モクレン科モクレン属
漢字:大山木/泰山木
名前の由来:大きな花や葉をつけ、大木になる樹形を、泰然とした大きな山になぞらえた説あり。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:両性花、白色
花期:5~6月
果実:袋果が集まった集合果、種子は赤色
果期:9~10月
備考:
北アメリカ原産。
花は強い芳香あり。
モクレン属で白い花が咲くものは、散る頃には花被が黄色になる。
<モクレン科の花>
コブシの備考参照。
カテゴリー: 木本
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タイサンボク Magnolia grandiflora
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ソヨゴ Ilex pedunculosa
モチノキ科モチノキ属
漢字:冬青
名前の由来:
葉柄が長く硬い葉が、風が吹くと葉が擦れ合って「ザワザワ」と音をたてる「戦(そよ)ぐ」説が有力、
他、草木染めに用いる「染め木」が転訛した説あり。
樹形:常緑小高木
葉:互生
花:雌雄異株、白色
花期:6~7月
果実:核果、赤色
果期:10~11月
備考:
全縁の葉は波打つ。
雌花の花柄は3~4cmと長い。
枝や葉は多くのタンニンを含むため、草木染めでは褐色~黄色の染料として用いる。
材は緻密で堅く、櫛や器具材、そろばん玉、ギターの象嵌などに用いる。
樹皮は水に晒して臼でつき砕き、水洗してゴム状の鳥もちを採った。 -
センリョウ Sarcandra glabra
センリョウ科センリョウ属
漢字:千両
名前の由来:
冬に赤い実のなるセンリョウとマンリョウ、アリドオシを庭に植え「千両、万両、有り通し」と語呂合わせすると金運に恵まれる縁起物説、
マンリョウの果実はセンリョウより大きく重いため垂れ下がり、センリョウの果実は軽いため上向きにつく説あり。
→ どちらもマンリョウに対比させて、おめでたい植物として縁起を担がせたもの。マンリョウの名前の由来参照。
樹形:常緑低木
葉:対生
花:両性花、穂状花序、無花被花(萼と花冠なし)、黄緑色
花期:6~8月
果実:核果、朱赤色
果期:12~3月
備考:
お正月の縁起物。→マンリョウの備考参照。
無花被花で、花軸に黄緑色で球形の雌しべと、その側面に薄黄緑色で楕円形の雄しべをつける。雄しべの左右に2つの葯があり、葯の膜が破れて花粉が出ると黄色になる。
広葉樹にもかかわらず、根の木部の細胞組織に仮道管がある。
(参考)
針葉樹は仮道管が木質部の9割を占め、木を支える木質繊維と水分などを運ぶパイプの2つの役割を兼ねている。広葉樹は木を支える木質繊維と水分などを運ぶ太いパイプ役の道管という組織に分かれている。
→ 上記2つの理由で、広葉樹の中で最も原始的な種類といえる。
野鳥はセンリョウの実が好きで、早く食べられてなくなるが、マンリョウの実は残っている。 -
センダン Melia azedarach
センダン科センダン属
漢字:栴檀
名前の由来:
楕円形の果実が枝一面につく様子が数珠を重ねたように見える「センダマ(千玉)」説、
無数につく果実を団子に見立てた「千団子」説など諸説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生、2~3回奇数羽状複葉
花:両性花、集散花序、淡紫色
花期:5~6月
果実:核果、黄褐色
果期:10~12月
備考:
材は軽く柔らかで加工しやすく、耐蟻性が強い。家具や下駄などに用いる。
果実は薬としても利用されるが、有毒成分が含まれる。子どもが6~8個の果実を摂取すれば死亡するとの報告あり。
果実を苦楝子(くれんし)、樹皮を苦楝皮(くれんぴ)の生薬名で、鎮痛、解熱、駆虫剤に用いる。 -
セイヨウバクチノキ Laurocerasus officinalis
バラ科サクラ属
漢字:西洋博打の木
名前の由来:
「セイヨウ(西洋)」は、ヨーロッパ原産。
「バクチ(博打)」は、樹皮が鱗片状に剥がれるので、博打に負けて身ぐるみ剥がれることにたとえた。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:両性花、総状花序、白色
花期:4月
果実:核果、紫黒色
果期:
備考:
葉裏の主脈脇に2~3の大きな黒い腺あり。
材は重硬・強靭で家具材工具の柄などに用いる。
樹皮は紅~黄色の染料になる。
バクチノキとは葉柄が短いこと、葉の先端が長く尖らないことなどにより区別できる。 -
ズミ Malus toringo
バラ科リンゴ属
漢字:酸実
名前の由来:
果実の酸味を表す「酢実(すみ)」が転訛した説、
樹皮から黄色の染料をとった「染み(そみ)」が転訛した説あり。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:両性花、散形花序、白色
花期:4~6月
