キジカクシ科ヤブラン属
漢字:藪蘭
名前の由来:藪に生え、葉が「ラン」に似ている。
葉:根生
花:総状花序、淡紫色
花期:8~10月
果実:果実は未熟のうちに破れ種子が裸出、種子は黒色
習性:多年草
備考:根の肥大部分を乾燥させたものは生薬の「大葉麦門冬(だいようばくもんどう)」と呼び、鎮咳、去痰などに用いる。
投稿者: kona
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ヤブムラサキ Callicarpa mollis
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ヤブミョウガ Pollia japonica
ツユクサ科ヤブミョウガ属
漢字:藪茗荷
名前の由来:葉や茎が食用のショウガ科の「ミョウガ」に似て、藪に生える。
葉:互生
花:両性花と雄花が混在、円錐花序、白色、1日花
花期:8~9月
果実:液果、緑白色→黄緑色→茶色→藍紫色(構造色)
果期:10~11月
習性:多年草
備考:
種子でも繁殖するが、多くは長い地下茎を伸ばし、そこから地上部を発生し群生する。
果実を割っても果汁はなく、乾燥しており、薄い果皮はパリパリと裂けて、砂利のような小型の種子が20個ほど入っている。種子の大きさは2mmほどで不定形で、片面は窪みがあり、反対側は細かな凸凹がある。
<ミョウガ(コショウ科)との葉の違い>感触 葉序 ミョウガ つるつる 二列互生 ヤブミョウガ 表面に細毛があるためざらざら らせん状互生 -
ヤブニッケイ Cinnamomum japonicum
クスノキ科クスノキ属
漢字:藪肉桂
名前の由来:
藪に生える「ニッケイ」。
「ニッケイ(肉桂)」は、中国語由来で日本語の音読み。中国では香木を「桂」と呼び、その中で樹皮の肉厚なシナモン類やその樹皮を肉桂と呼んだ。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:両性花、散形花序、淡黄緑色
花期:6月
果実:液果、黒紫色
果期:10~11月
備考:
クスノキ科の樹木には、樹皮や葉に独特のにおいがあるが、その中でにおいが最も強い。
クスノキ同様、アオスジアゲハの幼虫の食用。
種子からは精油をとり、樹皮や葉はリウマチや腰痛、痛風、打撲の薬に用いる。
材はクスノキより少し緻密で、器具や家具などに用いる。
<ニッケイとの葉の違い>三行脈の側脈(ニ枝脈) 裏面 ヤブニッケイ 葉の肩先付近でなくなる 無毛で淡い緑色 ニッケイ 葉の先端付近に達する 伏毛が密生して粉白色
明確な肉桂のにおいあり<クスノキ、ヤブニッケイ、ニッケイ、シロダモ、イヌガシの違い>
葉序 葉の特徴 花の色 花の雌雄 果実の色 クスノキ ‐ 三行脈の交点にダニ部屋あり 淡黄緑色~黄褐色 両性花 黒色 ヤブニッケイ 間隔を空けて不規則な互生状 ‐ 同上 同上 同上 ニッケイ ‐ ‐ 同上 同上 同上 シロダモ 枝から輪生状 若葉は黄褐色の絹毛でおおわれ下垂
成葉の裏面はロウ質で灰白色同上 単性花/異株 赤色 イヌガシ ‐ 最も細長く、先が鋭く尖る
裏面はロウ質のため粉白色
他のようなにおいなし暗紅紫色 両性花 黒色 -
ヤブデマリ Viburnum plicatum var.tomentosum
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ヤブツバキ(ツバキ) Camellia japonica
ツバキ科ツバキ属
漢字:藪椿
名前の由来:
藪に生える「ツバキ」。
「ツバキ(椿)」は、葉が厚く、艶があるため、「厚葉木(あつばき)」あるいは「艶葉木(つやばき)」に由来する。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:両性花、赤色(まれに淡紅色、白色)
