【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 草本

  • ムラサキカタバミ Oxalis debilis ssp. corymbosa

    カタバミ科カタバミ属
    漢字:紫傍食/紫片喰/紫酢漿草
    名前の由来:
    花色が紫色の「カタバミ」。
    「カタバミ」は、カタバミの名前の由来参照。
    葉:根生、3出複葉
    花:散形花序、紅紫色
    花期:5~7月
    習性:多年草
    備考:
    南アメリカ原産。
    地下に鱗茎があり、多数の子球(しきゅう)をつけて繁殖する。花は結実せず。
    カタバミの備考参照。

    ムラサキカタバミ
    20240608_遊木の森
    ムラサキカタバミ
    20240608_遊木の森
    ムラサキカタバミ
    20240608_遊木の森
  • ムサシアブミ Arisaema ringens

    サトイモ科テンナンショウ属
    漢字:武蔵鐙
    名前の由来:逆さに見た仏炎苞の形を、昔武蔵国(関東地方)で使われた馬の鐙(馬具の一つで鞍の両わきにさげて足を踏みかけるもの)に見立てた。
    葉:3出複葉
    花:雌雄異株、肉穂花序
    花期:2~5月
    習性:多年草
    備考:テンナンショウ属については、マムシグサの備考参照。

    ムサシアブミ
    20240410_有度山
    ムサシアブミ
    20240410_有度山
  • ミヤマオトコヨモギ Artemisia pedunculosa

    キク科ヨモギ属
    漢字:深山男蓬
    名前の由来:
    奥山に生える「オトコヨモギ」。
    「オトコヨモギ(男蓬)」は、漢名「牡蒿(ぼうこう)」の訳で、種子が小さいために種子がないものと誤認して、牡と名づけた説、
    果実がヨモギに比べて小さく、雌花だけ結実し、両性花は結実しない説あり。
    葉:茎葉は互生
    花:筒状花(雌花と両性花)の集まった頭状花序、下向き、淡黄色
    花期:7~8月
    果実:瘦果
    習性:多年草
    備考:亜高山帯に生える。

    ミヤマオトコヨモギ
    20230817_富士山五合目付近
    ミヤマオトコヨモギ
    20230817_富士山五合目付近
  • アキノキリンソウ Solidago virgaurea ssp. asiatica

    キク科アキノキリンソウ属
    漢字:秋の麒麟草
    名前の由来:
    「アキノ(秋の)」は、晩夏から秋に花が咲く。
    「キリンソウ(麒麟草)」は、ベンケイソウ科のキリンソウに似た花が咲く。
    葉:茎葉は互生
    花:まわりの舌状花(雌性)と中心の筒状花(両性)の集まった頭状花序、黄色
    花期:8~11月
    果実:瘦果、冠毛あり
    習性:多年草
    備考:
    <ミヤマアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leiocarpa)との違い>
    ミヤマアキノキリンソウはアキノキリンソウの高山型とされ、花が頂部に固まってつく傾向があるのに対してアキノキリンソウは比較的まばらにつく。厳密な区別は難しい。

    ミヤマアキノキリンソウ

    ミヤマアキノキリンソウ
    20230817_宝永遊歩道
    ミヤマアキノキリンソウ
    20230817_宝永遊歩道
  • ミソハギ Lythrum anceps

    ミソハギ科ミソハギ属
    漢字:禊萩
    名前の由来:
    花穂でお供え物に水をかける風習「禊萩(みそぎはぎ)」から転訛した説が有力(禊ぎは水でけがれを流し去ること、亡者の喉の渇きを癒すため説あり)。
    他、ハギに似ているが、草丈が低いため「微萩(みそかはぎ)」説、
    疫病を除く御簾(みす)に例えて「御簾萩」説、
    水辺に生えて花がハギに似るため「水萩」または「溝萩」説あり。
    葉:対生、基部は茎を抱かない
    花:短い集散花序、紅紫色
    花期:7~8月
    果実:蒴果、宿存萼の中にある
    習性:多年草
    備考:
    山野の湿地に生える。
    地上部を花期に採取し、乾燥させたものは「千屈菜(せんくつさい)」と呼ばれ、下痢や胃腸炎などに用いる。
    <エゾミソハギとの違い>
    エゾミソハギは、茎や葉、花序に細毛を密生する。葉の基部が茎を抱く。
    <異型花柱性>
    短花柱花、中花柱花、長花柱花の3型の花がある。
    自分を含む同型の花から受粉しても結実しない(自家不和合性)。
    短花柱花:短雌しべ+長/中雄しべ
    中花柱花:中雌しべ+長/短雄しべ
    長花柱花:長雌しべ+中/短雄しべ

