【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 草本

  • ミズヒキ Persicaria filiformis

    タデ科イヌタデ属
    漢字:水引
    名前の由来:花を上から見ると赤く、下から見上げると白いため、これを紅白の水引(贈答品や祝儀袋などにかける紐)に見立てた。
    葉:互生、初夏から花が咲く頃に「八の字」の模様がはいるものあり
    花:総状花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、上の3枚が赤色で下の1枚が白色
    花期:8~10月
    果実:瘦果、先端が二股のカギ状になった柱頭が残り、動物などにくっついて運ばれる。
    習性:多年草
    備考:
    やや日陰の水分が多い土壌を好む。
    全草を乾燥させたものを民間薬として、止血や胃痛などに用いた。
    白色の花だけの変種「ギンミズヒキ(銀水引)」あり。
    黄色の花を咲かせる「キンミズヒキ(金水引)」は、バラ科の別の種。

    ミズヒキ
    20250819_まなびの森
    ミズヒキ
    20250819_まなびの森
    ミズヒキ
    20250819_まなびの森
    ミズヒキ
    20250819_まなびの森
  • フタリシズカ Chloranthus serratus

    センリョウ科チャラン属
    漢字:二人静
    名前の由来:
    同じ属の「ヒトリシズカ」の花穂が1本あるのに対し、本種には2本あることが多い説、
    2本の花穂を静御前の亡霊2人が出てくる能の「二人静」にちなんだ説あり。
    葉:対生
    花:穂状花序(1~5本)、無花被花、白色
    花期:4~6月
    果実:核果、緑色
    習性:多年草
    備考:花が終わる夏から秋にかけて、茎の下部の節から閉鎖花をつけた花序を出す。

    フタリシズカ
    20250819_まなびの森
    フタリシズカ
    20250825_まなびの森
    フタリシズカ
    20250825_まなびの森
  • ナベワリ Croomia heterosepala

    ビャクブ科ナベワリ属
    漢字:舐割/舐破
    名前の由来:「舐め割り」の転化で、葉に毒があり舐めると舌が割れる。
    葉:互生
    花:淡緑色、葯は黄赤色、下垂
    花期:4~5月
    果実:
    習性:多年草

    ナベワリ
    20250819_まなびの森
    ナベワリ
    20250819_まなびの森
  • ツルニガクサ Teucrium viscidum var. miquelianum

    シソ科ニガクサ属
    漢字:蔓苦草
    名前の由来:
    地中をはう細長い地下茎をもつニガクサ。
    「ニガクサ(苦草)」は、苦い草の意味だが、葉や茎は苦くない。
    葉:対生
    花:総状花序、唇形花、淡紅色
    花期:7~9月
    果実:萼の中に4個の分果
    習性:多年草

    ツルニガクサ
    20250819_まなびの森
    ツルニガクサ
    20250819_まなびの森
  • チヂミザサ Oplismenus undulatifolius

    イネ科チヂミザサ属
    漢字:縮み笹
    名前の由来:葉の形がササに似て、葉の縁に縮んだようなしわがある。
    葉:互生
    花:小穂(最小の穂状花序)、3本の芒がある。
    芒(のぎ)→小穂を構成する鱗片(頴)の先端にあるトゲ状の突起
    花期:8~10月
    果実:頴果、熟すと芒が粘液を出し、動物などにくっつく。ひっつき虫のひとつ。
    習性:多年草
    備考:
    <小穂(しょうすい)>
    生殖機能が退化して結実しない第一小花と、生殖機能を有して結実できる第二小花の二つの小花で構成されている。
    <二つの変種>
    葉や茎に毛が多い「ケチヂミザサ」と、全体的に毛がほとんどない「コチヂミザサ」がある。

    チヂミザサ
    20250819_まなびの森
    チヂミザサ
    20250819_まなびの森
  • ダイコンソウ Geum japonicum

    バラ科ダイコンソウ属
    漢字:大根草
    名前の由来:根生葉がダイコンの葉に似ている。
    葉:根生葉は羽状複葉、茎葉は3裂する
    花:黄色
    花期:6~8月
    果実:瘦果が集まった集合果、花柱は先端がかぎ状になって残り動物にくっつく。
    習性:多年草

    ダイコンソウ
    20250819_まなびの森
    ダイコンソウ
    20250819_まなびの森
    ダイコンソウ
    20250819_まなびの森
  • シロヨメナ Aster ageratoides var. ageratoides