花期:12~4月
果実:蒴果、緑色、種子は褐色
果期:9~11月(花期2~4月の場合)
備考:
日本固有種。
種子を絞った油(椿油(つばきあぶら))は、食用(天ぷら油)や化粧用(髪油)に用いる。
材は「一樫、二茱萸(ぐみ)、三椿」という堅い木の順番のことわざがあり、堅く緻密で、将棋の駒やそろばん玉、櫛、漆器の木地などに用いられる。
木炭は、蒔絵や金箔張りの研磨に使われる。
焼いた灰は紫染めの媒染剤。
<鳥媒花>
花は昆虫の活動が少ない冬から早春の寒い時期に咲く。鳥類は赤い色を最も強く感受するため、花は赤い。鳥(ヒヨドリ)のために横向きに咲く。花びらは鳥(メジロ)の体重でも壊れぬように硬くて丈夫(メジロは下側の花びらに爪をかけてしがみつく)。鳥に花のにおいはほとんど無意味なため、においはない。
鳥媒花の条件
・鳥が活動する昼間に開花する。
・鳥の胃袋を満たす薄く大量の蜜を分泌する。
・鳥に認識される鮮やかな赤色である。
<サザンカとの違い>花の開き方 花びらの散り方 若枝、葉柄 葉を日に透かす 果実 サザンカ 平開 バラバラ 褐色毛あり 透けない 有毛 ヤブツバキ 半開き 花冠ごと落下 無毛 主脈、側脈が透ける 無毛 花びらの基部が合着しているため、花びらはバラバラに散らないで、固まってポタッと落ちる。雄しべも基部が合着して花びらに着いているため、花びらと一緒に落ちる。
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ヤブコウジ Ardisia japonica
サクラソウ科ヤブコウジ属
漢字:藪柑子
名前の由来:藪の中に生えて、葉や果実がミカン科の「コウジ(柑子)」に似る。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:両性花、白色
花期:7~8月
果実:核果、赤色
果期:10~11月
備考:
正月飾りでは「十両」と呼ばれる。
<ツルコウジとの違い>
ツルコウジは、茎や葉に褐色の長い毛がある。ヤブコウジは短毛が密生している。 -
ヤブガラシ(ヤブカラシ) Cayratia japonica
ブドウ科ヤブカラシ属
漢字:藪枯らし
別名:ビンボウカズラ(貧乏葛)
名前の由来:
繁茂すると付近の藪を枯らしてしまうほど、土地の養分を吸収する。
「ビンボウカズラ(貧乏葛)」は、家の周辺や庭がこの蔓に覆われているような家は、除草するゆとりもない貧乏人の家説あり。
葉:5出複葉(鳥足状複葉)または3出複葉
花:偏平な集散花序、花弁は緑色、花盤(雌しべの基部)は黄赤色
花期:6~8月
果実:液果、黒色
習性:蔓性多年草
備考:
他の植物にからみつきそれを覆ってしまう。
巻きひげと花序は、葉と対生。
朝開花し、午前中に花弁と雄しべが落ちて雌しべだけになり、花盤は淡紅色になる。花盤に裸出した蜜腺あり。
小葉が5枚の3倍体(結実しない)と小葉が3枚の2倍体(結実する)あり。
根には利尿作用があり、生薬「烏瀲苺(うれんぼ)」。
民間では鎮痛薬にしたり、根を砕いた汁を腫れ物や毒虫刺されに用いた。 -
ヤブウツギ Weigela floribunda
スイカズラ科タニウツギ属
漢字:藪空木
名前の由来:
「ヤブ(藪)」は、枝が密生してやぶ状になる。
「ウツギ(空木)」は、ウツギの名前の由来参照。枝の髄は白く充実している。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、濃~暗紅色
花期:5~6月
果実:蒴果、裂開すると有翼の細小な種子を出す
果期:11月頃
備考:
日本固有種。
枝や花冠、果実に毛が多い。