トベラ科トベラ属
漢字:扉
名前の由来:扉の木から転訛(扉については備考の”焼嗅がし”参照)。
樹形:常緑低木
葉:互生、全縁、枝先に輪生状につく、ヘラのような形、革質、主脈が明色で目立つ、備考の<海岸植物>参照
花:雌雄異株、集散花序、白色→淡黄色、芳香あり、虫媒花
花期:4~6月
果実:蒴果、球形(径1~1.5cm)、灰褐色、熟すと3裂し赤い粘りのある種子を出す、動物(主に鳥)散布
果期:10~12月
備考:[2-4201][1016][2-88P][760P][下323][5-102P]
葉を揉んだり、枝を折ると青臭い独特のにおいあり。燃やすと臭気が強くなる。
赤い果実は果肉がない種子。鳥はだまされて飲み込む。粘りがあるのは、嘴について散布されることを想定している?
<海岸植物>
潮風に強く、植え込みや生け垣などに利用される。
クチクラ層を発達させ、水分の蒸発を防いだり、強い日光を跳ね返すとともに、塩分や砂を付着しにくくしている。
海岸の環境で風がきても、葉裏の気孔からの蒸散を防ぐために、葉の縁が葉裏を隠すように丸まっている。
<焼嗅(やいか)がし(柊鰯(ひいらぎいわし))>
ヒイラギの備考参照。
カテゴリー: 木本
-
トベラ Pittosporum tobira
-
トチノキ Aesculus turbinata
ムクロジ科トチノキ属
漢字:栃/橡の木
名前の由来:
アイヌの人々が実を「トチ」、幹を「トチニ」と呼んだことに由来する説、
トは「十」、チは「千」を表わし、果実がたくさんなる説あり。
樹形:落葉高木
葉:対生、掌状複葉、小葉は5~9個、中央が最も大きい、鈍重鋸歯、先が急に尖る、小葉柄なし
花:雌雄同株(ひとつの花序に雄花(上部)と両性花(下部)が混じる)、円錐花序、白色、虫媒花
花期:5~6月
果実:蒴果、倒卵状球形(径3~5cm)、いぼ状の突起あり、熟すと3裂し、光沢のある褐色の種子を1,2個出す、重力散布または動物(貯食)散布
果期:9~10月
備考:[2-2358][1604][2-394P][502P][下225][1-52P, 55P]
日本固有種。
花は円錐花序の下から咲きあがり、白い花びらには黄色い蜜標(ガイドマーク)があり、花粉や蜜がなくなると赤色に変わる。送粉者のマルハナバチの仲間は、蜜標の黄色と赤色を識別している。
寒さと乾燥や虫から保護するため、冬芽の頂芽は、冬の間、樹液が浸み出して樹脂状になり粘る。
種子は最大クラス、そのままではシブくて食べられないが、アク抜きしてもち米と一緒について「栃餅」にする。
花は蜜蜂の重要な蜜源の一つ。
材は堅く模様(杢:もく)が美しいため、家具類やお盆、椀、建築材などに用いる。
大きな葉は光合成の能力が高く、成長を速くする。ただし、水分の蒸散も激しく、根からの供給が追いつかなければ水不足になる。分布が沢沿いに多いのはこのため。 -
トサミズキ Corylopsis spicata
マンサク科トサミズキ属
漢字:土佐水木
名前の由来:
「トサ(土佐)」は、土佐(高知県)に生える。
「ミズキ(水木)」は、葉がミズキに似ている説あり。
樹形:落葉低木
葉:互生、波状鋸歯、左右不相称、平行に並んだ側脈(7~8対)が目立つ
花:両性花、穂状花序、雌性先熟、淡黄色、虫媒花
花期:3~4月
果実:蒴果、球形(径8~10mm)、先端に2個の花柱が残る、熟すと2裂して黒色の種子を2個出す、自発散布(アリ散布もあり)
果期:9~10月
備考:[1-1342][896][2-22P][176P][上88]
<ヒュウガミズキとの違い>葉の大きさ 穂状花序の花の数 トサミズキ 長さ: 5~11cm
幅 :3~8cm7~10個 ヒュウガミズキ 長さ: 3~5cm
幅 : 2~4cm1~3個 -
