【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 木本

  • ハコネウツギ Weigela coraeensis

    スイカズラ科タニウツギ属
    漢字:箱根空木
    名前の由来:箱根に生え、枝が空洞であることかららしいが、箱根の山中には生えておらず(低地には生えている)、枝の髄は白く充実している。
    樹形:落葉低木
    葉:対生
    花:両性花、白色→紅色
    花期:5~6月
    果実:蒴果
    果期:11月頃
    備考:
    日本固有種。
    花は白から、(アントシアニンが合成されて)赤に変わる。
    花色の変化は、虫に花の熟度を知らせるサインになる。
    白(フラボン色素)は紫外線を吸収し、紫外色を見ることができるハチの目には目立つ色。ハチは花の色(白/赤)を学習して効率的に蜜を吸い、花はハチに未受粉の花を集中的に巡回させる相利関係が成立している。
    <ニシキウツギとの違い>

    花冠葉裏の主脈
    ハコネウツギ花筒下部で急に角ばり細くなるほとんど無毛
    ニシキウツギ花筒下部で徐々に細くなる白い伏毛が密生
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
    ハコネウツギ
    20240512_高山・市民の森
  • ハクモクレン Magnolia heptapeta

    モクレン科モクレン属
    漢字:白木蘭/白木蓮
    名前の由来:
    「ハク(白)」は、花の色が白い。
    「モクレン(木蓮)」は、花が蓮(ハス)に似ている木説、
    漢名「木蘭」が転訛した説あり。
    樹形:落葉高木
    葉:互生、葉先が短く尖る
    花:両性花、同花被花(花冠と萼が同形で区別できない)、白色、強い香りあり
    花期:3~4月
    果実:袋果が集まった集合果、種子は赤色
    果期:10月
    備考:
    中国原産。
    中国で改良された園芸品種で、山には生えていない。ほとんど実がならない。コブシの苗木に枝を接ぎ木して増やされる。
    <モクレン科の花>
    コブシの備考参照。

    ハクモクレン
    20211018_城北公園
    ハクモクレン
    20220801_県立美術館
    ハクモクレン
    20220801_県立美術館
    ハクモクレン
    20220801_県立美術館
    ハクモクレン
    20240310_その他
    ハクモクレン
    20240310_その他
    ハクモクレン
    20240809_県立美術館
  • ハクウンボク Styrax obassia

    エゴノキ科エゴノキ属
    漢字:白雲木
    名前の由来:白い花が群がって咲く様子を白雲に見立てた。
    樹形:落葉高木
    葉:互生
    花:両性花、総状花序、白色
    花期:5~6月
    果実:蒴果、種子は褐色
    果期:9月頃
    備考:
    2年枝は表皮が縦に短冊状に割れて剥がれ落ちる。
    冬芽は葉柄の中にあり落葉するまで見えない(葉柄内芽)。副芽が縦に並ぶ。

    ハクウンボク
    20231031_山梨・健康の森
    ハクウンボク
    20231031_山梨・健康の森
    ハクウンボク
    20231031_山梨・健康の森
    ハクウンボク
    20231031_山梨・健康の森
    ハクウンボク
    20240911_箱根湿生花園
    ハクウンボク
    20240911_箱根湿生花園
  • ハウチワカエデ Acer japonicum

    ムクロジ科カエデ属
    漢字:羽団扇楓
    別名:メイゲツカエデ(名月楓)
    名前の由来:
    「ハウチワ(羽団扇)」は、葉の形が天狗の羽団扇(はうちわ)に似る。
    「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
    「メイゲツ(名月)」は、オオイタヤメイゲツの名前の由来参照。
    樹形:落葉高木
    葉:対生
    花:雌雄同株(ひとつの花序に雄花と両性花が混じる)、複散房花序、紅紫色
    花期:4~5月
    果実:翼果
    果期:7~9月
    備考:
    日本固有種。
    オオイタヤメイゲツとの葉柄の違い>
    オオイタヤメイゲツの備考参照。
    他、葉の裂片の幅がやや広く、切れ込みも浅い違いあり。

    ハウチワカエデ
    20221012_しらびそ高原
    ハウチワカエデ
    20221012_しらびそ高原
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ハウチワカエデ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
  • ノリウツギ Hydrangea paniculata

