【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 草本

  • ヤマホタルブクロ Campanula punctata var. hondoensis

    キキョウ科ホタルブクロ属
    漢字:山蛍袋
    名前の由来:
    「ヤマ(山)」は、ホタルブクロより高地に生える。
    「ホタルブクロ(蛍袋)」は、花の形を提灯(古語の「火垂る(ホタル)」)に見立てた説、
    子どもが花にホタルを入れて鑑賞した説あり。
    葉:茎葉は互生
    花:鐘形、濃赤紫色~白色
    花期:6~8月
    果実:蒴果
    習性:多年草
    備考:
    ホタルブクロの変種。
    <雄性先熟>
    蕾の段階で雄しべが熟し、葯が雌しべを包み込んでおり、この花粉は、受粉できない未熟な雌しべにくっつき開花する。訪花昆虫にこの花粉を託し、花粉がなくなった頃、雌しべが熟し受粉体制になる。
    <ホタルブクロとの違い>
    ホタルブクロは、萼片の間に副萼片が発達して上に反りかえる。ヤマホタルブクロは、萼片の間に副萼片はなく、萼片の間がコブのように盛り上がる。

    ヤマホタルブクロ
    20230817_宝永火口付近
    ヤマホタルブクロ
    20230817_宝永火口付近
    ヤマホタルブクロ
    20230817_宝永火口付近
    ヤマホタルブクロ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマホタルブクロ
    20240719_富士山太郎坊周辺
  • ヤマノイモ Dioscorea japonica

    ヤマノイモ科ヤマノイモ属
    漢字:山の芋
    別名:ジネンジョ(自然薯)
    名前の由来:「サトイモ(里芋)」に対して山で育つ「イモ」。
    葉:対生
    花:雌雄異株、穂状花序、白色、雄花序は立ち雌花序は垂れ下がる
    花期:7~8月
    果実:蒴果、平たく円形の翼が3個あり、裂けると偏平で円形の翼をもつ種子が飛び散る
    習性:蔓性多年草
    備考:
    肉質根は毎年新しいものができて、古いものの養分を吸収して肥大する。晩秋に掘りとり、すりおろして食用とする。
    葉腋につく株芽(しゅが)は、地上に落ちるとそこから発芽して新たな植物体をつくる栄養繁殖器官。「むかご」と呼ばれ、油で揚げたり、ご飯に炊き込んだりして食べる。
    葉は揚げ物や和え物、健康茶に用いる。

    ヤマノイモ
    20240809_県立美術館
    ヤマノイモ
    20240809_県立美術館
  • ヤマトウバナ Clinopodium multicaule

    シソ科トウバナ属
    漢字:山塔花
    名前の由来:
    山に生える「トウバナ」。
    「トウバナ(塔花)」は、トウバナの名前の由来参照。
    葉:対生
    花:唇形花、白色
    花期:6~7月
    果実:4個の分果
    習性:多年草
    備考:茎は四角形。

    ヤマトウバナ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマトウバナ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマトウバナ
    20240719_富士山太郎坊周辺
  • ヤマシャクヤク Paeonia japonica

    ボタン科ボタン属
    漢字:山芍薬
    名前の由来:
    山に生える「シャクヤク」。
    「シャクヤク(芍薬)」は、姿がしなやかで優しい様を意味する「綽(婥)約(しゃくやく)」説あり。
    葉:互生、下部 2回3出複葉、上部 3出複葉か単葉
    花:白色
    花期:4~6月
    果実:袋果、開裂すると内面は赤色、未熟種子は紅色、成熟種子は紺色
    習性:多年草

    ヤマシャクヤク
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマシャクヤク
    20240719_富士山太郎坊周辺
  • ヤマオダマキ Aquilegia buergeriana

    キンポウゲ科オダマキ属
    漢字:山苧環
    名前の由来:
    山に生える「オダマキ」。
    「オダマキ(苧環)」は、距の立った花の形が、カラムシ(苧)やアサ(麻)の繊維を枠糸巻きに巻いて中空の玉にした苧玉(おだま)に似ている。
    葉:根生葉 2回3出複葉、茎葉 3出複葉
    花:萼片 紫褐色、花弁 上部は淡黄色で基部の距は紫褐色
    花期:5月下旬~8月
    果実:5つの袋果が合体した集合果、熟すと先端が開いて黒色の光沢のある種子が出る
    習性:多年草
    備考:
    花全体がクリーム色の黄花種(var. buergeriana f. flavescens)は「キバナノヤマオダマキ(黄花山苧環)
    <距>
    萼片や花弁の一部が突き出した細長い袋状になった部分で、この中に蜜がたまっている。距の中にハナバチなどの昆虫が蜜を求めて入ろうとするが、この狭い距を通らせることで、昆虫たちを花粉まみれにして他家受粉をさせる戦略。
    <キンポウゲ科>
    キンポウゲ科の多くは有毒植物。葉や茎を折ったり、傷つけたりすると、毒成分のある汁がつくられる。皮膚に触れると皮膚炎や水疱を発生させ、誤食すれば胃腸炎を引き起こす。

