ニシキギ科ニシキギ属
漢字:正木/柾
名前の由来:
枝や葉が緑色なので「真青木(マサオキ)」がつまった説、
「籬(竹や柴などで目を粗く編んだ垣根)木(マセキ)」が転訛した説など諸説あり。
樹形:常緑低木
葉:対生
花:両性花、集散花序、緑白色または黄緑色
花期:6~7月
果実:蒴果、黄色に熟すと4裂し橙赤色の仮種皮に包まれた種子を出す
果期:11~1月
カテゴリー: 木本
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サンシュユ Cornus officinalis
ミズキ科ミズキ属
漢字:山茱萸
別名:ハルコガネバナ(春小金花)
名前の由来:
漢名(山茱萸)の音読み。
「ハルコガネバナ」は、春に黄色い花が咲く(牧野)。
樹形:落葉小高木
葉:対生
花:両性花、散形花序、淡黄色、花序の基部に総苞片が4個あり
花期:3~4月
果実:核果、赤色
果期:9~11月
備考:
中国・朝鮮半島原産。江戸時代に薬用植物として渡来。
葉裏の脈液に褐色の毛叢あり。
樹皮は灰褐色で不規則にはがれ落ちる。
果実は、少し渋く酸っぱく、民間では果実酒として、乾燥させたものは、生薬「山茱萸」として、疲労回復や滋養強壮に用いる。 -
ハリエンジュ(ニセアカシア) Robinia pseudoacacia
マメ科ハリエンジュ属
漢字:針槐
別名:ニセアカシア
名前の由来:
エンジュに似て「針」がある。
「エンジュ(槐)」は、イヌエンジュの名前の由来参照。
「ニセアカシア」は、種小名「pseudoacacia」の直訳「偽のアカシア」。
樹形:落葉高木
葉:互生、奇数羽状複葉
花:両性花、総状花序、蝶形花、白色、芳香あり
花期:5~6月
果実:豆果
果期:10月頃
備考:
北アメリカ原産。
托葉が変化した鋭いとげあり。
隠芽(葉痕に隠れていて外から見えない芽)。
蜜が豊富で重要な蜜源とされる。
材は堅く強靭だが割れやすい。加工、乾燥は困難だが、耐久性が強いため、枕木や杭木に適している。
マメ科植物の特性である根粒菌との共生により窒素固定できるため、痩せた土壌でもよく生育する。このため、崩壊地などの山腹の緑化に植えられ、治山工事などの行われた周辺に野生化している。 -
オガタマノキ Magnolia compressa
モクレン科オガタマノキ属
漢字:招霊の木
名前の由来:招霊(おきたま)の転化、枝を神前に供えて招禱(おき)たてまつるのに基づく。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:両性花、白色(基部は紅紫色を帯びる)
花期:2~4月
果実:袋果が集まった集合果、種子は赤色
果期:9~10月
備考:
花は強い芳香あり。
神社に多く植えられる。
材はやや軽軟で緻密、剥皮した磨き丸太を床柱にしたり、家具に用いる。
<カラタネオガタマ(トウオガタマ)との違い>
小高木(5m以下)で、花はバナナに似た強い香りがあり、若枝や葉柄に褐色毛が多い。
<オガタマノキ属とモクレン属の違い>
オガタマノキ属は花床につく雄しべと雌しべの着く位置に隙間あり。モクレン属は枝の先端に花芽がつくがオガタマ属は葉腋につく。
<モクレン科>
コブシの備考参照。 -
イブキ(ビャクシン) Juniperus chinensis
ヒノキ科ビャクシン属
漢字:伊吹
別名:ビャクシン(柏槇)
名前の由来:
「イブキ(伊吹)」は、滋賀、岐阜県境の伊吹山に生えていた説あり。
「ビャクシン(柏槇)」は、「柏子」が転訛した説あり。
樹形:常緑高木
