キキョウ科ホタルブクロ属
漢字:山蛍袋
名前の由来:
「ヤマ(山)」は、ホタルブクロより高地に生える。
「ホタルブクロ(蛍袋)」は、花の形を提灯(古語の「火垂る(ホタル)」)に見立てた説、
子どもが花にホタルを入れて鑑賞した説あり。
葉:茎葉は互生
花:鐘形、濃赤紫色~白色
花期:6~8月
果実:蒴果
習性:多年草
備考:
ホタルブクロの変種。
<雄性先熟>
蕾の段階で雄しべが熟し、葯が雌しべを包み込んでおり、この花粉は、受粉できない未熟な雌しべにくっつき開花する。訪花昆虫にこの花粉を託し、花粉がなくなった頃、雌しべが熟し受粉体制になる。
<ホタルブクロとの違い>
ホタルブクロは、萼片の間に副萼片が発達して上に反りかえる。ヤマホタルブクロは、萼片の間に副萼片はなく、萼片の間がコブのように盛り上がる。
投稿者: kona
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ヤマホタルブクロ Campanula punctata var. hondoensis
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ヤマボウシ Cornus kousa
ミズキ科ミズキ属
漢字:山法師
名前の由来:複合果を(比叡山の)僧兵の頭、白い総苞片を白頭巾に見立てた。
樹形:落葉高木
葉:対生、全縁、縁は波打つ、弧を描く側脈が目立つ、葉裏の脈液に褐色の毛叢あり
花:両性花、頭状花、淡黄緑色、虫媒花
花期:5~7月
果実:核果が集まった複合果、球形(径1~1.5cm)、紅色、動物(鳥や哺乳類)散布
果期:9~10月
備考:[2-2850][1975][2-644P][548P][下241][1-44P]
4枚の大きな白色の総苞片(つぼみのとき花序を保護するために囲んでいた苞葉)。中心部に20~30個の小さな花が球状に集まっている。
葉の4~5対ある側脈の走り方はミズキと同じように、わん曲して先端に向かい、葉縁に届かない。
果実は秋に果肉が紅色に熟して甘くなり食べられる。山ではサルなどのフルーツ好きの動物が食べて種子を散布する(鳥には大きすぎる?)。
材は重硬で割れにくく、槌や農機具の柄、かんな台、撞木(しゅもく)、水車の歯車、餅つきの杵(きね)材に用いた。
<ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)との違い>総苞片の先端 果実 ヤマボウシ 尖る 核果が集まった複合果 ハナミズキ 窪む 核果(単果) <総苞片の先端が異なる理由>
ヤマボウシ:
総苞に包まれた蕾は、早春につくられるので、蕾の先端は寒さの影響がなく、そのまま尖っている。
ハナミズキ:
総苞に包まれた蕾は、前年の秋につくられて冬を越す。冬の寒さで蕾の先端の細胞が壊れてしまい、春に総苞片が開くと、その先に茶色の傷が残って、先がくびれる。 -
ヤマブドウ Vitis coignetiae
ブドウ科ブドウ属
漢字:山葡萄
名前の由来:山に生える「ブドウ」。
樹形:蔓性落葉木本
葉:互生
花:雌雄異株、円錐花序、黄緑色
花期:6~7月
果実:液果、緑→黒紫色
果期:10月頃
備考:
葉は、五角形で長さ、幅とも10~30cmと大きく、基部は深く切れ込み、裏側は赤褐色のフェルトのような毛で覆われている。
果実は、霜が降りる頃には甘くなっておいしい。ジャムやジュース、ワインにする。
蔓の内部繊維は強靭で、綱の代用になる。また、表皮は細くはいで履き物や編み袋、カバンなど生活用具を作るのに用いた。
<ブドウ属>
葉に対生する巻髭は、2節出て1節出ず(葉のみ)、先は2,3本に分かれる。花序の基部にも巻髭あり。
5個の花弁は先端で互いにくっついているが、下部では花床から離れて落ちる。 -
ヤマブキ Kerria japonica
バラ科ヤマブキ属
漢字:山吹
名前の由来:
しなやかな枝が風に揺れる様子の「山振り」が転訛した説、
春に咲く花が山を黄金色に染める「山春黄」が「山吹」に変化した説、
