【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 木本

  • セイヨウバクチノキ Laurocerasus officinalis

    バラ科サクラ属
    漢字:西洋博打の木
    名前の由来:
    「セイヨウ(西洋)」は、ヨーロッパ原産。
    「バクチ(博打)」は、樹皮が鱗片状に剥がれるので、博打に負けて身ぐるみ剥がれることにたとえた。
    樹形:常緑低木
    葉:互生
    花:両性花、総状花序、白色
    花期:4月
    果実:核果、紫黒色
    果期:
    備考:
    葉裏の主脈脇に2~3の大きな黒い腺あり。
    材は重硬・強靭で家具材工具の柄などに用いる。
    樹皮は紅~黄色の染料になる。
    バクチノキとは葉柄が短いこと、葉の先端が長く尖らないことなどにより区別できる。

    セイヨウバクチノキ
    20230804_県立美術館
    セイヨウバクチノキ
    20230804_県立美術館
    セイヨウバクチノキ
    20230804_県立美術館
    セイヨウバクチノキ
    20240303_高山・市民の森
    セイヨウバクチノキ
    20240303_高山・市民の森
    セイヨウバクチノキ
    20240303_高山・市民の森
    セイヨウバクチノキ
    20240331_高山・市民の森
    セイヨウバクチノキ
    20240331_高山・市民の森
    セイヨウバクチノキ
    20240428_高山・市民の森
    セイヨウバクチノキ
    20240428_高山・市民の森
  • ズミ  Malus toringo

    バラ科リンゴ属
    漢字:酸実
    名前の由来:
    果実の酸味を表す「酢実(すみ)」が転訛した説、
    樹皮から黄色の染料をとった「染み(そみ)」が転訛した説あり。
    樹形:落葉小高木
    葉:互生
    花:両性花、散形花序、白色
    花期:4~6月
    果実:ナシ状果、黄色または赤色
    果期:9~10月
    備考:
    長枝と短枝があり、側芽はほとんど短枝化して、とげ状になるものが多い。
     長枝:節間が長く伸び、葉が散在してつく通常みられる枝
     短枝:節と節の間が年々わずかしか伸びない枝
     節(せつ):葉が生じる場所
    果実は数回霜に当たると渋味が採れて甘酸っぱくなる。完熟前の果実を漬けて果実酒などにする。
    材は緻密で堅く、斧や農具の柄、櫛や器具類に用いた。
    <異形葉性>
    短枝につく葉は楕円形、長枝につく葉は3~5裂(欠刻)するものが多い。
    <根萌芽(こんぼうが)>
    親株を中心に根を水平に伸ばして根萌芽幹を発生させる。他、タラノキ、ハリギリ、ニセアカシア、ヤマナラシなど。

    ズミ
    20230626_富士山こどもの国
    ズミ
    20230626_富士山こどもの国
    ズミ
    20230626_富士山こどもの国
    ズミ
    20230717_八島湿原
    ズミ
    20230717_八島湿原
    ズミ
    20230717_八島湿原
    ズミ
    20240517_竜爪山
    ズミ
    20240517_竜爪山
    ズミ
    20240517_竜爪山
    ズミ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ズミ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ズミ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
  • スノキ Vaccinium smallii var. glabrum

    ツツジ科スノキ属
    漢字:酢の木
    別名:コウメ(小梅)
    名前の由来:
    葉を噛むと酸味があり酸っぱい。
    「コウメ(小梅)」は、果実の酸味を梅の実になぞらえた。
    樹形:落葉低木
    葉:互生
    花:両性花、総状花序、鐘形、下垂、緑白色(まれに紅色)
    花期:5~7月
    果実:液果、緑色→紫黒色、先端に5個の萼歯が残る
    果期:7~8月
    備考:熟した果実は甘酸っぱく食べられる。口の中が紫色に染まる。

    スノキ
    20231023_県立森林公園
    スノキ
    20231023_県立森林公園
    スノキ
    20240911_箱根湿生花園
    スノキ
    20240911_箱根湿生花園
    スノキ
    20240911_箱根湿生花園
    スノキ
    20241121_環境省生物多様性センター
    スノキ
    20241121_環境省生物多様性センター
  • スダジイ Castanopsis sieboldii

    ブナ科シイ属
    漢字:すだ椎
    名前の由来:
    「スダ」は、実が巻貝の一種の「シタダミ」に似ている説、
    シイタケの原木に使い、これをスダギと呼ぶ説あり。
    「シイ(椎)」は、実は自然落下して木の下にあることから「下(シ)」と「実(ヒ)」から「シヒ」となった説、
    刑具の用材となっていたことから、強制する意味の「シヒ(強)」に由来する説あり。
    樹形:常緑高木
    葉:互生
    花:雌雄同株
    花期:5~6月
    果実:総苞に包まれた堅果、熟すと3裂する
    果期:翌年の秋
    備考:
    虫媒花で強い香りあり。
    果実は、「椎の実」といって食べられる。生でもおいしいが、炒ると香ばしくなる。
    材は建築材や器具材、シイタケ原木などに用いた。
    ツブラジイとの違い>