    ミソハギ
    20240911_箱根湿生花園
    ミソハギ
    20240911_箱根湿生花園
    ミソハギ
    20240911_箱根湿生花園
    ミソハギ
    20240911_箱根湿生花園
  • ミゾソバ Polygonum thunbergii

    タデ科イヌタデ属
    漢字:溝蕎麦
    別名:ウシノヒタイ(牛の額)
    名前の由来:
    「ミゾソバ(溝蕎麦)」は、溝や湿地に生え、草姿(葉、瘦果)がが「ソバ」に似ている。
    「ウシノヒタイ(牛の額)」は、葉の形が牛の顔(額)のように見える。
    葉:互生
    花:単花被花(花冠なし萼のみ)、萼片の上部は紅紫色、下部は白色
    花期:7~10月
    果実:瘦果、宿存萼に包まれ3稜あり
    習性:1年草
    備考:
    湿地に群生する。
    地表または近くの節から「閉鎖花」をつける短い枝を出す。
    茎には稜があり、稜に沿って下向きの小とげあり。

    ミゾソバ
    20231016_県立森林公園
    ミゾソバ
    20231016_県立森林公園
    ミゾソバ
    20231016_県立森林公園
    ミゾソバ
    20240911_箱根湿生花園
    ミゾソバ
    20240911_箱根湿生花園
  • マツバウンラン Nuttallanthus canadensis

    オオバコ科マツバウンラン属
    漢字:松葉海蘭
    名前の由来:
    葉の形が松葉、花が「ウンラン」に似ている説あり。
    「ウンラン(海蘭)」は、海の蘭?
    葉:茎葉は互生
    花:総状花序、唇形花、青紫色
    花期:5~7月?
    果実:蒴果
    習性:1年草
    備考:北アメリカ原産の外来種。

    マツバウンラン
    20240410_吉田川
    マツバウンラン
    20240421_遊木の森
    マツバウンラン
    20240421_遊木の森
  • マツカゼソウ Boenninghausenia albiflora var. japonica

    ミカン科マツカゼソウ属
    漢字:松風草
    漢名:臭節草(しゅうせつそう)
    名前の由来:
    茎や葉の全体の雰囲気をマツの枝葉に見立てた「松枝草(まつがえそう)」説、
    風に揺れる花または草の姿に趣がある説などあり。
    葉:互生、3回3出羽状複葉
    花:集散花序、白色
    花期:8~10月
    果実:蒴果(4個の分果)
    習性:多年草
    備考:
    日本に自生するミカン科の植物の中で、唯一の草本。
    茎や葉の裏面に小さな油点(細胞内に油が溜まって透明に見える小さな点)あり。
    葉を揉むと少しサンショウに似た独特の臭気あり。ニホンジカはこの臭いを嫌う。

    マツカゼソウ
    20241006_高山・市民の森
    マツカゼソウ
    20241006_高山・市民の森
    マツカゼソウ
    20241006_高山・市民の森
  • ホトトギス Tricyrtis hirta

    ユリ科ホトトギス属
    漢字:杜鵑草
    名前の由来:花の斑点を鳥のホトトギスの胸の斑点に見立てた。
    葉:互生
    花:白地に濃紫の斑点が多数あり、下部には黄色の斑紋あり
    花期:7~10月
    果実:蒴果
    習性:多年草

    ホトトギス
    20240918_箱根湿生花園
    ホトトギス
    20240918_箱根湿生花園
  • ホトケノザ Lamium amplexicaule

    シソ科オドリコソウ属
    漢字:仏の座
    名前の由来:茎の上の方で対生する葉を仏様が座っている「蓮華座(れんげざ)」に見立て、その上に咲く花を仏様にたとえた。
    葉:対生
    花:唇形花、紅紫色
    花期:3~6月
    習性:2年草
    備考:
    春の七草のホトケノザは本種ではなく、コオニタビラコ
    <閉鎖花(咲かないつぼみ)>
    花が咲かないつぼみの「閉鎖花」をつけることが多い。
    「閉鎖花」は、つぼみのままで種子をつける。
    つぼみの形に閉じたままの花の中で、花粉管が葯の壁を貫き、直接雌しべの中にある胚珠に到達して受精する。
    実を結ぶ確率はほぼ100%で、開放花に比べて桁違いに高い。
    虫を誘うための美しい花びらや甘い蜜が必要ではないため、コストがかからない。「近親交配」なので、生まれてくる種子の性質は親に似通ったものになる。
    環境の変化についていきにくく、病原菌にやられて全滅する危険性も高い。さらに子孫に遺伝的な弊害が生じる可能性あり。
    <アリ散布>
    ハコベの備考参照。

    ホトケノザ
    20240410_吉田川
    ホトケノザ
    20240410_吉田川
    ホトケノザ
    20240410_吉田川