ミカン科マツカゼソウ属
漢字:松風草
漢名:臭節草(しゅうせつそう)
名前の由来:
細かく裂けた葉が涼しげで、風にそよぐ様子が「松を吹きわたる風」を思わせる説、
茎や葉の全体の雰囲気をマツの枝葉に見立てた「松枝草(まつがえそう)」説あり。
葉:互生、3回3出羽状複葉
花:集散花序、白色
花期:8~10月
果実:蒴果(4個の分果)
習性:多年草
備考:
日本に自生するミカン科の植物の中で、唯一の草本。
茎や葉の裏面に小さな油点(細胞内に油が溜まって透明に見える小さな点)あり。
葉を揉むと少しサンショウに似た独特の臭気あり。ニホンジカはこの臭いを嫌う。
カテゴリー: 草本
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マツカゼソウ Boenninghausenia albiflora var. japonica
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ホトケノザ Lamium amplexicaule
シソ科オドリコソウ属
漢字:仏の座
名前の由来:茎の上の方で対生する葉を仏様が座っている「蓮華座(れんげざ)」に見立て、その上に咲く花を仏様にたとえた。
葉:対生
花:唇形花、紅紫色
花期:3~6月
習性:2年草
備考:
春の七草のホトケノザは本種ではなく、コオニタビラコ。
<閉鎖花(咲かないつぼみ)>
花が咲かないつぼみの「閉鎖花」をつけることが多い。
「閉鎖花」は、つぼみのままで種子をつける。
つぼみの形に閉じたままの花の中で、花粉管が葯の壁を貫き、直接雌しべの中にある胚珠に到達して受精する。
実を結ぶ確率はほぼ100%で、開放花に比べて桁違いに高い。
虫を誘うための美しい花びらや甘い蜜が必要ではないため、コストがかからない。「近親交配」なので、生まれてくる種子の性質は親に似通ったものになる。
環境の変化についていきにくく、病原菌にやられて全滅する危険性も高い。さらに子孫に遺伝的な弊害が生じる可能性あり。
<アリ散布>
ハコベの備考参照。 -
ヘクソカズラ Paederia scandens
アカネ科ヘクソカズラ属
漢字:屁糞蔓・屁臭蔓
別名:ヤイトバナ(灸花)/サオトメバナ(早乙女花)
名前の由来:
花、葉、果実をもんだり、つぶしたりすると悪臭がある。
「ヤイトバナ(灸花)」は、お灸を意味する花、筒状の花を伏せた様子が艾(もぐさ)を盛り上げた形に見える、あるいは花の内側が赤色でお灸をすえたように見える。
「サオトメバナ(早乙女花)」は、花を水の上に逆さに浮かべて花相撲をして遊んだ様子を、水田で働く乙女たち(早乙女)に見立てた、あるいは花の形が早乙女たちのかぶる菅笠の形に似ている。
葉:対生
花:集散花序、白色(内側は紅紫色)
花期:8~9月
果実:核果、黄褐色
習性:蔓性多年草
備考:
花筒の内側には白い「腺毛」が密生し、粘液のような物質がついており、アリなどの侵入を防いでいる。
悪臭は葉や蔓を食害する昆虫類への防御とされ、限られた昆虫(スズメガ科のホウジャクやホシホウジャクの幼虫等)しか本種などアカネ科の植物を食草としない。
<毒を利用する昆虫>
ヘクソカズラヒゲナガアブラムシ
ヘクソカズラのペデロシドを排泄も分解もせずにそのまま自分の体にため込む。
食べた中から特定の成分だけを体内に蓄積(選択蓄積)する。
「まずい」ので、天敵のテントウムシにも襲われずに済む。
植物の防衛物質を自分の防衛に利用している。
目立つピンク色の色彩は、自分がまずくて危険な存在であることを誇示する「警戒色(警告色)」。 -
フジアザミ Cirsium purpuratum
キク科アザミ属
漢字:富士薊
名前の由来:
「フジ(富士)」は、富士山麓に多く生える。
「アザミ(薊)」は、ノアザミの名前の由来参照。
葉:茎葉は互生、根生葉はとげが多い
花:筒状花の集まった頭状花序、紅紫色、下向き
花期:8~10月
習性:多年草
備考:
頭花は直径10cmにもなる。
根は食用になる。



























