マメ科ヌスビトハギ属
漢字:盗人萩
名前の由来:
「ヌスビト(盗人)」は、半円形の果実の形が、盗みをする人が足の裏の縁だけを地面につけて忍び足で歩く足跡に似ている説、
盗みに入ったが、知らぬうちに衣類に果実を貼りつけて帰る説あり。
「ハギ(萩)」は、ヤマハギの名前の由来参照。
葉:互生、3出羽状複葉
花:総状花序、蝶形花、淡紅色
花期:7~9月
果実:節果、半円形の小節果が2個並ぶ
果期:10~12月
習性:多年草
備考:節果の表面にはかぎ状の毛があり、衣服などにくっついて種子を散布する。
カテゴリー: 草本
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ヌスビトハギ Desmodium podocarpum ssp. oxyphyllum var. japonicum
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ナズナ Capsella bursa-pastoris
アブラナ科ナズナ属
漢字:薺
別名:ペンペングサ
名前の由来:
撫でたいほどかわいい花を意味する「撫菜(なでな)」が転訛した説、
秋から春には生えているが、夏には生えて無い「夏無(なつな)」が転訛した説、
朝鮮で本種を指す言葉 Nazi と野菜の「菜」に由来する説など諸説あり。
「ペンペングサ」は、果実の形が三味線のバチに似るので、三味線の音をとった。
葉:根生葉は束生、茎葉は互生
花:総状花序、白色
花期:2~6月
果実:蒴果、ハート型(軍配型)で、2室に割れて種子を出す
習性:越年草
備考:
春の七草の一つ。七草がゆに入れる。
<同花受粉>
咲いてから時間がたつと、長い4本の雄しべは雌しべの柱頭にゆっくりと近づき、自らの花粉をなすりつける。積極的に同花受粉(同一の花の中で受粉すること(自家受粉の一型))を行い確実に実を結ぶ。近親交配の弊害があるが、一年草のナズナの場合、以下のような事情と想定される。
・子の質より子の確保が先決
・ハナアブという虫への信頼性の低さ -
ドクダミ Houttuynia cordata
ドクダミ科ドクダミ属
漢字:蕺草
別名:ジュウヤク(十薬)
名前の由来:
「毒矯め(どくため)」が転訛した説あり。矯めは「直す、改める」意味。
「ジュウヤク(十薬)」は、10種類の薬効があるという意味。
葉:互生
花:無花被花(白い花冠のように見えるのは総苞片(つぼみのとき花全体を包んでいたもの))
花期:6~7月
果実:蒴果
習性:多年草
備考:
全体に特有の臭気あり。細菌やカビの増殖を抑える働きあり。
地下茎や葉は民間薬に用いる。
日本の本種は3倍体で、無融合生殖(単位生殖)で受粉せずに結実する(花は意味なし)。
無融合生殖は、セイヨウタンポポの備考参照。無融合生殖に加え、地下茎を伸ばして広がるので繁殖力が高い。
<総苞片の大きさが違う理由>
総苞片は外側の一番大きなものから順番に開き始める。最も外側から蕾を包んでいる総苞片は、包む面積が大きいので最大サイズになる。逆に、四番目に開く最も内側の総苞片は、包む面積が最小なので最小の総苞片になる。 -
ツルリンドウ Tripterospermum trinervium
リンドウ科ツルリンドウ属
漢字:蔓竜胆
名前の由来:
「リンドウ」に似て蔓性。
「リンドウ(竜胆)」は、エゾリンドウの名前の由来参照。
葉:対生、裏面は紫色を帯びる
花:淡紫色
花期:8~10月
果実:液果、紅紫色
習性:蔓性多年草