられたのは、中国で毒性のあるシナレンゲツツジの葉を羊が食べて足ぶみしてもがいたり、毒であることを知っている羊はシナレンゲツツジを見ると足踏みして進まなくなることに由来している説や、人が足を止めて見とれてしまうような美しさだからという説あり。
    樹形:半落葉低木
    葉:互生、枝先に集まってつく
    花:両性花、朱色(上面に濃紅色の斑点あり)
    花期:4~5月
    果実:蒴果
    果期:8~10月
    備考:
    <ほのかに甘い蜜>
    ツツジのロート形の花びらを抜いて根本を舐めるとほのかに甘い味がする。ただし、レンゲツツジ及びキレンゲツツジは毒があるので注意が必要。
    <蝶をターゲット>
    ツツジの花は、花冠の上の裂片に蜜標あり。
    雌しべも雄しべも少し上向きに湾曲している。蝶をターゲットにしたもの。蝶が飛来した時、雌しべが最も長いため、蝶の体に着いている他の花の花粉がつく。花に近づくと、雄しべの先から花粉がずるずると引き出され新たに体につく。
    <半落葉(半常緑)>
    春出る葉は秋には落葉し、夏~秋に出る葉も翌年の春には新しい葉が出ると落葉し、1枚の葉が1年間着いていない。
    ヤマツツジ節はすべて半落葉。ミツバツツジやレンゲツツジは落葉。
    <ツツジ型菌根(エリコイド菌根)>
    ツツジ類やシャクナゲなどは、多量の鉄分等を要求するため酸性土壌を好む。このために根に菌根を形成する。酸性土壌で植物に害作用を示す重金属類の吸収を抑制するため、ツツジ類が岩場や泥炭、火山灰など酸性条件下で生育できる。

    ヤマツツジ
    20220508_高山・市民の森
    ヤマツツジ
    20220508_高山・市民の森
    ヤマツツジ
    20230502_高山・市民の森
    ヤマツツジ
    20230502_高山・市民の森
    ヤマツツジ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ヤマツツジ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ヤマツツジ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ヤマツツジ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
  • ヤマトウバナ Clinopodium multicaule

    シソ科トウバナ属
    漢字:山塔花
    名前の由来:
    山に生える「トウバナ」。
    「トウバナ(塔花)」は、トウバナの名前の由来参照。
    葉:対生
    花:唇形花、白色
    花期:6~7月
    果実:4個の分果
    習性:多年草
    備考:茎は四角形。

    ヤマトウバナ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマトウバナ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマトウバナ
    20240719_富士山太郎坊周辺
  • ヤマシャクヤク Paeonia japonica

    ボタン科ボタン属
    漢字:山芍薬
    名前の由来:
    山に生える「シャクヤク」。
    「シャクヤク(芍薬)」は、姿がしなやかで優しい様を意味する「綽(婥)約(しゃくやく)」説あり。
    葉:互生、下部 2回3出複葉、上部 3出複葉か単葉
    花:白色
    花期:4~6月
    果実:袋果、開裂すると内面は赤色、未熟種子は紅色、成熟種子は紺色
    習性:多年草

    ヤマシャクヤク
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマシャクヤク
    20240719_富士山太郎坊周辺
  • ヤマコウバシ Lindera glauca

    クスノキ科クロモジ属
    漢字:山香し
    名前の由来:
    山に生える「コウバシ」。
    「コウバシ(香し)」は、枝を折ると良い香りがする?
    樹形:落葉低木
    葉:互生
    花:雌雄異株(雄株なし)、散形花序、淡黄色
    花期:4月
    果実:液果、黒色、多少辛味あり
    果期:10~11月
    備考:
    クロモジの仲間は黄葉するが、ヤマコウバシは紅葉する。
    紅葉が進むと茶色く枯れるが落葉せずに冬を越し、春に新葉の展開とともに落葉する。「落ちない葉っぱ」は、受験生のお守りとされることもある。
    アブラチャンとの違い>
    アブラチャンの備考参照。

    ヤマコウバシ
    20220911_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20220911_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20220911_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20221120_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20221120_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20230702_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20230702_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20230702_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20231001_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20231001_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20231202_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20231202_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20231202_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20250309_高山・市民の森
    ヤマコウバシ
    20250309_高山・市民の森
  • ヤマグワ Morus australis