果実:ナシ状果、黄色または赤色
果期:9~10月
備考:
長枝と短枝があり、側芽はほとんど短枝化して、とげ状になるものが多い。
長枝:節間が長く伸び、葉が散在してつく通常みられる枝
短枝:節と節の間が年々わずかしか伸びない枝
節(せつ):葉が生じる場所
果実は数回霜に当たると渋味が採れて甘酸っぱくなる。完熟前の果実を漬けて果実酒などにする。
材は緻密で堅く、斧や農具の柄、櫛や器具類に用いた。
<異形葉性>
短枝につく葉は楕円形、長枝につく葉は3~5裂(欠刻)するものが多い。
<根萌芽(こんぼうが)>
親株を中心に根を水平に伸ばして根萌芽幹を発生させる。他、タラノキ、ハリギリ、ニセアカシア、ヤマナラシなど。 -
スノキ Vaccinium smallii var. glabrum
ツツジ科スノキ属
漢字:酢の木
別名:コウメ(小梅)
名前の由来:
葉を噛むと酸味があり酸っぱい。
「コウメ(小梅)」は、果実の酸味を梅の実になぞらえた。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:両性花、総状花序、鐘形、下垂、緑白色(まれに紅色)
花期:5~7月
果実:液果、緑色→紫黒色、先端に5個の萼歯が残る
果期:7~8月
備考:熟した果実は甘酸っぱく食べられる。口の中が紫色に染まる。 -
スダジイ Castanopsis sieboldii
ブナ科シイ属
漢字:すだ椎
名前の由来:
「スダ」は、実が巻貝の一種の「シタダミ」に似ている説、
シイタケの原木に使い、これをスダギと呼ぶ説あり。
「シイ(椎)」は、実は自然落下して木の下にあることから「下(シ)」と「実(ヒ)」から「シヒ」となった説、
刑具の用材となっていたことから、強制する意味の「シヒ(強)」に由来する説あり。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:雌雄同株
花期:5~6月
果実:総苞に包まれた堅果、熟すと3裂する
果期:翌年の秋
備考:
虫媒花で強い香りあり。
果実は、「椎の実」といって食べられる。生でもおいしいが、炒ると香ばしくなる。
材は建築材や器具材、シイタケ原木などに用いた。
<ツブラジイとの違い>老木の樹皮 果実 材 スダジイ 縦に割れ目ができる ツブラジイより大きい(長楕円形) 辺材:灰白色、心材:灰褐~黄褐色の散孔材 ツブラジイ 縦にわれず滑らか
横の縞あり円形(球形)
最大でも長さ12mm程度淡黄褐~黄褐色で辺・心材の区別が不明瞭な放射孔材 (参考)
<芽を上から見た場合のシイ類、カシ類、クスノキ類の違い>
シイ類:楕円形
カシ類:五角形
クスノキ類:円形 -
スギ Cryptomeria japonica
ヒノキ科スギ属
漢字:杉
名前の由来:
真っ直ぐの木「直ぐ木(すぐき)」から変化した説が有力、
他、上へ進み上がる木「進木(すすぎ)」説あり。
樹形:常緑高木
花:雌雄同株、雄花は淡黄色 雌花は緑色
花期:2~4月
種子:球果
種期:10~11月
備考:
1属1種の日本固有種。
日本で最も樹高が高くなり、寿命も長く大木になる。
葉は冬になると緑が薄くなり、黄褐~赤褐色になる。光合成機能が低下する低温条件下で太陽光による光阻害(強すぎる光によって光合成が阻害されること)を防ぐための適応。
成長が早く、単位面積当たりの収穫材積が大きく、昔から植林された。
材は軽くて柔らかく、曲げやすく加工しやすいため、主に建築用材とされるが、建具、箱、下駄、箸など用途が広い。桶や樽などにも用いた。
樹皮は、ヒノキ同様、昔は屋根や壁を葺くのに用いた。
造り酒屋が新酒を仕込んだ目印に、枝葉を丸い玉に束ねた「杉玉(すぎだま)」を軒先に掲げた。
葉は線香の原料になる。
春先、枝先に着いたの雄花から風によって大量の花粉を撒き散らし、花粉症の原因になる。 -
スイカズラ Lonicera japonica
スイカズラ科スカイズラ属
漢字:吸葛
別名:忍冬(にんどう)、金銀花(きんぎんか)
名前の由来:
「スイ(吸)」は、花筒の奥にある甘い蜜を味わうために花冠を引き抜いて「吸う」行為とする説や、
花弁の形が人がものを吸い込むときの唇の形に似ている説あり。
「カズラ(葛)」は、つるを表す。
「忍冬(にんどう)」は、暖地では冬に落葉せず、葉を内側に丸めて耐え忍んでいるように見える。生薬名でもあり、葉茎を乾燥したもので、痔や腰痛、腫物の薬とした。
「金銀花(きんぎんか)」は、花色が白色から黄色へ変わり、それらが混ざって咲く様子による。生薬名でもあり、花を乾燥したもので、関節痛や解熱の薬とした。
樹形:蔓性半落葉(半常緑)木本、左巻き(ネジと同一方向として)
葉:対生
花:両性花、白色→黄色
花期:5~7月
果実:液果、黒色
果期:9~12月
備考:
白い花は甘い芳香あり。白は闇に浮き立つ色で夜咲く。芳香は昼間より夜のほうが強くなる。花粉を媒介するスズメガを誘うためとされる。
株元に近いところ(”若い茎”の記述もあり)の葉は羽状に切れ込むことがある。