    老木の樹皮果実
    スダジイ縦に割れ目ができるツブラジイより大きい(長楕円形辺材:灰白色、心材:灰褐~黄褐色の散孔材
    ツブラジイ縦にわれず滑らか
    横の縞あり
    円形(球形
    最大でも長さ12mm程度
    淡黄褐~黄褐色で辺・心材の区別が不明瞭な放射孔材

    (参考)
    <芽を上から見た場合のシイ類、カシ類、クスノキ類の違い>
    シイ類:楕円形
    カシ類:五角形
    クスノキ類:円形

    スダジイ
    20211018_城北公園
    スダジイ
    20211018_城北公園
    スダジイ
    20211026_駿府城公園
    スダジイ
    20211026_駿府城公園
    スダジイ
    20211030_遊木の森
    スダジイ
    20211030_遊木の森
    スダジイ
    20220619_遊木の森
    スダジイ
    20220619_遊木の森
    スダジイ
    20220801_県立美術館
    スダジイ
    20220801_県立美術館
    スダジイ
    20220801_県立美術館
    スダジイ
    20240414_県立美術館
    スダジイ
    20240414_県立美術館
    スダジイ
    20240809_県立美術館
    スダジイ
    20240809_県立美術館
  • スギ Cryptomeria japonica

    ヒノキ科スギ属
    漢字:杉
    名前の由来:
    真っ直ぐの木「直ぐ木(すぐき)」から変化した説が有力、
    他、上へ進み上がる木「進木(すすぎ)」説あり。
    樹形:常緑高木
    花:雌雄同株、雄花は淡黄色 雌花は緑色
    花期:2~4月
    種子:球果
    種期:10~11月
    備考:
    日本固有種。
    日本で最も樹高が高くなり、寿命も長く大木になる。
    葉は冬になると緑が薄くなり、黄褐~赤褐色になる。光合成機能が低下する低温条件下で太陽光による光阻害(強すぎる光によって光合成が阻害されること)を防ぐための適応。
    成長が早く、単位面積当たりの収穫材積が大きく、昔から植林された。
    材は割裂性が良く、あまり固くないので削ったり、切ったりが容易で、曲げても粘りがあり折れないため、主に建築用材とされるが、建具、箱、下駄、箸など用途が広い。桶や樽などにも用いた。
    樹皮は、ヒノキ同様、昔は屋根や壁を葺くのに用いた。
    造り酒屋が新酒を仕込んだ目印に、枝葉を丸い玉に束ねた「杉玉(すぎだま)」を軒先に掲げた。
    葉は線香の原料になる。
    春先、枝先に着いたの雄花から風によって大量の花粉を撒き散らし、花粉症の原因になる。

    スギ
    20240303_高山・市民の森
    スギ
    20240303_高山・市民の森
    スギ
    20240303_高山・市民の森
  • スイカズラ Lonicera japonica

    スイカズラ科スカイズラ属
    漢字:吸葛
    別名:忍冬(にんどう)、金銀花(きんぎんか)
    名前の由来:
    「スイ(吸)」は、花筒の奥にある甘い蜜を味わうために花冠を引き抜いて「吸う」行為とする説や、
    花弁の形が人がものを吸い込むときの唇の形に似ている説あり。
    「カズラ(葛)」は、つるを表す。
    「忍冬(にんどう)」は、暖地では冬に落葉せず、葉を内側に丸めて耐え忍んでいるように見える。生薬名でもあり、葉茎を乾燥したもので、痔や腰痛、腫物の薬とした。
    「金銀花(きんぎんか)」は、花色が白色から黄色へ変わり、それらが混ざって咲く様子による。生薬名でもあり、花を乾燥したもので、関節痛や解熱の薬とした。
    樹形:蔓性半落葉(半常緑)木本、左巻き(ネジと同一方向として)
    葉:対生
    花:両性花、白色→黄色
    花期:5~7月
    果実:液果、黒色
    果期:9~12月
    備考:
    白い花は甘い芳香あり。白は闇に浮き立つ色で夜咲く。芳香は昼間より夜のほうが強くなる。花粉を媒介するスズメガを誘うためとされる。
    株元に近いところ(”若い茎”の記述もあり)の葉は羽状に切れ込むことがある。

    スイカズラ
    20230619_富士山こどもの国
    スイカズラ
    20230619_富士山こどもの国
  • シロヤシオ(ゴヨウツツジ) Rhododendron quinquefolium

    ツツジ科ツツジ属
    漢字:白八入/白八汐
    別名:ゴヨウツツジ(五葉躑躅)
    名前の由来:
    「白」は、花の色。
    「八入(やしお)」は、布を幾度も染汁(そめしる)に浸して濃く染めること。八は多いことを意味し、純白の花の色が布を幾度も染めるほど鮮やかに見える。
    「ゴヨウツツジ(五葉躑躅)」は、葉が5個輪生するツツジ。
    樹形:落葉小高木
    葉:互生
    花:両性花、白色
    花期:5月下旬~6月
    果実:蒴果
    果期:9~10月
    備考:ツツジについては、ヤマツツジの備考参照。

