アカバナ科ヤナギラン属
漢字:柳蘭
名前の由来:花が大きくて美しく、葉の形が柳に似ている。
葉:互生
花:総状花序、紅紫色
花期:6~8月
果実:蒴果、熟すと4裂し白い絹毛のついた種子を飛散する
習性:多年草
備考:雄性先熟
投稿者: kona
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ヤドリギ Viscum album var. coloratum
ビャクダン科ヤドリギ属
漢字:寄生木/宿木
名前の由来:樹の上を宿のように寄生して繁茂する。
樹形:常緑半寄生低木
葉:対生、クチクラ層が発達して多肉
花:雌雄異株、黄色
花期:2~3月
果実:液果(備考参照)、淡黄色
果期:10~12月
備考:
<半寄生植物>
他の植物に寄生し、寄生した植物から水分や栄養分を摂取して、光合成をしながら成長する植物。
「ヤドリギの場合」
ケヤキやエノキ、ミズナラ、サクラなど落葉広葉樹の枝に寄生。
実はヒレンジャクやキレンジャクなどの鳥が食べるが、この実は強力な粘着質を含むため、鳥の消化管を通りぬけた種子は、粘着質によって樹上の枝にくっつく。樹上で「胚軸(はいじく)」と呼ばれるものを発芽し、その先端を吸盤の形に変形させて樹皮の表面にとりつく。先端から樹皮を溶かす酵素を出し、奇主の幹にくさび状の「吸根/寄生根」を挿入する。「吸根/寄生根」は幹の内部で道管の内部に到達し、奇主から水分や栄養分を吸い上げる。 -
ヤツデ Fatsia japonica
ウコギ科ヤツデ属
漢字:八手
名前の由来:大型の葉が7~9裂している(「八」は多数を意味し、実際には7裂または9裂し、8裂はしない)。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:雌雄同株(上部:両性花 下部:雄花)、散形花序が集まった円錐花序、白色
花期:11~12月
果実:液果、赤紫褐色→黒紫色
果期:翌年の4~5月
備考:
日本固有種。
「テングノハウチワ(天狗の羽団扇)」とも呼ばれ、魔除け、厄除けになるとされ、疫病などが流行した時には、この葉で追い払えば治ると信じられた。
両性花は「雄性先熟」で、花弁と雄しべが散ると花の中心から雌しべが伸び、自家受粉を避ける。
花は昆虫の少ない冬に開花するが、虫媒花で、甘い蜜をたくさん蓄えてハナアブやミツバチ、オオクロバエ、キンバエなどを引き寄せる。
葉を乾燥させたものは生薬「八角金盤(はっかくきんばん)」と呼び、鎮痛、去痰など、浴場に入れてリウマチの痛み取りに用いる。
<陰樹(幹の太さにつり合わない大きな葉)>
樹高を高くしない分、風当たりが弱くなるため、幹は細くてもよい。
少ない日の光を効率よく光合成するために、葉の面積を広げ、葉柄の長さを変えている。 -
ヤチダモ Fraxinus mandshurica var. japonica
モクセイ科トネリコ属
漢字:谷地梻
名前の由来:
「ヤチ」は、谷地または野地で湿地に生える。
「ダモ」は、アオダモの名前の由来参照。
樹形:落葉高木
葉:対生、奇数羽状複葉
花:雄性両性異株、円錐花序、無花被花(萼と花冠なし)
花期:4~5月
果実:翼果
果期:10月頃
備考:
小葉のつけ根に茶褐色の縮れた毛が密生する。
材はかたく、加工しやすく、建築の内装材、バットなどの運動具や家具材に用いる。 -
ヤシャブシ Alnus firma
カバノキ科ハンノキ属
漢字:夜叉五倍子
名前の由来:
「ヤシャ(夜叉)」は、果穂に凸凹があり、これを夜叉に見立てた。
「ブシ(五倍子)」は、果穂にタンニンが多く、黒色染料とする五倍子(ふし)(ヌルデの虫えい)の代用にした。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:雌雄同株
花期:3~4月
果実:堅果が集まった複合果、緑色→黒褐色
果期:10~11月
備考:
日本固有種。
<ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定>
ハンノキの備考参照。
<ヤシャブシ類の区分>側脈数 花序の位置 花穂 ヤシャブシ 10~17対 雄花序:枝の先端
雌花序:雄花序の下上向
1~2個オオバヤシャブシ 12~16対 雄花序:雌花序の下
雌花序:枝先端の葉芽の下上向
1個ヒメヤシャブシ 20~26対 雄花序:枝の先端
雌花序:雄花序の下下垂
2~3個 -
ヤエガワカンバ Betula davurica
カバノキ科カバノキ属
漢字:八重皮樺
名前の由来:
「ヤエガワ(八重皮)」は、樹皮が幾重にもはがれる。
「カンバ(樺)」は、シラカンバの名前の由来参照。
樹形:落葉高木
葉:互生(長枝)、一対(短枝)
花:雌雄同株
花期:4~5月
果実:堅果が集まった複合果
果期:9~10月 -
モミジバフウ Liquidambar styraciflua
フウ科フウ属
漢字:紅葉葉楓
別名:アメリカフウ(アメリカ楓)
名前の由来:
葉の形がカエデ(モミジ)似た「フウ」。
「フウ(楓)」は、フウの木に似る。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄同株、頭状花序、無花被花(萼と花冠なし)
花期:4~5月
果実:蒴果が集まった複合果、さび色
果期:11~12月
備考:
北・中米原産。
枝の上側はコルク質が発達し翼状になる。
公園や街路樹に植えられる。 -
モチツツジ Rhododendron macrosepalum
ツツジ科ツツジ属
漢字:黐躑躅
名前の由来:
「モチ(黐)」は、萼、新芽、花柄、子房などに生えた腺毛が鳥もちのように粘る。
腺毛:植物の表皮に生じる突起状の毛で特殊な液体を分泌する。
「ツツジ(躑躅)」は、ヤマツツジの名前の由来参照。
樹形:半落葉低木
葉:互生
花:両性花、淡紅紫色
花期:4~6月
果実:蒴果
果期:8~10月
備考:
ツツジについては、ヤマツツジの備考参照。
春に出る葉は広楕円形で少し大きく、夏に出る葉は春より小さい狭楕円形。秋には紅葉するが、多くの葉は落葉せず越冬する半落葉。
<モチツツジカスミカメ>
一般の小昆虫類は本種の粘液に捕らえられるが、モチツツジカスミカメ(体長4.5mm程)はその腺毛上を自由に歩き回ることができ、動けなくなった昆虫類の体液を吸う。