バラ科バラ属
漢字:浜梨
別名:ハマナシ
名前の由来:果実をナシにたとえた「浜梨」が転訛(東北訛り)した説あり。
樹形:落葉低木
葉:互生、奇数羽状複葉
花:両性花、紅色または紅紫色(まれに白色)、強い芳香あり
花期:6~8月
果実:バラ状果(集合果)、赤色、先端に萼片が残る
果期:8~9月
備考:
本州の太平洋側で茨城県、日本海側で島根県から北の海岸地帯に自生する。
枝には毛が多く、太く大きいとげと細く小さなとげが密生する。
地下に伸びる匍匐枝によって繁殖する。
花は香水の原料になる。
根の皮は染料になる。
果実はビタミンCが多く食べられる。
カテゴリー: 木本
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ハナイカダ Helwingia japonica
ハナイカダ科ハナイカダ属
漢字:花筏
名前の由来:葉を筏、その上に乗る花や実を船頭に見立てた。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:雌雄異株、淡緑色
花期:4~6月
果実:核果、紫黒色
果期:8~10月
備考:
葉腋から出た花柄が葉の主脈と合着している。
新芽(若葉)は軟らかく、菜飯(なめし)や汁の実、おひたし、炒め物、天ぷら、炊き込みご飯にする。
葉や果実は民間薬として下痢止めに、根は咳止めに用いた。
熟した果実は甘くて食べれるようだが、渋くてまずい記述もあり。 -
バッコヤナギ Salix bakko
ヤナギ科ヤナギ属
漢字:跋扈柳
別名:ヤマネコヤナギ(山猫柳)
名前の由来:
「バッコ」は、「婆っこ(お婆さん)」のことで、灰白色の雌花序を老女の白髪に見立てた説など諸説あり。
「ヤナギ(柳)」は、アカメヤナギの名前の由来参照。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄異株、穂状花序、無花被花(萼と花冠なし)
花期:3~5月
果実:蒴果、柄があり開出した短い毛が密生し先は尖り柱頭が4つに分かれる
果期:5月
備考:
日本固有種。
枝を剥皮すると、縦長に隆起した筋が多数あり。
葉裏面は白綿毛を密生。 -
ハゼノキ Rhus succedanea
ウルシ科ウルシ属
漢字:櫨/黄櫨
名前の由来:
「埴締(ハニシメ):蝋を採ること」の略→ハニシ→ハジ→ハゼ。と転訛した説、
紅葉の色が、埴土(ハニツチ:埴輪を作る粘土)の色に似ている。ハニシ(埴師:埴輪をつくる工人)→ハジ→ハゼ。と転訛した説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生、奇数羽状複葉
花:雌雄異株、円錐花序、黄緑色
花期:5~6月
果実:核果、淡褐色
果期:9~10月
備考:
中国原産。
樹液に触れるとかぶれることがある。
果実の中果皮にあるロウ(脂肪分)を木蝋として採取し、和蝋燭の原料にした他、整髪料・口紅などの化粧品やクレヨン・色鉛筆などに用いた。
材は寄木(よせぎ)、木像嵌(もくぞうがん)などに用いる。
<ヤマウルシやヤマハゼとの違い>
ヤマウルシやヤマハゼは、葉に毛があるが、ハゼノキの葉は無毛。
葉の先端は長く尖る。ヤマウルシの備考参照。 -
ハコネウツギ Weigela coraeensis
スイカズラ科タニウツギ属
漢字:箱根空木
名前の由来:箱根に生え、枝が空洞であることかららしいが、箱根の山中には生えておらず(低地には生えている)、枝の髄は白く充実している。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、白色→紅色
花期:5~6月
果実:蒴果
果期:11月頃
備考:
日本固有種。
花は白から、(アントシアニンが合成されて)赤に変わる。
花色の変化は、虫に花の熟度を知らせるサインになる。
白(フラボン色素)は紫外線を吸収し、紫外色を見ることができるハチの目には目立つ色。ハチは花の色(白/赤)を学習して効率的に蜜を吸い、花はハチに未受粉の花を集中的に巡回させる相利関係が成立している。
<ニシキウツギとの違い>花冠 葉裏の主脈 ハコネウツギ 花筒下部で急に角ばり細くなる ほとんど無毛 ニシキウツギ 花筒下部で徐々に細くなる 白い伏毛が密生 -
ハクモクレン Magnolia heptapeta
モクレン科モクレン属
漢字:白木蘭/白木蓮
名前の由来:
「ハク(白)」は、花の色が白い。
「モクレン(木蓮)」は、花が蓮(ハス)に似ている木説、
漢名「木蘭」が転訛した説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生、葉先が短く尖る
花:両性花、同花被花(花冠と萼が同形で区別できない)、白色、強い香りあり
花期:3~4月
果実:袋果が集まった集合果、種子は赤色
果期:10月
備考:
中国原産。
中国で改良された園芸品種で、山には生えていない。ほとんど実がならない。コブシの苗木に枝を接ぎ木して増やされる。
<モクレン科の花>
コブシの備考参照。 -
ハウチワカエデ Acer japonicum
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ノリウツギ Hydrangea paniculata
アジサイ科アジサイ属
漢字:糊空木
名前の由来:
「ノリ(糊)」は、樹皮の内皮に粘液があって、伐った枝を水に浸けると靭皮から糊状の粘液が出る。糊料は、和紙をすく過程で用いた。
「ウツギ(空木)」は、枝の中が空洞の意味だが、枝の髄は白く充実している。
樹形:落葉低木~小高木
葉:対生
花:両性花、円錐花序、白色、装飾花は種子が熟すと淡緑色→淡紅色
花期:7~8月
果実:蒴果、花柱が残る、種子は赤褐色
果期:9~11月
備考:
葉柄は赤みを帯びる。
花序は枯れても、翌年まで枝先に付いている。
材は白くて堅く、傘の柄や杖、輪カンジキ、楊枝などに用いた。根本付近の材で煙管(キセル)「サビタパイプ」が作られた。