【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 草本

  • ツルアリドオシ Mitchella undulata

    アカネ科ツルアリドオシ属
    漢字:蔓蟻通し
    名前の由来:「アリドオシ」に似て蔓性。
    葉:対生
    花:白色
    花期:6~7月
    果実:液果、赤色
    習性:常緑蔓性多年草
    備考:
    茎は地上をはい、節から根を出す。
    1対で咲く2つの花の基部にある子房が合着しており、結実すると、1つの果実ができ、表面には左右2個の花の萼痕がある。
    <異型花柱性>
    「長花柱短雄しべ」と「短花柱長雄しべ」がある「異型花柱性(2型花)」で、自家受粉を回避する。

    ツルアリドオシ
    20240930_大室山ブナ林
    ツルアリドオシ
    20240930_大室山ブナ林
  • ツリフネソウ Impatiens textorii

    ツリフネソウ科ツリフネソウ属
    漢字:釣舟草
    名前の由来:
    花柄の先につるされた花の形を「帆掛け船」に見立てた説、
    細い柄の先にぶら下がるようにして咲く花が茶席で使う花器の「釣り船」似ている説あり。
    葉:互生
    花:紅紫色
    花期:7~9月
    果実:蒴果
    習性:1年草
    備考:
    有毒植物。
    山麓の水辺や湿地に生える。
    蒴果は熟すと少しの刺激ではじけて種子を飛ばす。
    <雄性先熟>
    花の後ろに伸びた管のような距があり、ここに蜜が溜まっている。マルハナバチがもぐり込むことにより、上部の雄しべの花粉がハチの背中に付着する。雄しべが擦り減り花粉がなくなると雌しべが出てくる。
    <閉鎖花>
    「閉鎖花」をつける。特にキツリフネ

    ツリフネソウ
    20240911_箱根湿生花園
    ツリフネソウ
    20240911_箱根湿生花園
    ツリフネソウ
    20240911_箱根湿生花園
  • ツリガネニンジン Adenophora triphylla var. japonica

    キキョウ科ツリガネニンジン属
    漢字:釣鐘人参
    名前の由来:花の形が釣鐘に似ていて、根が朝鮮人参のように太い。
    葉:輪生
    花:鐘状花、白または淡紫色
    花期:7~11月
    習性:多年草
    備考:春の若芽は「ととき」と呼ばれる山菜。

    ツリガネニンジン
    20231016_県立森林公園
    ツリガネニンジン
    20231016_県立森林公園
    ツリガネニンジン
    20240918_箱根湿生花園
    ツリガネニンジン
    20240918_箱根湿生花園
    ツリガネニンジン
    20240918_箱根湿生花園
  • ツユクサ Commelina communis

    ツユクサ科ツユクサ属
    漢字:露草
    別名:ボウシバナ(帽子花)
    名前の由来:
    朝露が残るうちにだけ咲く説、
    露を帯びて咲く説など諸説あり。
    葉:互生
    花:総序花序、青色
    花期:6~9月
    果実:蒴果
    習性:1年草
    備考:
    <飾り雄しべ>
    青色の反対色で目立つ3本の黄色の「飾り雄しべ」を用意し、たんまり花粉があると見せかけて虫を誘う。飾り雄しべには花粉はない。騙された虫が中間の1本と2本の長い雄しべの花粉に触れて花粉を運ぶ。花は数時間で咲き終わり、受粉できなかったときは「同花受粉」する。
    <同花受粉>
    花は、しぼみながら長い雄しべと雌しべを巻き上げ、絡み合わせて自ら受粉する。確実に実を結ぶことができるが、極端な近親交配となり、変異の幅を狭めると同時に、遺伝的に劣った弱い子孫が生まれる危険をはらむ。冬は枯れる1年草のツユクサとしては、子孫を絶やさないようにするため。
    <朝露について>
    夜間に気温が下がり、空中の水蒸気が冷えてできる結露。
    植物の葉は、昼の間は裏面の気孔から根が吸い上げた水分を蒸散させている(そうすることで、水を葉の隅々までいきわたらせる)。夜になると気孔が閉じて蒸散作用は弱まるが、根は水を吸い上げるため、葉の内部に水が溜まる。この余分な水は葉脈の末端にある水孔から外に押し出され、水滴となって滴り落ちる。

    ツユクサ
    20240809_県立美術館
    ツユクサ
    20240809_県立美術館
    ツユクサ
    20241015_遊木の森
    ツユクサ
    20241015_遊木の森
    ツユクサ
    20241015_遊木の森
  • ツチアケビ Galeola septentrionalis

