イラクサ科カラムシ属
漢字:小赤麻
名前の由来:
小さい「アカソ」。草本の「アカソ」に比べて全体が小さい。
「アカソ(赤麻)」は、茎や葉柄が赤い。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:雌雄同株(上部 雌花序 下部 雄花序)、穂状花序
花期:7~10月
果実:瘦果
果期:11~12月
備考:
草本のアカソは、葉の先端が3裂することで区別できる。
普通に見られるのは3倍体の無融合生殖で、雄花序をつけず、雌花は受精せずに果実を結ぶ。
葉は、サカハチョウ、アカタテハ、シータテハの食草、シカの好物。
カテゴリー: 木本
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ケンポナシ Hovenia dulcis
クロウメモドキ科ケンポナシ属
漢字:玄圃梨
名前の由来:肥大して曲がりくねった果柄の形が、人の手の腫れぼったい、曲がった指のように見えることから、「手棒(てんぽ)」と呼ばれ、梨のような味がすることから「手棒梨(てんぽなし)」が転訛した説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生(「コクサギ型葉序」になる場合あり)、不ぞろいなやや粗い鋸歯、葉の基部から3つに分かれる葉脈があり両側脈が縁に出ている、葉柄上端(葉脚基部)に見立たない腺体あり
花:両性花、集散花序、緑白色、虫媒花
花期:6~7月
果実:核果、球形(7~10mm)、紫褐色、動物(鳥や哺乳類)散布
果期:9~10月
備考:[1-1877][1694][2-508P][330P][上172][2-133P, 136P]
果実は食べられないが、肥大した果柄(果軸)は梨に似た甘味があり食べられる。落下したばかりの果柄は少し渋味があるが、何回か霜にあたると水溶性タンニンが不溶性に変化するため渋味がなくなる。
葉に舌の甘味の鍵穴を塞ぐ甘未阻害物質の配糖体(ホタロシド)があり、一度口にすると約30分間甘味を感じなくなる。
材は色合いや木理の感じからヤマグワやセンダンの模擬材として、建築、洋家具、器具、楽器、彫刻などに用いた。
果柄を生薬名「枳具子(きぐし)」と呼び、解毒や止嘔、通便や二日酔いに用いた。樹液は「枳具子汁(きぐしじゅう)」と呼ばれ煎じてワキガの治療に用いた。
大手メーカーから市販されているフラボノガムには、息をスッキリさせる目的で「ケンポナシ抽出物」が配合されている。 -
ケヤキ Zelkova serrata
ニレ科ケヤキ属
漢字:欅
名前の由来:けやけき(尊い、秀でた、美しい、目立つ)木に由来する。
樹形:落葉高木
葉:互生、弧を描くような鋸歯
花:雌雄同株(雄花、雌花、両性花)、単花被花(花冠なし萼のみ)、黄緑色、風媒花
花期:4~5月
果実:いびつな痩果、暗褐色、先端に花柱が2本くちばしのように残る、風散布
果期:10月
備考:[1-1881][164][1-284P][338P][上176][4-110P, 113P]
街路樹や公園樹として植栽される。
ホウキを立てたようなおうぎ形の樹形。苗木の時におうぎの要の高さで伐るため。
樹皮は灰白色で丸いイボ状の皮目があり、老木ではうろこ状にはげ落ちる。
材質が堅く、木目が美しく、腐りにくく、耐用年数があるとして、神社仏閣や城、仏像、家具、臼、盆、和太鼓の胴、弓などに用いた。
「清水寺」の舞台の柱の建材。
風媒花のため、葉が伸びる前に雄花が花粉を飛ばし、小さな葉脇に雌花が咲く。
新芽の時期は、葉だけの枝と花が咲く枝では異なる。葉だけの枝は、花が咲く枝より2週間近く遅れる。
<着果短枝(ちゃっかたんし)>
果実が熟すと、果実と枯れ葉をつけたまま枝先の小枝(着果枝)ごと風に乗り、回転しながら浮力を得て遠方に運ぶ。着果短枝
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ゲッケイジュ Laurus nobilis
クスノキ科ゲッケイジュ属
漢字:月桂樹
名前の由来:明治時代にフランスから日本に木が渡った際に、中国では学名を月桂樹と誤訳していたが、そのままゲッケイジュと読んだ説あり。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:雌雄異株、淡黄色
