モクレン科モクレン属
漢字:
別名:カムシバ(噛柴)、ニオイコブシ(匂辛夷)
名前の由来:
葉を噛むとグリーンガムのような香りと少し甘い味がするので、カムシバ(噛む柴)から転訛した説が有力、
他、花が咲くのを田んぼの準備の目安とした「田の柴」説、
葉にタムシのような斑点ができる「田虫の葉」説あり。
「ニオイコブシ(匂辛夷)」は、枝に含まれた精油成分が香りを発する。
樹形:落葉高木
葉:互生、裏は白色を帯びる
花:両性花、白色、芳香あり
花期:4~5月
果実:袋果が集まった集合果、種子は赤色
果期:10月
備考:コブシの備考参照。
カテゴリー: 木本
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タムシバ Magnolia salicifolia
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タマアジサイ Hydrangea involucrata
アジサイ科アジサイ属
漢字:玉紫陽花
別名:ヤマタバコ(山煙草)
名前の由来:
「タマ(玉)」は、枝の先端の蕾(総苞に包まれた花序)が径2~3cmの球形。
「アジサイ(紫陽花)」は、コアジサイの名前の由来参照。
「ヤマタバコ(山煙草)」は、タバコが品薄だった戦時中に、葉を乾燥させてタバコの葉に混ぜる増量剤として出荷された。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、散房花序、淡紫色、装飾花(萼片4枚)は白色
花期:7~9月
果実:蒴果
果期:9~11月
備考:
葉の両面に硬い毛が密生しザラザラしている。
樹皮は薄く大きくはがれる。 -
タブノキ Machilus thunbergii
クスノキ科タブノキ属
漢字:椨の木
別名:イヌグス(犬樟)
名前の由来:
朝鮮語で丸木舟を「トンバイ」といい、丸木舟を作る木の意味から転化した説あり。
「イヌグス(犬樟)」は、クスノキより材質が劣る。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:両性花、円錐花序、同花被花(花冠と萼が同形で区別できない)、黄緑色
花期:4~6月
果実:液果、黒紫色、果柄は赤みを帯びる(二色効果)、種子は褐色
果期:7~8月
備考:
材はクスノキより少し重硬。芳香はないが、クスノキ同様に用いられる。
卵形で大きい混芽をつける。
樹皮は、粘性があり、線香の粘着剤として用いられた。また、絹織物の黄八丈(きはちじょう)の鳶(とび)色の染料にもなる。20220223_朝鮮岩 -
タニウツギ Weigela hortensis
スイカズラ科タニウツギ属
漢字:谷空木
名前の由来:
「タニ(谷)」は、谷間に多く生える。
「ウツギ(空木)」は、ウツギの名前の由来参照。枝の髄は白く充実している。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、散房花序、淡紅色
花期:5~6月
果実:蒴果
果期:10月頃
備考:葉裏の脈の両側に白い毛が密生する。 -
ダケカンバ Betula ermanii
カバノキ科カバノキ属
漢字:岳樺
名前の由来:
「ダケ(岳)」は、標高の高いところに生える。
「カンバ(樺)」は、シラカンバの名前の由来参照。
樹形:落葉高木(森林限界付近では低木)
葉:互生(長枝)、一対(短枝)
花:雌雄同株
花期:5~6月
果実:堅果が集まった複合果、小堅果は両側に狭い翼あり
果期:9~10月
備考:
カンバ類の剥げる樹皮は、油が多く濡れていても燃えるため、焚き付け材料になる。
1000~3000mの高い山地に生える(シラカンバは500~1000m)。
材は光沢があり堅く、家具、フローリング材、合板などに用いる。
<葉を維持できる期間が短い亜高山帯で生育できる理由>
