ケシ科キケマン属
漢字:紫華鬘
名前の由来:
花が紫色の「ケマンソウ」。
「ケマンソウ(華鬘草)」は、花がたくさん並んで垂れ下がっている様子を、仏殿の欄間(らんま)に飾る華鬘(けまん)に見立てた。
葉:茎葉は互生
花:総状花序、紅紫色
花期:4~6月
果実:蒴果、偏平、熟すと果皮が両側に巻き上がり、黒い光沢のある種子がとび散る
習性:2年草
備考:
<アリ散布>
ハコベの備考参照。
カテゴリー: 草本
-
ムラサキケマン Corydalis incisa
-
ムサシアブミ Arisaema ringens
サトイモ科テンナンショウ属
漢字:武蔵鐙
名前の由来:逆さに見た仏炎苞の形を、昔武蔵国(関東地方)で使われた馬の鐙(馬具の一つで鞍の両わきにさげて足を踏みかけるもの)に見立てた。
葉:3出複葉
花:雌雄異株、肉穂花序
花期:2~5月
習性:多年草
備考:テンナンショウ属については、マムシグサの備考参照。 -
アキノキリンソウ Solidago virgaurea ssp. asiatica
キク科アキノキリンソウ属
漢字:秋の麒麟草
名前の由来:
「アキノ(秋の)」は、晩夏から秋に花が咲く。
「キリンソウ(麒麟草)」は、ベンケイソウ科のキリンソウに似た花が咲く。
葉:茎葉は互生
花:まわりの舌状花(雌性)と中心の筒状花(両性)の集まった頭状花序、黄色
花期:8~11月
果実:瘦果、冠毛あり
習性:多年草
備考:
<ミヤマアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leiocarpa)との違い>
ミヤマアキノキリンソウはアキノキリンソウの高山型とされ、花が頂部に固まってつく傾向があるのに対してアキノキリンソウは比較的まばらにつく。厳密な区別は難しい。ミヤマアキノキリンソウ
-
ミソハギ Lythrum anceps
ミソハギ科ミソハギ属
漢字:禊萩
名前の由来:
花穂でお供え物に水をかける風習「禊萩(みそぎはぎ)」から転訛した説が有力(禊ぎは水でけがれを流し去ること、亡者の喉の渇きを癒すため説あり)。
他、ハギに似ているが、草丈が低いため「微萩(みそかはぎ)」説、
疫病を除く御簾(みす)に例えて「御簾萩」説、
水辺に生えて花がハギに似るため「水萩」または「溝萩」説あり。
葉:対生、基部は茎を抱かない
花:短い集散花序、紅紫色
花期:7~8月
果実:蒴果、宿存萼の中にある
習性:多年草
備考:
山野の湿地に生える。
地上部を花期に採取し、乾燥させたものは「千屈菜(せんくつさい)」と呼ばれ、下痢や胃腸炎などに用いる。
<エゾミソハギとの違い>
エゾミソハギは、茎や葉、花序に細毛を密生する。葉の基部が茎を抱く。
<異型花柱性>
短花柱花、中花柱花、長花柱花の3型の花がある。
自分を含む同型の花から受粉しても結実しない(自家不和合性)。
短花柱花:短雌しべ+長/中雄しべ
中花柱花:中雌しべ+長/短雄しべ
長花柱花:長雌しべ+中/短雄しべ -
ミゾソバ Polygonum thunbergii
タデ科イヌタデ属
漢字:溝蕎麦
別名:ウシノヒタイ(牛の額)
名前の由来:
「ミゾソバ(溝蕎麦)」は、溝や湿地に生え、草姿(葉、瘦果)がが「ソバ」に似ている。
「ウシノヒタイ(牛の額)」は、葉の形が牛の顔(額)のように見える。
葉:互生
花:単花被花(花冠なし萼のみ)、萼片の上部は紅紫色、下部は白色
花期:7~10月
果実:瘦果、宿存萼に包まれ3稜あり
習性:1年草
備考:
湿地に群生する。
地表または近くの節から「閉鎖花」をつける短い枝を出す。
茎には稜があり、稜に沿って下向きの小とげあり。 -
マツカゼソウ Boenninghausenia albiflora var. japonica
ミカン科マツカゼソウ属
漢字:松風草
漢名:臭節草(しゅうせつそう)
名前の由来:
細かく裂けた葉が涼しげで、風にそよぐ様子が「松を吹きわたる風」を思わせる説、
茎や葉の全体の雰囲気をマツの枝葉に見立てた「松枝草(まつがえそう)」説あり。
葉:互生、3回3出羽状複葉
花:集散花序、白色
花期:8~10月
果実:蒴果(4個の分果)
習性:多年草
備考:
日本に自生するミカン科の植物の中で、唯一の草本。
茎や葉の裏面に小さな油点(細胞内に油が溜まって透明に見える小さな点)あり。
葉を揉むと少しサンショウに似た独特の臭気あり。ニホンジカはこの臭いを嫌う。