花期:4月
果実:液果、暗紫色
果期:10月
備考:
地中海沿岸地方の原産。
葉に精油成分を含み芳香がある。
葉はスープやカレーなどの香辛料、頭髪用の香水「ベーラム」の原料、リュウマチや神経痛の薬に用いる。
オリンピックなどの競技で勝者に与えられるものにこの枝葉で作られる月桂冠がある。 -
クロモジ Lindera umbellata
クスノキ科クロモジ属
漢字:黒文字
名前の由来:
緑色の小枝に煤(すす)で汚れたような黒い斑紋があり、これを文字に見立てた説が有力。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:雌雄異株、散形花序、淡黄色
花期:4月
果実:液果、黒色
果期:9~10月
備考:
全体に芳香があり、枝葉を蒸留して精油を採り、香水や石鹸の香料に用いた。
今はアロマセラピーの香料として用いられている。また、皮付きの爪楊枝や菓子用の大型楊枝に用いる。
この香りは、シカの食害を防いでいる。
根皮は、生薬で「釣樟(ちょうしょう)」と呼ばれ、急性胃腸カタル、脚気、去痰、鎮咳、湿疹などに用いた。
材は軽く強靭なため、洋傘やカマの柄、輪かんじき、ぶり縄(木登り道具)の棒などに用いた。 -
クロソヨゴ Ilex sugerokii
モチノキ科モチノキ属
漢字:黒冬青
別名:ウシカバ(牛樺)
名前の由来:
「クロ(黒)」は、ソヨゴに比べて樹皮が黒っぽい。
「ソヨゴ(冬青)」は、葉がソヨゴに似ている。
「ウシカバ(牛樺)」は、樹皮が黒く、表面がサクラやカバノキに似る。
樹形:常緑低木または小高木
葉:互生
花:雌雄異株、白色
花期:5~7月
果実:核果、赤色
果期:9~10月
備考:分布は、本州(山梨県以西)、四国。アカミノイヌツゲ var. brevipedunculata(赤実の犬黄楊)の分布は、北海道、本州(東北地方、中部地方北部) -
クロガネモチ Ilex rotunda
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クリ Castanea crenata
ブナ科クリ属
漢字:栗
名前の由来:実が黒褐色になるので「黒い実」→「黒実(くろみ)」→「くろ」が転じた説が有力。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄同株、雄花 穂状花序(尾状花序)、雌花 雄花穂の基部につく
花期:5~6月
果実:堅果、とげのある総苞(いが)に包まれ熟すと4裂する
果期:秋
備考:
果実は、コナラ属のようにタンニンが含まれていないため、生でも食べられる。
ブナ属、コナラ属が風媒花であるのに対して、虫媒花であり強いにおいあり(男性の前立腺腋に含まれるスペルミンに例えられる)。
材は強度に優れ水湿に強く耐久性があることから、建築の土台、風呂などの水回り材、鉄道の枕木や鉱山の杭木(くいき)として用いられた。木目も美しいので、家具、器具、漆器木地などにも用いられた。
乾燥させた葉や樹皮、いがは煎じて、やけどやあせも、ウルシかぶれの患部洗浄に用いた。
クリタマバチ(体長3mm程度の中国原産のハチ)が、7月頃、葉のつけ根にある越冬芽に産卵し、翌年の4月頃から芽を寄生肥大させて虫えいをつくる。枯れる原因になっている。
鬼皮に穴の空いたものあり。クリシギゾウムシが、10月頃、鬼皮と渋皮の間に産卵したもの。幼虫が果実を食べ、老熟した幼虫は10月下旬に果実を脱出して土中に潜って越冬し、2、3年後の秋に成虫になる。
<二重雌雄異熟性(雄花穂の雄花→雄雌花穂の雌花→雄雌花穂の雄花)>
雄雌花穂は花穂の付け根に雌花あり。自家不和合性で他家受粉。周囲の雄花穂が咲き終わったころに雌花のついた花序が開花して、他のクリの花粉を着けた虫が雌花の上を通って、雄花に来るのを待つ。
<クヌギとの違い>とげ状の鋸歯の先端 側脈の数 葉の裏 冬芽の先端 クリ 緑色(葉緑素あり)で短い 20対前後 腺点あり 丸い(クリ属) クヌギ 茶色で長い クリより少ない 腺点なし 尖る(コナラ属)






























































