    クワ科クワ属
    漢字:山桑
    別名:クワ(桑)
    名前の由来:
    山に生える「クワ」。
    「クワ(桑)」は、カイコ(蚕)の「食葉(くは)」、あるいは、「蚕葉(こは)」が転訛した説が有力。
    樹形:落葉高木
    葉:互生
    花:雌雄異株、穂状花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、淡黄色
    花期:4~5月
    果実:クワ状果(瘦果の集まった複合果)、赤色→黒紫色
    果期:6~7月
    備考:
    マグワの葉は、養蚕のカイコの餌として知られる。ヤマグワの葉はマグワの代用として用いた。
    同じ枝に着く葉に、裂け目のあるものとないものがある異形葉。
    葉身基部は側脈から始まり、葉面は基部から少し離れて張り出す。
    果実は赤色から黒紫色に熟して、甘くておいしい。
    材は重硬・強靭で、床柱、高級な家具材、琵琶や三味線などの和楽器、碁笥(ごけ)などに用いられる。
    <クワ科の植物>
    若い枝や葉を傷つけると白い乳液が出る。虫の食害や微生物、菌などの侵入から身を守る(カイコはこの防御機構を克服した)。
    ヒメコウゾとの違い>
    花や果実で見分けられる。花や果実がない時期(夏~秋)

    冬芽
    ヤマグワ芽鱗4~7個
    枝に密着しない
    ヒメコウゾ芽鱗2個
    枝に密着する
    ヤマグワに比べて
    ・薄い
    ・葉柄に毛がある
    ・鋸歯が細かい

    <マグワとの違い>

    花柱果実
    ヤマグワ先端が尾状に尖る長くY字形になるマグワに比べて
    ・小さい
    ・長い花柱が残る
    マグワ先端は尖らない短くV字形になる
    ヤマグワ
    20220613_高山・市民の森
    ヤマグワ
    20220613_高山・市民の森
    ヤマグワ
    20220613_高山・市民の森
    ヤマグワ
    20220619_遊木の森
    ヤマグワ
    20220619_遊木の森
    ヤマグワ
    20220619_遊木の森
    ヤマグワ
    20230702_高山・市民の森
    ヤマグワ
    20230705_遊木の森
    ヤマグワ
    20230705_遊木の森
    ヤマグワ
    20240421_遊木の森
    ヤマグワ
    20240421_遊木の森
    ヤマグワ
    20240614_高山・市民の森
    ヤマグワ
    20240614_高山・市民の森
    ヤマグワ
    20240614_高山・市民の森
    ヤマグワ
    20250404_県立美術館
    ヤマグワ
    20250404_県立美術館
    ヤマグワ
    20250404_県立美術館
  • ヤマグルマ Trochodendron aralioides

    ヤマグルマ科ヤマグルマ属
    漢字:山車
    別名:トリモチノキ
    名前の由来:
    山に生え、枝先の葉が車輪状。
    「トリモチノキ」は、樹皮から良質の鳥もちが採れた。
    樹形:常緑高木
    葉:互生、枝先に輪生状に集まってつく
    花:両性花、総状花序、無花被花(萼と花冠なし)、黄緑色
    花期:5~6月
    果実:袋果が集まった集合果
    果期:10月頃
    備考:
    枝先に集まる葉は、下のものが大きくて葉柄も長く、上のものほど葉身が小さく葉柄も短くなっており、重ならないでどの葉にも日が当たるようになっている。
    広葉樹に普通な道管がなく「無孔材」といい、針葉樹と同じ仮道管のみ。
    <雌雄異熟性>
    「雄性先熟」と「雌性先熟」の2種類の株あり。自家受粉を避ける仕組み。

    ヤマグルマ
    20240911_箱根湿生花園
    ヤマグルマ
    20240911_箱根湿生花園
    ヤマグルマ
    20240911_箱根湿生花園
  • ヤマオダマキ Aquilegia buergeriana

    キンポウゲ科オダマキ属
    漢字:山苧環
    名前の由来:
    山に生える「オダマキ」。
    「オダマキ(苧環)」は、距の立った花の形が、カラムシ(苧)やアサ(麻)の繊維を枠糸巻きに巻いて中空の玉にした苧玉(おだま)に似ている。
    葉:根生葉 2回3出複葉、茎葉 3出複葉
    花:萼片 紫褐色、花弁 上部は淡黄色で基部の距は紫褐色
    花期:5月下旬~8月
    果実:5つの袋果が合体した集合果、熟すと先端が開いて黒色の光沢のある種子が出る
    習性:多年草
    備考:
    花全体がクリーム色の黄花種(var. buergeriana f. flavescens)は「キバナノヤマオダマキ(黄花山苧環)
    <距>
    萼片や花弁の一部が突き出した細長い袋状になった部分で、この中に蜜がたまっている。距の中にハナバチなどの昆虫が蜜を求めて入ろうとするが、この狭い距を通らせることで、昆虫たちを花粉まみれにして他家受粉をさせる戦略。
    <キンポウゲ科>
    キンポウゲ科の多くは有毒植物。葉や茎を折ったり、傷つけたりすると、毒成分のある汁がつくられる。皮膚に触れると皮膚炎や水疱を発生させ、誤食すれば胃腸炎を引き起こす。

