【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 草本

  • ホトトギス Tricyrtis hirta

    ユリ科ホトトギス属
    漢字:杜鵑草
    名前の由来:花の斑点を鳥のホトトギスの胸の斑点に見立てた。
    葉:互生
    花:白地に濃紫の斑点が多数あり、下部には黄色の斑紋あり
    花期:7~10月
    果実:蒴果
    習性:多年草

    ホトトギス
    20240918_箱根湿生花園
    ホトトギス
    20240918_箱根湿生花園
  • ホトケノザ Lamium amplexicaule

    シソ科オドリコソウ属
    漢字:仏の座
    名前の由来:茎の上の方で対生する葉を仏様が座っている「蓮華座(れんげざ)」に見立て、その上に咲く花を仏様にたとえた。
    葉:対生
    花:唇形花、紅紫色
    花期:3~6月
    習性:2年草
    備考:
    春の七草のホトケノザは本種ではなく、コオニタビラコ
    <閉鎖花(咲かないつぼみ)>
    花が咲かないつぼみの「閉鎖花」をつけることが多い。
    「閉鎖花」は、つぼみのままで種子をつける。
    つぼみの形に閉じたままの花の中で、花粉管が葯の壁を貫き、直接雌しべの中にある胚珠に到達して受精する。
    実を結ぶ確率はほぼ100%で、開放花に比べて桁違いに高い。
    虫を誘うための美しい花びらや甘い蜜が必要ではないため、コストがかからない。「近親交配」なので、生まれてくる種子の性質は親に似通ったものになる。
    環境の変化についていきにくく、病原菌にやられて全滅する危険性も高い。さらに子孫に遺伝的な弊害が生じる可能性あり。
    <アリ散布>
    ハコベの備考参照。

    ホトケノザ
    20240410_吉田川
    ホトケノザ
    20240410_吉田川
    ホトケノザ
    20240410_吉田川


  • ホソバノキリンソウ Phedimus aizoon var. aizoon

    ベンケイソウ科キリンソウ属
    漢字:細葉の黄輪草/麒麟草
    名前の由来:
    「ホソバ(細葉)」は、キリンソウより葉が細い。
    「キリンソウ(黄輪草)」は、黄色の花が輪状に咲く説あり。
    「キリンソウ(麒麟草)」は、想像上の動物である麒麟が黄色説あり。
    葉:互生
    花:集散花序、黄色
    花期:7~8月
    果実:袋果
    習性:多年草
    備考:
    <キリンソウとの違い>
    キリンソウの葉は鈍鋸歯が上半分にあるのに対して、本種は基部まで鋸歯あり。花が密に咲く。

    ホソバノキリンソウ
    20230724_八島湿原
  • ヘビイチゴ Potentilla hebiichigo

    バラ科キジムシロ属
    漢字:蛇苺
    名前の由来:ヤブヘビイチゴの漢名「蛇苺」に由来する。ヘビが食べるから?
    葉:互生、3出複葉
    花:黄色
    花期:4~6月
    果実:イチゴ状果(花床がふくらんだ表面に瘦果の集まった集合果)
    習性:多年草
    備考:
    果実は食べられるがおしくない(俗説では有毒されているが実際は無毒)。
    <ヤブヘビイチゴとの違い>
    全形がやや小型、花床は真紅色でなく細毛あり、瘦果の表面はしわがよる。

    ヘビイチゴ
    20220619_遊木の森
    ヘビイチゴ
    20220619_遊木の森
    ヘビイチゴ
    20240410_吉田川
    ヘビイチゴ
    20240410_吉田川
    ヘビイチゴ
    20240421_遊木の森
    ヘビイチゴ
    20240421_遊木の森
  • ベニバナヤマシャクヤク Paeonia obovata

    ボタン科ボタン属
    漢字:紅花山芍薬
    名前の由来:
    花が淡紅色を帯びる「ヤマシャクヤク」。
    「ヤマシャクヤク(山芍薬)」は、ヤマシャクヤクの名前の由来参照。
    葉:互生、2回3出複葉
    花:淡紅色
    花期:4~6月
    果実:袋果、種子は黒色
    習性:多年草
    備考:
    ヤマシャクヤクとの違い>
    葉の下面が有毛、花弁は淡紅色まれに白色、雌しべの柱頭が長く著しく外曲する、袋果がわずかに弓状に湾曲する。