    ヤマオダマキ
    20230626_富士山こどもの国
    ヤマオダマキ
    20230626_富士山こどもの国

    キバナノヤマオダマキ

    キバナノヤマオダマキ
    20230717_八島湿原
    キバナノヤマオダマキ
    20230717_八島湿原
  • ヤブラン Liriope muscari

    キジカクシ科ヤブラン属
    漢字:藪蘭
    名前の由来:藪に生え、葉が「ラン」に似ている。
    葉:根生
    花:総状花序、淡紫色
    花期:8~10月
    果実:果実は未熟のうちに破れ種子が裸出、種子は黒色
    習性:多年草
    備考:根の肥大部分を乾燥させたものは生薬の「大葉麦門冬(だいようばくもんどう)」と呼び、鎮咳、去痰などに用いる。

    ヤブラン
    20240904_遊木の森
    ヤブラン
    20240904_遊木の森
    ヤブラン
    20240904_遊木の森
  • ヤブミョウガ Pollia japonica

    ツユクサ科ヤブミョウガ属
    漢字:藪茗荷
    名前の由来:葉や茎が食用のショウガ科の「ミョウガ」に似て、藪に生える。
    葉:互生
    花:両性花と雄花が混在、円錐花序、白色、1日花
    花期:8~9月
    果実:液果、緑白色→黄緑色→茶色→藍紫色(構造色
    果期:10~11月
    習性:多年草
    備考:
    種子でも繁殖するが、多くは長い地下茎を伸ばし、そこから地上部を発生し群生する。
    果実を割っても果汁はなく、乾燥しており、薄い果皮はパリパリと裂けて、砂利のような小型の種子が20個ほど入っている。種子の大きさは2mmほどで不定形で、片面は窪みがあり、反対側は細かな凸凹がある。
    <ミョウガ(コショウ科)との葉の違い>

    感触葉序
    ミョウガつるつる二列互生
    ヤブミョウガ表面に細毛があるためざらざららせん状互生
    ヤブミョウガ
    20230827_朝鮮岩
    ヤブミョウガ
    20230827_朝鮮岩
    ヤブミョウガ
    20230827_朝鮮岩
  • ヤブガラシ(ヤブカラシ) Cayratia japonica

    ブドウ科ヤブカラシ属
    漢字:藪枯らし
    別名:ビンボウカズラ(貧乏葛)
    名前の由来:
    繁茂すると付近の藪を枯らしてしまうほど、土地の養分を吸収する。
    「ビンボウカズラ(貧乏葛)」は、家の周辺や庭がこの蔓に覆われているような家は、除草するゆとりもない貧乏人の家説あり。
    葉:5出複葉(鳥足状複葉)または3出複葉
    花:偏平な集散花序、花弁は緑色、花盤(雌しべの基部)は黄赤色
    花期:6~8月
    果実:液果、黒色
    習性:蔓性多年草
    備考:
    他の植物にからみつきそれを覆ってしまう。
    巻きひげと花序は、葉と対生。
    朝開花し、午前中に花弁と雄しべが落ちて雌しべだけになり、花盤は淡紅色になる。花盤に裸出した蜜腺あり。
    小葉が5枚の3倍体(結実しない)と小葉が3枚の2倍体(結実する)あり。
    根には利尿作用があり、生薬「烏瀲苺(うれんぼ)」。
    民間では鎮痛薬にしたり、根を砕いた汁を腫れ物や毒虫刺されに用いた。

    ヤブカラシ
    20240809_県立美術館
    ヤブカラシ
    20240809_県立美術館
  • ヤハズヒゴタイ Saussurea triptera

    キク科トウヒレン属
    漢字:矢筈平江帯
    名前の由来:
    「ヤハズ(矢筈)」は、葉の付け根の形が矢をつがえる矢筈に似る。
    「ヒゴタイ(平江帯)」は、キク科の「ヒゴタイ」に似るが、由来は不明。
    葉:茎葉は互生
    花:筒状花が集まった頭状花序、淡紅紫色
    花期:8~10月
    習性:多年草
    備考:
    亜高山帯から高山帯に生える。
    茎には翼あり。

    ヤハズヒゴタイ
    20230821_宝永遊歩道
    ヤハズヒゴタイ
    20230821_宝永遊歩道
  • ヤナギラン Chamerion angustifolium

    アカバナ科ヤナギラン属
    漢字:柳蘭
    名前の由来:花が大きくて美しく、葉の形が柳に似ている。
    葉:互生
    花:総状花序、紅紫色
    花期:6~8月
    果実:蒴果、熟すと4裂し白い絹毛のついた種子を飛散する
    習性:多年草
    備考:雄性先熟

    ヤナギラン
    20230724_八島湿原
    ヤナギラン
    20230724_八島湿原