    アジサイ科アジサイ属
    漢字:糊空木
    名前の由来:
    「ノリ(糊)」は、樹皮の内皮に粘液があって、伐った枝を水に浸けると靭皮から糊状の粘液が出る。糊料は、和紙をすく過程で用いた。
    「ウツギ(空木)」は、枝の中が空洞の意味だが、枝の髄は白く充実している。
    樹形:落葉低木~小高木
    葉:対生
    花:両性花、円錐花序、白色、装飾花は種子が熟すと淡緑色→淡紅色
    花期:7~8月
    果実:蒴果、花柱が残る、種子は赤褐色
    果期:9~11月
    備考:
    葉柄は赤みを帯びる。
    花序は枯れても、翌年まで枝先に付いている。
    材は白くて堅く、傘の柄や杖、輪カンジキ、楊枝などに用いた。根本付近の材で煙管(キセル)「サビタパイプ」が作られた。

    ノリウツギ
    20221012_しらびそ高原
    ノリウツギ
    20221012_しらびそ高原
    ノリウツギ
    20221012_しらびそ高原
    ノリウツギ
    20221012_しらびそ高原
    ノリウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ノリウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ノリウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ノリウツギ
    20230619_富士山こどもの国
    ノリウツギ
    20230702_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20230702_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20230902_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20230902_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20240614_高山・市民の森
    ノリウツギ
    20240614_高山・市民の森
  • ノブドウ Ampelopsis brevipedunculata

    ブドウ科ノブドウ属
    漢字:野葡萄
    名前の由来:野に生える「ブドウ」。
    樹形:蔓性落葉低木
    葉:互生
    花:両性花、集散花序、緑色、葉に対生
    花期:7~8月
    果実:液果、白色/水色/赤色/紫色/瑠璃色
    果期:9~11月
    備考:
    葉の形に変異が多い。
    巻髭は花序のつかない節で葉に対生し、2又に分かれる。
    果実は、ブドウタマバエやブドウトガリバチの幼虫が寄生して虫えいを作ることが多く、色が鮮やかになり肥大化する。また、まずくて食べられない。
    茎や葉は「蛇葡萄(じゃほとう)」、根は「蛇葡萄根(じゃほとうこん)」の生薬名で呼ばれ、関節痛などに煎じて飲用する。または、若い茎葉をすり潰して、小麦粉と酢を混ぜたものを関節痛の患部に塗布する。
    <ブドウ属>
    ヤマブドウの備考参照。
    <ブドウ属の花序の違い>
    エビヅル、サンカクヅル、ヤマブドウ:円錐花序
    ノブドウ:集散花序
    (参考)
    総状花序:花序軸は長く伸び、ほぼ均等に花柄がつき、花柄の先に花がつく。
    円錐花序:総状花序の花に当たるところに総状花序がつく。
    集散花序:花序軸の先端に花がつき、その下からは花柄が出て先に花がつく。花は上から下に向かって開花していく。

    ノブドウ
    20240911_箱根湿生花園
    ノブドウ
    20240911_箱根湿生花園
    ノブドウ
    20240911_箱根湿生花園
  • ノイバラ Rosa multiflora

    バラ科バラ属
    漢字:野茨
    名前の由来:トゲのことを「茨」といい、茎にトゲを持ち野に生える。
    樹形:落葉低木
    葉:互生、奇数羽状複葉
    花:両性花、円錐花序、白色、芳香あり
    花期:5~6月
    果実:バラ状果(集合果)、赤色
    果期:9~11月
    備考:
    枝にかぎ状に湾曲した鋭いトゲが対生する。
    托葉は葉柄の基部に合着し、羽状で、先端は細かく分かれ腺となっている。
    赤い果実は、冬に落葉しても残って越冬する。ローズヒップと呼ばれ、食べられる。
    果実を青みがかかったうちに採取して乾燥させたものを生薬の「営実(えいじつ)」と呼び、下剤、利尿薬に用いた。
    (参考)
    子房が肥大した「真果」に対して、子房以外の萼や花床(花托)などが肥大した果実を「偽果」という。バラ属、リンゴ属、ナシ属は発達した花床(花托)が肥大して偽果を形づくっている。