    シロヤシオ
    20230527_岩岳
    シロヤシオ
    20230527_岩岳
    シロヤシオ
    20230527_岩岳
    シロヤシオ
    20230527_岩岳
    シロヤシオ
    20230527_岩岳
  • シロダモ Neolitsea sericea

    クスノキ科シロダモ属
    漢字:白だも/白梻?
    名前の由来:
    「シロ」は、葉裏が白い。
    「ダモ」は、諸説あるが、タブノキに似るため「タブ」をあてたとする説が有力。
    樹形:常緑高木
    葉:互生、枝先では束生状
    花:雌雄異株、黄色
    花期:10~11月
    果実:液果、赤色
    果期:翌年の10~11月
    備考:
    葉裏は蝋で覆われ灰白色。
    秋には今年咲いた花と前の年に咲いた花の赤熟した果実の両方が見られる。
    種子から採った油を蝋燭材料や灯明油に用いた。
    新葉は表裏に黄褐色の絹毛が密生して白っぽく、展葉するにしたがって赤褐色になる。
    <新葉が垂れ下がっている理由>
    直射日光による葉の温度上昇や水分蒸散を避けるためと、強い紫外線に細胞組織を破壊されないようにするためと考えられている。新葉は組織が柔らかく柔軟で、これらに対応するためのロウ物質を主成分とするクチクラ層がまだ未成熟。
    <新葉が赤褐色になる理由>
    強い紫外線は細胞組織内に活性酸素を発生させ、細胞を破壊してしまう。葉の中に含まれる色素のカロチノイド(黄色)やアントシアニン(赤色)は、紫外線を吸収し、抗酸化物質として働くためと考えられている。

    シロダモ
    20220221_朝鮮岩
    シロダモ
    20220221_朝鮮岩
    シロダモ
    20220221_朝鮮岩
    シロダモ
    20220223_朝鮮岩
    シロダモ
    20220223_朝鮮岩
    シロダモ
    20220306_朝鮮岩
    シロダモ
    20220312_花沢山
    シロダモ
    20220312_花沢山
    シロダモ
    20220312_花沢山
    シロダモ
    20230409_花沢山
    シロダモ
    20240517_竜爪山
    シロダモ
    20241129_県立美術館
    シロダモ
    20241129_県立美術館
    シロダモ
    20241202_佐鳴湖
    シロダモ
    20241202_佐鳴湖
  • シラビソ Abies veitchii

    マツ科モミ属
    漢字:白檜曽
    名前の由来:
    白ヒノキ。
    「シラ(白)」は、材や樹皮が白い、あるいは葉の裏が白い。
    「ビソ(檜曽)」は、ヒノキの細材を意味する古語ヒソ(檜楚)に由来している説あり。
    樹形:常緑高木
    花:雌雄同株
    花期:5~6月
    種子:球果、黒っぽい青紫色
    種期:10月頃
    備考:
    亜高山帯に生える。
    材は建築材、器具材、土木用材、パルプなどに用いる。
    <モミ属>
    モミの備考参照。
    <トウヒ属との違い>
    モミの備考参照。
    <オオシラビソとの違い>

    若枝葉の着き方
    シラビソ灰色の細毛あり上から見ると枝が見える。
    枝の上の葉が立ち上がっているため
    オオシラビソ赤褐色の軟毛あり上から見ると枝が見えない。
    枝の上の葉が張りつくように着くため
    シラビソ
    20221013_しらびそ高原
    シラビソ
    20221013_しらびそ高原
    シラビソ
    20230817_宝永遊歩道
    シラビソ
    20230817_宝永遊歩道
    シラビソ
    20230817_宝永遊歩道
  • シラカンバ(シラカバ) Betula platyphylla

    カバノキ科カバノキ属
    漢字:白樺
    名前の由来:
    「シラ(白)」は、樹肌が白い。
    「カンバ(樺)」は、カバノキ属の植物の総称カバノキの古名カニハが転訛した。
    樹形:落葉高木
    葉:互生(長枝)、一対(短枝)
    花:雌雄同株
    花期:4~5月
    果実:堅果が集まった複合果を下垂、堅果は左右に膜質の広い翼あり
    果期:9~10月
    備考:
    本州では、標高500~1000m地帯に生える。
    陽樹。山火事跡や崩壊地などの裸地に最も早く侵入する先駆樹種(パイオニアツリー)。
    白い樹皮は、雨でもすぐに着火できる燃材。他、煙草入れや小刀の鞘、火縄、合わせ箱の縫合(ほうごう)、屋根葺などに用いた。
    樹液は「森の雫」などの飲料になる。
    4月頃咲く花は風媒花で、北海道では花粉症の原因になる。
    ダケカンバとの違い>

    葉の側脈の数
    シラカンバ山形の黒い線の枝痕が入る5~8本
    ダケカンバ7~12本
    シラカンバ
    20221012_しらびそ高原
    シラカンバ
    20230717_八島湿原
    シラカンバ
    20230717_八島湿原