【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 木本

  • シナノキ Tilia japonica

    アオイ科シナノキ属
    漢字:科の木
    名前の由来:
    アイヌ語で「縛る、結ぶ」を意味する「シナ」説(備考の樹皮繊維の記事参照)、
    樹皮が「しなしなしている」「よくしなる」説あり。
    樹形:落葉高木
    葉:互生
    花:両性花、集散花序、淡黄色
    花期:6~7月
    果実:堅果
    果期:10~11月
    備考:
    日本固有種。
    葉裏は脈液に褐色の毛叢がある。それ以外は無毛。
    葉腋から一枚のヘラ状の苞葉をつけた花序を出し、苞葉の中間付近まで、苞葉の主脈と花序の柄は合着している。果実は苞葉により風に乗って種子散布される。
    花は甘い香りが強く、蜜は濃厚で良質なため蜂蜜「シナ蜜」とした。
    樹皮繊維は縦に裂きやすく強靭で、湿気に強いため、織物(科布(しなぬの))や綱・縄に用いた。
    材は軟らかく加工しやすく、材質が均質で狂いにくく安価だが、耐久性は劣るため、シナ合板の他、割り箸、マッチの軸、鉛筆材、アイスクリームのヘラなどに用いた。

    シナノキ
    20221013_しらびそ高原
    シナノキ
    20221013_しらびそ高原
    シナノキ
    20221013_しらびそ高原
    シナノキ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    シナノキ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    シナノキ
    20240719_富士山太郎坊周辺
  • シナアブラギリ Aleurites fordii

    トウダイグサ科アブラギリ属
    漢字:支那油桐
    名前の由来:
    「シナ(支那)」は、中国原産。
    「アブラギリ(油桐)」は、葉がキリに似ていて、種子から油(桐油:とうゆ)を採った。
    樹形:落葉高木
    葉:互生
    花:雌雄同株、円錐花序、白色
    花期:5月
    果実:堅果、種子は4,5個
    果期:10~11月
    備考:
    果実が大きく、アブラギリより桐油がたくさん採れることから、油を採る目的で中国から移入され、野生化している。
    葉は楕円形または、3浅裂するものあり。葉身基部に2個蜜腺が隆起している。
    種子を乾燥して温庄搾(おんあっさく)して得られる桐油は、和紙に染み込ませて油紙とし、和傘や提灯、雨合羽などに用いたり、印刷用インク、ニスなどにも用いた。毒性あり。
    材は床板や下駄材、樹皮はタンニンを多く含むため、革のなめし剤や染色剤に用いた。

    シナアブラギリ
    20240331_高山・市民の森
    シナアブラギリ
    20240331_高山・市民の森
    シナアブラギリ
    20240428_高山・市民の森
    シナアブラギリ
    20240428_高山・市民の森
    シナアブラギリ
    20240428_高山・市民の森
    シナアブラギリ
    20240428_高山・市民の森
    シナアブラギリ
    20240428_高山・市民の森
    シナアブラギリ
    20240428_高山・市民の森
    シナアブラギリ
    20240428_高山・市民の森
    シナアブラギリ
    20240614_高山・市民の森
  • シデコブシ Magnolia tomentosa

    モクレン科モクレン属
    漢字:四手辛夷/幣辛夷
    名前の由来:
    「シデ(幣)」は、平開した細長い花弁を、神前に供える垂れた幣(シデ)に見立てた。
    「コブシ(辛夷)」は、コブシの名前の由来参照。
    樹形:落葉小高木
    葉:互生
    花:両性花、白~淡紅色
    花期:3~4月
    果実:袋果が集まった集合果、種子は赤色
    果期:10月
    備考:
    花は芳香あり。
    <モクレン科の花>
    コブシの備考参照。
    <東海丘陵要素>
    東海地方の丘陵、台地などの低湿地を中心に生育する固有あるいは準固有の植物の一つ。

    シデコブシ
    20240918_箱根湿生花園
    シデコブシ
    20240918_箱根湿生花園
    シデコブシ
    20240918_箱根湿生花園
    シデコブシ
    20240918_箱根湿生花園
  • シキミ Illicium anisatum

    マツブサ科シキミ属
    漢字:梻/樒
    名前の由来:
    有毒の実から「悪しき実」の「あ」が取れた説が有力、
    他、四季に芽が出ることから「四季芽」が転じた説など諸説あり。
    樹形:常緑小高木
    葉:互生
    花:両性花、黄白色
    花期:3~4月
    果実:袋果が集まった集合果
    果期:9月頃
    備考:
    葉を日に透かすと細かい油点が多数見え、傷付けると芳香あり。
    全体が有毒で、特に実は猛毒(劇物)。
    仏花(ぶっか)として、仏檀や墓前に供える。
    葉や樹皮は、線香や抹香(まっこう、お焼香で用いられる粉末状のお香)の原料に用いた。