・葉が薄い→多くの光を吸収することができる。
・葉の窒素濃度が高い→吸収した光を効率的に有機物に変換することができる。
根が細い。細い根は同じ重さなら太い根よりも表面積が多くなるため、窒素などの栄養吸収能力も高くなる。
<シラカンバとの違い>
シラカンバの備考参照。 -
タイサンボク Magnolia grandiflora
モクレン科モクレン属
漢字:大山木/泰山木
名前の由来:大きな花や葉をつけ、大木になる樹形を、泰然とした大きな山になぞらえた説あり。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:両性花、白色
花期:5~6月
果実:袋果が集まった集合果、種子は赤色
果期:9~10月
備考:
北アメリカ原産。
花は強い芳香あり。
モクレン属で白い花が咲くものは、散る頃には花被が黄色になる。
<モクレン科の花>
コブシの備考参照。 -
ソヨゴ Ilex pedunculosa
モチノキ科モチノキ属
漢字:冬青
名前の由来:
葉柄が長く硬い葉が、風が吹くと葉が擦れ合って「ザワザワ」と音をたてる「戦(そよ)ぐ」説が有力、
他、草木染めに用いる「染め木」が転訛した説あり。
樹形:常緑小高木
葉:互生
花:雌雄異株、白色
花期:6~7月
果実:核果、赤色
果期:10~11月
備考:
全縁の葉は波打つ。
雌花の花柄は3~4cmと長い。
枝や葉は多くのタンニンを含むため、草木染めでは褐色~黄色の染料として用いる。
材は緻密で堅く、櫛や器具材、そろばん玉、ギターの象嵌などに用いる。
樹皮は水に晒して臼でつき砕き、水洗してゴム状の鳥もちを採った。 -
センリョウ Sarcandra glabra
センリョウ科センリョウ属
漢字:千両
名前の由来:
冬に赤い実のなるセンリョウとマンリョウ、アリドオシを庭に植え「千両、万両、有り通し」と語呂合わせすると金運に恵まれる縁起物説、
マンリョウの果実はセンリョウより大きく重いため垂れ下がり、センリョウの果実は軽いため上向きにつく説あり。
→ どちらもマンリョウに対比させて、おめでたい植物として縁起を担がせたもの。マンリョウの名前の由来参照。
樹形:常緑低木
葉:対生
花:両性花、穂状花序、無花被花(萼と花冠なし)、黄緑色
花期:6~8月
果実:核果、朱赤色
果期:12~3月
備考:
お正月の縁起物。→マンリョウの備考参照。
無花被花で、花軸に黄緑色で球形の雌しべと、その側面に薄黄緑色で楕円形の雄しべをつける。雄しべの左右に2つの葯があり、葯の膜が破れて花粉が出ると黄色になる。
広葉樹にもかかわらず、根の木部の細胞組織に仮道管がある。
(参考)
針葉樹は仮道管が木質部の9割を占め、木を支える木質繊維と水分などを運ぶパイプの2つの役割を兼ねている。広葉樹は木を支える木質繊維と水分などを運ぶ太いパイプ役の道管という組織に分かれている。
→ 上記2つの理由で、広葉樹の中で最も原始的な種類といえる。
野鳥はセンリョウの実が好きで、早く食べられてなくなるが、マンリョウの実は残っている。 -
センダン Melia azedarach
センダン科センダン属
漢字:栴檀
名前の由来:
楕円形の果実が枝一面につく様子が数珠を重ねたように見える「センダマ(千玉)」説、
無数につく果実を団子に見立てた「千団子」説など諸説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生、2~3回奇数羽状複葉
花:両性花、集散花序、淡紫色
花期:5~6月
果実:核果、黄褐色
果期:10~12月
備考:
材は軽く柔らかで加工しやすく、耐蟻性が強い。家具や下駄などに用いる。
果実は薬としても利用されるが、有毒成分が含まれる。子どもが6~8個の果実を摂取すれば死亡するとの報告あり。
果実を苦楝子(くれんし)、樹皮を苦楝皮(くれんぴ)の生薬名で、鎮痛、解熱、駆虫剤に用いる。