    ヤマオダマキ
    20230626_富士山こどもの国
    ヤマオダマキ
    20230626_富士山こどもの国

    キバナノヤマオダマキ

    キバナノヤマオダマキ
    20230717_八島湿原
    キバナノヤマオダマキ
    20230717_八島湿原
  • ヤマウルシ Rhus trichocarpa

    ウルシ科ウルシ属
    漢字:山漆
    名前の由来:
    山に生える「ウルシ」。
    「ウルシ(漆)」は、幹に傷をつけると汁(樹液)がしたたることから「潤液(うるしる)」から説、
    「塗液(ぬるしる)」が転訛した説など諸説あり。
    樹形:落葉低木
    葉:互生、奇数羽状複葉
    花:雌雄異株、円錐花序、黄緑色
    花期:5~6月
    果実:核果、粗い毛が密に生える、黄褐色
    果期:9~10月
    備考:
    樹液にウルシオールなどを含み、触れるとかぶれやすい。
    若い茎の小葉は粗い鋸歯があるが、古い茎の小葉は全縁。
    ヤマハゼハゼノキヌルデとの違い>

    葉軸、小葉幼木の小葉果実冬芽葉痕
    ヤマウルシ葉軸、小葉柄に軟毛が密生、
    葉裏の脈上に軟毛が密生
    小葉の側脈が主脈と直角に近い角度
    粗い鋸歯あり外果皮が刺毛に覆われる頂芽があり冬芽は裸芽、やや短く円錐~球形で、毛は短い三角~ハート形で側芽の下
    ヤマハゼ葉軸の上面に軟毛が密生、
    葉裏に毛が散生
    小葉の側脈が主脈に対してやや鋭角
    全縁無毛頂芽があり冬芽は裸芽、少し長い卵形で、毛は長い同上
    ハゼノキ無毛同上同上頂芽があり冬芽に芽鱗あり、先端は尖る、無毛同上
    ヌルデ葉表は主脈以外は無毛、葉裏は軟毛が密生、小葉の間の葉軸に翼あり粗い鈍鋸歯外果皮に茶褐色の細毛が密生頂芽がなく仮頂芽で冬芽に芽鱗ありU/V字形で側芽を囲む
    ヤマウルシ
    20211212_県立森林公園
    ヤマウルシ
    20220619_遊木の森
    ヤマウルシ
    20220619_遊木の森
    ヤマウルシ
    20220619_遊木の森
  • ヤマウコギ Acanthopanax spinosus

    ウコギ科ウコギ属
    漢字:山五加木
    名前の由来:
    山に生える「ウコギ」。
    「ウコギ(五加木)」は、中国での漢名「五加(ウコ)」の後ろに「木」を付けた。
    樹形:落葉低木
    葉:互生、短枝では束生、5出の掌状複葉
    花:雌雄異株、短枝に散形花序、黄緑色
    花期:5~6月
    果実:液果、赤褐色→黒褐色
    果期:7~8月
    備考:
    日本固有種。
    茎の葉痕の下に鋭い逆刺あり。
    ウコギ(ヒメウコギ)と共に、新芽や樹皮、果実は強精・強壮薬に用いた。

    ヤマウコギ
    20230619_富士山こどもの国
    ヤマウコギ
    20230619_富士山こどもの国
    ヤマウコギ
    20230619_富士山こどもの国
  • ヤブラン Liriope muscari

    キジカクシ科ヤブラン属
    漢字:藪蘭
    名前の由来:藪に生え、葉が「ラン」に似ている。
    葉:根生
    花:総状花序、淡紫色
    花期:8~10月
    果実:果実は未熟のうちに破れ種子が裸出、種子は黒色
    習性:多年草
    備考:根の肥大部分を乾燥させたものは生薬の「大葉麦門冬(だいようばくもんどう)」と呼び、鎮咳、去痰などに用いる。

    ヤブラン
    20240904_遊木の森
    ヤブラン
    20240904_遊木の森
    ヤブラン
    20240904_遊木の森