    ノイバラ
    20230724_八島湿原
    ノイバラ
    20230724_八島湿原
    ノイバラ
    20230724_八島湿原
    ノイバラ
    20231115_遊木の森
    ノイバラ
    20231115_遊木の森
    ノイバラ
    20231115_遊木の森
  • ネムノキ Albizia julibrissin

    マメ科ネムノキ属
    漢字:合歓木
    名前の由来:
    暗くなると小葉群が葉をたたんで垂れ下がり、眠るように見える就眠運動(備考参照)をする。
    「合歓木」は、「歓びが合わさるのでめでたい木」という中国名「合歓(ごうかん)」に由来。
    樹形:落葉高木
    葉:互生、2回偶数羽状複葉
    花:両性花、頭状花序、淡紅色
    花期:6~7月
    果実:豆果、褐色
    果期:10~12月
    備考:
    10本の雄しべは、花糸が3cm以上の長さがあり、上半分が淡紅色で目立つ。
    小葉の葉脈の位置が真ん中でなく偏っている。
    花は暗くなると咲いて夜行性の蛾を集め、翌日にしぼむ。
    冬芽は「隠芽(いんが)」で、葉痕に隠れていて見えない。
    生薬で樹皮を乾燥させたものを「合歓皮(ごうかんひ)」、花と蕾を「合歓花(ごうかんか)」と呼び、強壮、鎮痛、利尿、駆虫薬、打撲、捻挫などに用いる。
    若芽は茹でて食用にされた。
    材は加工が容易なため、器具材や桶、屋根板に用いた。
    地震を予知する働きがあるといわれる。根の先端の生長点が地震の前に起こる地層の歪みによって発生する電流を感じて、ネムノキの生体電位が変化する。
    <就眠運動>
    1日の中で葉が開閉したり、上下に動いたりすること。
    葉のつけ根にある小葉沈が蝶番(ちょうつがい)の役割をするためで、昼間は水分をたくさん含んで葉が広がり、夜には水分が欠乏して葉が閉じるという細胞の膨圧変化による。
    <雄性先熟>
    最初に雄しべが立つ、雌しべは垂れた状態、その後、雌しべが立ち上がり、雄しべが垂れ下がってくる。自家受粉を避ける仕組み。

    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
    ネムノキ
    20230705_遊木の森
  • ネズミモチ Ligustrum japonicum

    モクセイ科イボタノキ属
    漢字:鼠黐
    名前の由来:黒紫色に熟した果実がネズミの糞に似ていることと、葉がモチノキに似ている。
    樹形:常緑小高木
    葉:対生
    花:両性花、円錐花序、白色
    花期:6月
    果実:液果状の核果、黒紫色
    果期:10~12月
    備考:
    トウネズミモチとの違い>

    葉を日に透かした場合の羽状脈(葉の厚み)葉身の長さ葉の先端葉の最大幅の位置花序の大きさ
    ネズミモチ透けて見えない
    (厚い)
    4~8cm中央10cm前後
    トウネズミモチ透けて見える
    (薄い)
    6~12cmやや長鋭尖する基部より20cm前後
    ネズミモチ
    20211018_城北公園
    ネズミモチ
    20211018_城北公園
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20240531_その他
    ネズミモチ
    20240531_その他
    ネズミモチ
    20240809_県立美術館
    ネズミモチ
    20240809_県立美術館
  • ネズミサシ Juniperus rigida

    ヒノキ科ビャクシン属
    漢字:鼠刺
    別名:ネズ
    名前の由来:ネズミの穴にこの葉を詰めておくと痛いのでネズミの害を防ぐ。
    樹形:常緑小高木
    花:雌雄異株
    花期:4月頃
    種子:球果、液果状で緑色→黒紫色で表面に白い蝋質あり
    種期:翌年または翌々年の10月頃
    備考:
    鋭く尖った硬質の葉はさわると痛い。
    球果を乾燥させたものは生薬の「杜松子(としょうし)/杜松実(としょうじつ)」と呼び、利尿、尿道炎、リュウマチ、神経痛などに用いる。

    ネズミサシ
    20231016_県立森林公園
    ネズミサシ
    20231016_県立森林公園
    ネズミサシ
    20231016_県立森林公園