    シキミ
    20220320_朝鮮岩
    シキミ
    20230304_芹ヶ谷峠付近
    シキミ
    20230304_芹ヶ谷峠付近
    シキミ
    20230902_高山・市民の森
    シキミ
    20230902_高山・市民の森
    シキミ
    20240303_高山・市民の森
    シキミ
    20240303_高山・市民の森
    シキミ
    20240504_高山・市民の森
    シキミ
    20241108_高山・市民の森
    シキミ
    20250412_高山・市民の森
    シキミ
    20250427_高山・市民の森
    シキミ
    20250427_高山・市民の森
    シキミ
    20250427_高山・市民の森
  • サンショウバラ Rosa hirtula

    バラ科バラ属
    漢字:山椒薔薇
    名前の由来:とげの着き方や葉の形が「サンショウ」に似ているバラ。
    樹形:落葉小高木
    葉:互生、奇数羽状複葉
    花:両性花、淡紅色
    花期:6月
    果実:バラ状果(集合果)
    果期:9~10月
    備考:富士山周辺の静岡・神奈川・山梨県に分布が限られる準絶滅危惧種。

    サンショウバラ
    20230619_富士山こどもの国
    サンショウバラ
    20230619_富士山こどもの国
    サンショウバラ
    20230619_富士山こどもの国
    サンショウバラ
    20230619_富士山こどもの国
    サンショウバラ
    20240918_箱根湿生花園
  • サンショウ Zanthoxylum piperitum

    ミカン科サンショウ属
    漢字:山椒
    名前の由来:古くから辛いものをあらわす「椒」の字をあて、「山の辛味」という意味。
    樹形:落葉低木
    葉:互生、奇数羽状複葉
    花:雌雄異株、円錐花序、淡黄緑色
    花期:4~5月
    果実:蒴果(2個の分果)、赤褐色、種子は艶のある黒色で強い辛味あり
    果期:9~10月
    備考:
    葉に強い芳香あり。
    雄花は「花山椒(はなざんしょう)」として食用にする。
    若葉は「木(こ)の芽」と呼ばれ、ツマ、薬味として使われる。葉を手で叩くのは、葉の形を崩さないで油点を壊し香りを出すため。
    熟す前の緑の果実は「実山椒(みざんしょう)」と呼ばれ、佃煮にしたり、抗菌作用があるとされ糠床に入れる。
    果皮は粉末にして「粉山椒(こさんしょう)」と呼ばれ、薬味や七味唐辛子の材料にする。また、生薬「山椒」として健胃、鎮痛、利尿、駆虫に用いる。
    材に解毒作用あるとされ、擂り粉木(すりこぎ)に用いる。
    サンショウ属の葉は、アゲハチョウ類の食草。
    イヌザンショウとの違い>
    イヌザンショウの葉の匂いは、サンショウのように良いにおいではない。
    サンショウのとげは、葉の基部両側に対生してつくのに対して、
    イヌザンショウのとげは、1本づつ、葉の位置に関係なく枝に不規則につく。

    サンショウ
    20220508_高山・市民の森
    サンショウ
    20220508_高山・市民の森
    サンショウ
    20220911_高山・市民の森
    サンショウ
    20220911_高山・市民の森
    サンショウ
    20230502_高山・市民の森
    サンショウ
    20230502_高山・市民の森
    サンショウ
    20230502_高山・市民の森
    サンショウ
    20230619_富士山こどもの国
    サンショウ
    20241013_高山・市民の森
    サンショウ
    20231001_高山・市民の森
    サンショウ
    20240428_高山・市民の森
    サンショウ
    20240428_高山・市民の森
    サンショウ
    20250309_高山・市民の森
    サンショウ
    20250309_高山・市民の森
    サンショウ
    20250427_高山・市民の森
    サンショウ
    20250427_高山・市民の森
  • サンゴジュ Viburnum odoratissimum

    ガマズミ科ガマズミ属
    漢字:珊瑚樹
    名前の由来:赤い果実がたくさんつき、果序の枝も赤く染まる様子をサンゴに見立てた。
    樹形:常緑小高木
    葉:対生
    花:両性花、円錐花序、白色
    花期:6~7月
    果実:核果、赤色→黒色(二色効果)
    果期:9~10月
    備考:分厚く光沢のある葉は水分が多く燃えにくいことから、防火樹として人家の周りも植えられる。