    ラン科ツチアケビ属
    漢字:土木通
    別名:ヤマノカミノシャクジョウ(山の神の錫杖)
    名前の由来:
    全体が土の色に似ており、果実の色や形がアケビに似ている(果実が裂開することはない)。
    「ヤマノカミノシャクジョウ(山の神の錫杖)」は、果実のついた状態が修験僧の持つ錫杖に似ている。
    葉:
    花:総状花序、淡黄色
    花期:6~7月
    果実:紅色
    習性:多年草
    備考:
    光合成をしないため、葉緑素をもたない。
    菌類に寄生して栄養を奪うため、「菌従属栄養植物」と呼ばれる。
    ツチアケビの場合、ナラタケ(腐生菌)が獲得した栄養分を奪う。
    果実を乾燥させたものは生薬の「土通草(どつうそう)」と呼び、強壮・強精剤に用いる。

    ツチアケビ
    20240918_箱根湿生花園
    ツチアケビ
    20240918_箱根湿生花園
  • チゴユリ Disporum smilacinum

    イヌサフラン科チゴユリ属
    漢字:稚児百合
    名前の由来:
    「チゴ(稚児)」は、可憐な小型の花を稚児に見立てた。
    「ユリ(百合)」は、ササユリの名前の由来参照。
    葉:互生
    花:白色
    花期:4~6月
    果実:液果、黒色
    習性:多年草

    チゴユリ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    チゴユリ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    チゴユリ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
  • チカラシバ Pennisetum alopecuroides

    イネ科チカラシバ属
    漢字:力芝
    別名:ミチシバ(道芝)
    名前の由来:
    土にしっかりと根をはり、容易に引き抜けない。
    「ミチシバ(道芝)」は、道ばたに多い。
    葉:
    花:黒紫色
    花期:8~11月
    習性:多年草

    チカラシバ
    20241015_遊木の森
    チカラシバ
    20241015_遊木の森
  • タンキリマメ Rhynchosia volubilis

    マメ科タンキリマメ属
    漢字:痰切豆
    名前の由来:種子を食べると痰をとめるとされる。
    葉:互生、3出複葉
    花:総状花序、蝶形花、淡黄色
    花期:7~9月
    果実:豆果、赤色、種子2個は黒色
    習性:蔓性多年草
    備考:葉の両面、特に葉裏に黄褐色の短い軟毛を密生し、特に葉脈上に多い。

    タンキリマメ
    20241028_県立美術館
    タンキリマメ
    20241028_県立美術館
    タンキリマメ
    20241028_県立美術館
  • タムラソウ Serratula coronata ssp. insularis

    キク科タムラソウ属
    漢字:田村草
    名前の由来:不明
    葉:互生、とげなし
    花:筒状花の集まった頭状花序、紅紫色
    花期:8~10月
    果実:瘦果、無毛で花床に斜めにつき冠毛は羽毛状にならず花柱の分枝は互いに離れて反曲する
    習性:多年草

    タムラソウ
    20240911_箱根湿生花園
    タムラソウ
    20240911_箱根湿生花園
  • タチツボスミレ Viola grypoceras

    スミレ科スミレ属
    漢字:立坪菫
    名前の由来:
    「タチツボ(立坪)」は、花のあと茎がのびて立ち、庭(坪)に生える。
    「スミレ(菫)」は、横から見た花の形が、大工道具の墨入れに似ていて、墨入れが転訛した説(墨入れを横から見ると、少し膨らんでいる墨壷部分の形が、スミレの花を横から見た時の距の形に似ている)、
    食用に「摘まれる」を語源とする説、
    花を染料にした「染みれ」を語源とする説、
    「つみれ」のような形で食用になった説など諸説あり。
    葉:根生葉は束生、地上茎は互生
    花:淡紫色(変異が多い)
    花期:4~5月
    果実:蒴果、熟すと3裂して種子を弾き飛ばす
    習性:多年草
    備考:
    托葉はクシの歯状に深裂する。
    <交配方法(ハナバチ類をターゲット)>
    距にたまった蜜を吸おうとハナバチ類が潜り込んで体に花粉がつき、吸蜜に向かった他の花で交配する。植物の交配は、ハナバチ類のような一定の植物に訪花する定花性の昆虫でないと役に立たない。スミレの距の長さ(8mm程)とハナバチの口の長さ(10mm程)が適寸で合致している同士。
    <閉鎖花>
    スミレは、3月中旬から5月中旬の春に花を咲かせ、ハナバチなどの昆虫に花粉を運んで他家受粉するが、夏や秋は、花を咲かせない閉鎖花による自家受粉を行う。花弁を作らないので省エネになり、少ない日光でも、秋まで種子を作り続けることができる。
    <アリ散布>
    ハコベの備考参照。

    タチツボスミレ
    20250420_遊木の森
    タチツボスミレ
    20250420_遊木の森
    タチツボスミレ
    20250420_遊木の森
    タチツボスミレ
    20250420_遊木の森