ドクウツギ Coriaria japonica
ドクウツギ科ドクウツギ属
漢字:毒空木
別名:イチロベエゴロシ(一郎(市郎)兵衛殺し)
名前の由来:「ウツギ(アジサイ科)」に似て有毒。
樹形:落葉低木
葉:対生(羽状複葉に見えるが単葉)
花:雌雄同株(同じ葉腋から短い雄花序と長い雌花序がでる)、総状花序、黄緑色
花期:4~5月
果実:5個の分果からなる瘦果、花弁に包まれる、紅色→黒紫色
果期:8~9月
備考:
日本固有種。
全体に毒があり、生葉24gが致死量とされる猛毒植物。トリカブト(キンポウゲ科)、ドクゼリ(セリ科)とともに3大毒草とされる。
根に根粒菌が共生し、空中窒素を固定して養分にしている。 -
トウヒ Picea jezoensis
マツ科トウヒ属
漢字:唐檜
名前の由来:漢字「唐檜」は、見た目が唐の国(中国)の木のようであり、材がヒノキの代用になる。
樹形:常緑高木
花:雌雄同株
花期:5~6月
種子:球果
種期:秋
備考:
日本固有種。
亜高山帯で、シラビソ、オオシラビソ、コメツガなどと混生。
エゾマツ(北海道のみに生える)の変種。
葉の裏面に2本の気孔帯があり、内側に曲がり気孔帯に日があたらないようにしている。
葉の断面は扁平。
葉の先端は尖り、老木では鈍頭になる。
トウヒ属は、葉の付け根の葉枕が隆起している。
トウヒ属の球果は、下垂し種子だけ飛び散る、種鱗は脱落せずに球果は丸ごと落ちる。
カサアブラムシが虫えいを作る。
材は音響効果がよく、バイオリンの甲板やピアノの響盤に用いる。 -
トウネズミモチ Ligustrum lucidum
モクセイ科イボタノキ属
漢字:唐鼠黐
名前の由来:
「トウ(唐)」は、中国原産。
「ネズミモチ(鼠黐)」は、ネズミモチの名前の由来参照。
樹形:常緑高木
葉:対生、全縁、表面に光沢あり、日にかざすと側脈が透けて見える(ネズミモチは見えない)
花:両性花、円錐花序、白色、虫媒花
花期:6~7月
果実:液果状の核果、楕円形(長さ8~10mm、径5~6mm)、黒紫色、白い粉をかぶる、種子はしわあり、動物(主に鳥)散布
果期:10~12月
備考:[2-3361][2299][3-284P][691P][下300]
成長が早く、鳥による種子散布で増え、要注意外来生物に指定されている。
<ネズミモチとの違い>
ネズミモチの備考参照。 -
ドウダンツツジ Enkianthus perulatus
ツツジ科ドウダンツツジ属
漢字:灯台躑躅/満天星躑躅
名前の由来:
「ドウダン(灯台)」は、花の枝分かれの様子が昔の灯火を支えた結び灯台(3本の棒を結び、上に油皿を置いて灯火をともす道具)の形に似ている。
「ツツジ(躑躅)」は、ヤマツツジの名前の由来参照。
樹形:落葉低木
葉:互生、枝先に集まる
花:両性花、下垂する散形花序、白色
花期:4~5月
果実:蒴果
果期:8~10月
備考:果穂は下垂するが、果実は上を向く。 -
トウカエデ Acer buergerianum
ムクロジ科カエデ属
漢字:唐楓
名前の由来:
「トウ(唐)」は、中国(唐)原産。
「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
樹形:落葉高木
葉:対生
花:雌雄同株(ひとつの花序に雄花と両性花が混じる)、散房花序、淡黄色
花期:4~5月
果実:翼果、翼は幅が広くあまり開かない
果期:7~9月
備考:
剪定や大気汚染に強く、紅葉が美しいため街路樹に用いる。
幼木の葉には葉縁に細かい鋸歯があるが、成木ではなくなる。
























































