花の色がフキノトウに似て美しい説など諸説あり。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:両性花、黄色
花期:4~5月
果実:瘦果、暗褐色、種子は淡褐色
果期:9月頃
備考:
茎は根本から株立ちし、直立しないでしだれる。
白くて太い髄は「山吹髄」と呼び、釣りの浮きや目印、灯心の代用、玩具の竹鉄砲の弾、顕微鏡用の切片を切り取るピスなどに用いた。
一重咲きのものは結実するが、八重咲きのものは園芸品種で、雄しべが花弁に変化して八重になったもので、雌しべも退化しており結実しない。 -
ヤマハンノキ Alnus hirsuta var. sibirica
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ヤマノイモ Dioscorea japonica
ヤマノイモ科ヤマノイモ属
漢字:山の芋
別名:ジネンジョ(自然薯)
名前の由来:「サトイモ(里芋)」に対して山で育つ「イモ」。
葉:対生
花:雌雄異株、穂状花序、白色、雄花序は立ち雌花序は垂れ下がる
花期:7~8月
果実:蒴果、平たく円形の翼が3個あり、裂けると偏平で円形の翼をもつ種子が飛び散る
習性:蔓性多年草、右巻き(ネジと同一方向として)
備考:
肉質根は毎年新しいものができて、古いものの養分を吸収して肥大する。晩秋に掘りとり、すりおろして食用とする。
葉腋につく株芽(しゅが)は、地上に落ちるとそこから発芽して新たな植物体をつくる栄養繁殖器官。「むかご」と呼ばれ、油で揚げたり、ご飯に炊き込んだりして食べる。
葉は揚げ物や和え物、健康茶に用いる。 -
ヤマツツジ Rhododendron kaempferi
ツツジ科ツツジ属
漢字:山躑躅
名前の由来:
山に生える「ツツジ」。
「ツツジ(躑躅)」は、たくさんの花が咲く様子から「続き咲き(ツヅキサキ)」が転訛した説、
花の筒形で長いオシベが出ていることから「筒咲」が転訛した説など諸説あり。
漢字の「躑躅」は「てきちょく」と読み、「足踏みをする」「たたずむ」「ためらう」「立ち止まる」意味。
この字がツツジにあてられたのは、中国で毒性のあるシナレンゲツツジの葉を羊が食べて足ぶみしてもがいたり、毒であることを知っている羊はシナレンゲツツジを見ると足踏みして進まなくなることに由来している説あり。
樹形:半落葉低木
葉:互生、枝先に集まってつく
花:両性花、朱色(上面に濃紅色の斑点あり)
花期:4~5月
果実:蒴果
果期:8~10月
備考:
<ほのかに甘い蜜>
ツツジのロート形の花びらを抜いて根本を舐めるとほのかに甘い味がする。ただし、レンゲツツジ及びキレンゲツツジは毒があるので注意が必要。
<蝶をターゲット>
ツツジの花は、花冠の上の裂片に蜜標あり。
雌しべも雄しべも少し上向きに湾曲している。蝶をターゲットにしたもの。蝶が飛来した時、雌しべが最も長いため、蝶の体に着いている他の花の花粉がつく。花の蜜を吸っている時の振動で、雄しべの先から花粉が糸状になってずるずると引き出され新たに体に絡みつく。
<半落葉(半常緑)>
春出る葉は秋には落葉し、夏~秋に出る葉も翌年の春には新しい葉が出ると落葉し、1枚の葉が1年間着いていない。春から夏の葉は大きく、秋から冬の葉は小さい。
ヤマツツジ節はすべて半落葉。ミツバツツジやレンゲツツジは落葉。
<ツツジ型菌根(エリコイド菌根)>
ツツジ類やシャクナゲなどは、多量の鉄分等を要求するため酸性土壌を好む。このために根に菌根を形成する。酸性土壌で植物に害作用を示す重金属類の吸収を抑制するため、ツツジ類が岩場や泥炭、火山灰など酸性条件下で生育できる。 -
ヤマトウバナ Clinopodium multicaule
シソ科トウバナ属
漢字:山塔花
名前の由来:
山に生える「トウバナ」。
「トウバナ(塔花)」は、トウバナの名前の由来参照。
葉:対生
花:唇形花、白色
花期:6~7月
果実:4個の分果
習性:多年草
備考:茎は四角形。



































