葉:十字対生、鱗片葉または針葉
花:雌雄異株、風媒花
花期:4月頃
種子:球果、青白色→黒紫色(表面に白い蝋分をかぶる)、動物散布
種期:翌年の10月頃
備考:[1-53][71][3-640P][78P][上23]
ビャクシン属の球果は、肉質で開裂しない。
材はやわらかく光沢があり、彫刻材、床柱に用いる。
公園や生け垣によく植えられている「カイヅカイブキ(貝塚伊吹)」は園芸種で、幹がねじれて、枝が巻き上がるようにつく。
<先祖返り、隔世遺伝>
葉の多くはヒノキのように細かい鱗片葉(普通形)、幼木の時期や、成木でも枝を切るとスギのような針葉(原始形)が出る場合あり。カイヅカイブキの先祖返り、隔世遺伝
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ユズリハ Daphniphyllum macropodum
ユズリハ科ユズリハ属
漢字:譲葉
名前の由来:
春に上向きにつく新葉がでると、垂れ下がる古い葉が一斉に落ちる様子を世代交代の譲るにたとえた。葉の寿命は2~3年。
樹形:常緑高木
葉:互生、枝先に集まる
花:雌雄異株、総状花序、雄花は無花被花(花冠と萼なし) 雌花は単花被花(花冠なし、ごく小さな萼あり)
花期:5~6月
果実:核果、黒紫色
果期:11~12月
備考:
家系が途切れずに続く縁起物の木とされ、しめ飾りや鏡餅などの正月飾りに用いる。
有毒植物。
民間薬として樹皮や葉を煎じて、おできの薬や駆虫剤に用いた。
<ヒメユズリハとの違い>葉 葉柄 雄花 果穂 冬芽 ユズリハ 網状膜が目立たない 紅色を帯びることが多い 萼片なし 垂れ下がる ‐ ヒメユズリハ 網状幕が明瞭に見える 緑色でまれに紅色を帯びる 小さな萼片あり 直立する ユズリハよりも尖る -
モミ Abies firma
マツ科モミ属
漢字:樅
名前の由来:
風で葉が揉み合うように揺れる様子から「揉む」が語源説、
神聖な木とされ「臣の木(オミノキ)」が転訛説、
新芽の「萌黄(もえぎ)色」説など諸説あり。
樹形:常緑高木
葉:蜜に互生、線形、長さ2~3cm、先は若木や日陰は2裂し鋭く尖り成木や日なたは丸くわずかに凹む、裏の気孔帯は緑白色で見立たない、葉枕は発達しない
花:雌雄同株、雄花 黄緑色、風媒花
花期:5月頃
種子:球果、円柱形(長さ6~10cm 径3cm)、苞鱗が長く突き出てらせん状に並ぶ、種鱗(長さ2.5cm)、緑色→淡黄褐色、風散布
種期:10月頃
備考:[1-13][24][3-578P][56P][上3]
日本固有種。
低山から標高1400m付近までに生える。
樹形が整っているので、クリスマスツリーに用いられる。
枝の出方は幹と枝で異なり、幹からは数本が輪生、横枝では平に3分枝する。
<モミ属>
樹皮にはヤニ袋あり。破るとにおいの強いヤニが流れ出る。
ヤニ(樹脂)は、樹皮の傷口を塞いだり、虫や菌の侵入を防いでいる。
球果は直立し、種鱗が種子とともに散って、球果は軸を残して脱落する。
<トウヒ属との違い>
モミ属はトウヒ属に比べて葉枕が発達せず、葉の基部が膨らんで葉痕は丸くなる。
<ウラジロモミとの違い>葉の先端 若枝 葉裏の気孔帯 球果 モミ 若木:2裂して鋭く尖る
成木:凹む程度
球果をつける枝:鈍頭から円頭黒褐色の短毛あり
溝なし‐ 緑色から淡黄褐色
苞鱗がつきでるウラジロモミ 若木でも凹む程度
葉はモミに比べて柔らかい無毛
縦に流れる溝あり幅が広く白色が鮮明 紫色
苞鱗はつき出ない










