    キク科シオン属
    漢字:白嫁菜
    別名:ヤマシロギク(山白菊)
    名前の由来:
    ヨメナに似て花が白い。または、芽立ちの茎が赤味を帯びない。
    「ヨメナ(嫁菜)」は、ムコナ(シラヤマギク)に対したなど諸説あり。
    葉:互生
    花:まわりの舌状花と中心の筒状花の集まった頭状花序、舌状花は白色
    花期:8~11月
    果実:瘦果
    習性:多年草
    備考:
    <イナカギクとの違い>
    茎の下部は無毛。
    葉は茎を抱かない。

    シロヨメナ
    20250819_まなびの森
    シロヨメナ
    20250819_まなびの森
    シロヨメナ
    20250825_まなびの森
  • ヒメジョオン Erigeron annuus

    キク科ムカシヨモギ属
    漢字:姫女苑
    名前の由来:中国語で「ジョオン(女苑)」と呼ばれるヒメシオンという植物に似ていて、その花より小さい。
    葉:茎葉は互生
    花:まわりの舌状花と中心の筒状花の集まった頭状花序
    花期:6~10月
    習性:1~2年草(越年草の記述もあり)
    備考:
    北アメリカ原産。
    若芽は食べられる。
    <ハルジオンとの違い>
    ハルジオンの備考参照。

    ヒメジョオン
    20250720_県立美術館
    ヒメジョオン
    20250720_県立美術館
    ヒメジョオン
    20250720_県立美術館

  • ニガナ Ixeridium dentatum

    キク科ニガナ属
    漢字:苦菜
    名前の由来:茎や葉を切ると苦味のある乳液が出る。
    葉:茎葉は互生
    花:舌状花(通常5個)の集まった頭状花序、黄色
    花期:5~7月
    果実:瘦果
    習性:多年草

    ニガナ
    20250430_県立美術館
    ニガナ
    20250430_県立美術館
    ニガナ
    20250430_県立美術館
  • マムシグサ Arisaema japonicum

    サトイモ科テンナンショウ属
    漢字:蝮草
    名前の由来:偽茎(葉鞘)の模様がマムシに似る。
    葉:鳥足状複葉
    花:雌雄異株、肉穂花序
    花期:4~6月
    果実:液果、赤色
    習性:多年草
    備考:
    <テンナンショウ属>
    目立つ大型の苞(葉)は、仏像のうしろにある光背(こうはい)に見立てて「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる。
    花は、花被なしで「付属体」の下につき、成長や栄養の状態によって、雄株から雌株に性転換する。キノコに似たにおいを出すことで、キノコバエを呼び寄せて花粉を運ばせている。
    地下部の球茎を輪切りにして乾燥させたものは生薬「天南星」と呼ばれ、去痰、鎮痛に、民間では球茎をすりおろしてリウマチ、肩こりなどに用いた。
    全草に毒成分を含み、便所のうじ殺しに使われたほど毒性が強い。葉をちぎったり、葉から出る汁に触れたりすると皮膚炎を起こし、摂食すると吐き気、胃腸炎、心臓麻痺に至ることがある。
    <マムシグサとキノコバエ>
    キノコバエをだまして花粉を運ばせている。
    付属体は特殊なにおいを放つ(人間には感知できない)。
    においに誘われたキノコバエの仲間は、花をキノコとまちがえて交尾や産卵に集まってくる。
    筒状になった仏炎苞の奥深く、突起状の花が集まった底の部分に滑り落ちる。
    脱出を試みるが、仏炎苞の内側はつるつる滑って登れない。仏炎苞と花のすき間は狭すぎて飛び立てない。付属体を登ろうにも、中途に返しがあり登れない。
    【雄株の場合】
    出口を探して雄花の上を歩き回るうちに虫は花粉まみれになるが、仏炎苞の合わせ目には小さなすき間があるため、脱出することができる。
    【雌株の場合】
    雌花の上を歩き回ることで、体につけてきた花粉を雌しべにつけながら、脱出孔を探すが、雌株の仏炎苞の裾はびっちりと固く合わせられていて、脱出孔がない。
    虫は、雌株の中で死んでいく。

    マムシグサ
    20250427_高山・市民の森
    マムシグサ
    20250427_高山・市民の森
    マムシグサ
    20250427_高山・市民の森
    マムシグサ
    20250427_高山・市民の森