    ベニバナヤマシャクヤク
    20230619_富士山こどもの国
  • ヘクソカズラ Paederia scandens

    アカネ科ヘクソカズラ属
    漢字:屁糞蔓・屁臭蔓
    別名:ヤイトバナ(灸花)/サオトメバナ(早乙女花)
    名前の由来:
    花、葉、果実をもんだり、つぶしたりすると悪臭がある。
    「ヤイトバナ(灸花)」は、お灸を意味する花、筒状の花を伏せた様子が艾(もぐさ)を盛り上げた形に見える、あるいは花の内側が赤色でお灸をすえたように見える。
    「サオトメバナ(早乙女花)」は、花を水の上に逆さに浮かべて花相撲をして遊んだ様子を、水田で働く乙女たち(早乙女)に見立てた、あるいは花の形が早乙女たちのかぶる菅笠の形に似ている。
    葉:対生
    花:集散花序、白色(内側は紅紫色)
    花期:8~9月
    果実:核果、黄褐色
    習性:蔓性多年草
    備考:
    花筒の内側には白い「腺毛」が密生し、粘液のような物質がついており、アリなどの侵入を防いでいる。
    悪臭は葉や蔓を食害する昆虫類への防御とされ、限られた昆虫(スズメガ科のホウジャクやホシホウジャクの幼虫等)しか本種などアカネ科の植物を食草としない。
    <毒を利用する昆虫>
    ヘクソカズラヒゲナガアブラムシ
    ヘクソカズラのペデロシドを排泄も分解もせずにそのまま自分の体にため込む。
    食べた中から特定の成分だけを体内に蓄積(選択蓄積)する。
    「まずい」ので、天敵のテントウムシにも襲われずに済む。
    植物の防衛物質を自分の防衛に利用している。
    目立つピンク色の色彩は、自分がまずくて危険な存在であることを誇示する「警戒色(警告色)」。

    ヘクソカズラ
    20240908_その他
    ヘクソカズラ
    20240908_その他
    ヘクソカズラ
    20240908_その他
  • フジハタザオ Arabis serrata var. serrata

    アブラナ科ヤマハタザオ属
    漢字:富士旗竿
    名前の由来:
    「フジ(富士)」は、富士山に多く生える。
    「ハタザオ(旗竿)」は、片方に偏って付く種を風にたなびく旗竿にたとえた説、
    長い花茎が直立する状態を旗竿に見立てた説あり。
    葉:互生
    花:総状花序、白色
    花期:6~7月
    果実:長角果
    習性:多年草
    備考:富士山を中心とした高山に生える。

    フジハタザオ
    20230817_富士山五合目付近
    フジハタザオ
    20230817_富士山五合目付近
  • フジバカマ Eupatorium japonicum

    キク科ヒヨドリバナ属
    漢字:藤袴
    名前の由来:花の色が藤色で個別の花の形が袴(飛鳥・奈良時代の古代の袴、今でいうズボンのスネの部分)に似ている説あり。
    葉:対生、3深裂
    花:筒状花の集まった頭状花序、淡紅紫色
    花期:8~9月
    果実:瘦果
    習性:多年草
    備考:
    秋の七草の一つ。
    葉は生乾きのとき、桜餅の桜の葉と同じクマリンの香りがする。
    サワヒヨドリヨツバヒヨドリヒヨドリバナとの葉の違い>
    ヒヨドリバナの備考参照。

    フジバカマ
    20241028_その他
    フジバカマ
    20241028_その他
    フジバカマ
    20241028_その他
  • フジアザミ Cirsium purpuratum

    キク科アザミ属
    漢字:富士薊
    名前の由来:
    「フジ(富士)」は、富士山麓に多く生える。
    「アザミ(薊)」は、ノアザミの名前の由来参照。
    葉:茎葉は互生、根生葉はとげが多い
    花:筒状花の集まった頭状花序、紅紫色、下向き
    花期:8~10月
    習性:多年草
    備考:
    頭花は直径10cmにもなる。
    根は食用になる。

    フジアザミ
    20240724_富士山太郎坊周辺
    フジアザミ
    20240724_富士山太郎坊周辺
    フジアザミ
    20240724_富士山太郎坊周辺
  • ヒヨドリバナ Eupatorium chinense

    キク科ヒヨドリバナ属
    漢字:鵯花
    名前の由来:ヒヨドリ(鵯)が山から里に下りてきて鳴く頃に花が咲く。
    葉:対生
    花:筒状花の集まった頭状花序、白色(淡紫色もあり)
    花期:8~10月
    果実:瘦果
    習性:多年草
    備考:
    無性生殖型と有性生殖型あり。無性生殖型はジェミニウイルスに感染されることが多く葉に黄斑が入る。有性生殖型はウイルスが侵入しても感染することは少ない。
    フジバカマヨツバヒヨドリサワヒヨドリとの葉の違い>

    葉形葉序葉柄
    ヒヨドリバナ切り込みなし対生あり
    フジバカマ深く3裂対生あり
    ヨツバヒヨドリ切り込みなし3~4枚輪生あり
    サワヒヨドリ切り込みなし対生なし
    ヒヨドリバナ
    20240918_箱根湿生花園
    ヒヨドリバナ
    20240918_箱根湿生花園
    ヒヨドリバナ
    20240918_箱根湿生花園