    サンゴジュ
    20220801_県立美術館
    サンゴジュ
    20220801_県立美術館
    サンゴジュ
    20220801_県立美術館
    サンゴジュ
    20230607_遊木の森
    サンゴジュ
    20230607_遊木の森
    サンゴジュ
    20230607_遊木の森
    サンゴジュ
    20230804_県立美術館
    20230804_県立美術館
    20230804_県立美術館
    サンゴジュ
    20250404_県立美術館
    サンゴジュ
    20250430_県立美術館
    サンゴジュ
    20250430_県立美術館
  • サワラ Chamaecyparis pisifera

    ヒノキ科ヒノキ属
    漢字:椹
    名前の由来:ヒノキに比べ材が「さわらか(軽く粗い)」なので「さわら木」と呼んだ。
    樹形:常緑高木
    葉:十字対生(小さな鱗のように見えるのが1個の葉)
    花:雌雄同株
    花期:4月頃
    種子:球果
    種期:10月頃
    備考:
    材は軽軟で強度的にはヒノキに劣るが、割裂性に優れ、建具や箱、漆器木地、また、耐水性に優れ、桶や樽材に用いた。
    ヒノキとの葉の違い>
    ヒノキの備考参照。

    サワラ
    20240303_高山・市民の森
    サワラ
    20240303_高山・市民の森
    サワラ
    20240303_高山・市民の森
  • サワフタギ Symplocos chinensis var. leucocarpa f. pilosa

    ハイノキ科ハイノキ属
    漢字:沢蓋木
    別名:ルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)、ニシゴリ(錦織木)
    名前の由来:
    よく枝分かれして横に広がり、沢に蓋をするように生える。
    「ルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)」は、牛の鼻輪として「牛の動き」を制御した。
    「ニシゴリ(錦織木)」は、木の灰汁(あく)を紫根(しこん)染めの媒染剤に用いた。
    樹形:落葉低木
    葉:互生
    花:両性花、円錐花序、白色
    花期:5~6月
    果実:核果、瑠璃(藍)色
    果期:9~10月
    備考:
    材は堅くて強靭で、器具材、鎌の柄、細工用のツゲ材の代用に用いた。
    タンナサワフタギとの違い>

    葉序葉形葉先基部鋸歯葉の毛果実樹皮
    サワフタギらせん互生長楕円~倒卵形短く尖る楔状に細くなる細かくて鋭い両面に毛がありざらつく青藍色(瑠璃色)灰褐色・縦に裂ける
    タンナサワフタギ2列互生広倒卵~倒卵形長く尖る広い楔状粗い裏の脈上に白い毛あり黒藍色灰白色・薄片に剥げる
    サワフタギ
    20230619_富士山こどもの国
    サワフタギ
    20230619_富士山こどもの国
    サワフタギ
    20230619_富士山こどもの国
    サワフタギ
    20231001_高山・市民の森
    サワフタギ
    20231001_高山・市民の森
    サワフタギ
    20240428_高山・市民の森
    サワフタギ
    20240428_高山・市民の森
    サワフタギ
    20240428_高山・市民の森
    サワフタギ
    20240428_高山・市民の森
    サワフタギ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    サワフタギ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    サワフタギ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    サワフタギ
    20240603_清泉寮周辺自然歩道
    サワフタギ
    20240603_清泉寮周辺自然歩道
    サワフタギ
    20240911_箱根湿生花園
    サワフタギ
    20240911_箱根湿生花園
    サワフタギ
    20250427_高山・市民の森
    サワフタギ
    20250427_高山・市民の森
    サワフタギ
    20250427_高山・市民の森
  • サワシバ Carpinus cordata

    カバノキ科クマシデ属
    漢字:沢柴
    名前の由来:沢に多く生え、柴(大きくない雑木やその枝)として利用された。
    樹形:落葉高木
    葉:互生
    花:雌雄同株、尾状花序、雄花序 緑黄色、雌花序 緑色
    花期:4~5月
    果実:堅果が集まった複合果
    果期:8~10月
    備考:
    <クマシデ属の葉と果穂の違い>
    イヌシデの備考参照。

    サワシバ
    20240428_高山・市民の森
    サワシバ
    20240428_高山・市民の森
    サワシバ
    20240428_高山・市民の森
    サワシバ
    20240504_高山・市民の森
    サワシバ
    20240504_高山・市民の森
    サワシバ
    20240504_高山・市民の森