ヤナギ科ヤナギ属
漢字:川柳
別名:ナガバカワヤナギ(長葉川柳)
名前の由来:
「カワ(川)は、川沿いに多く生える。
「ヤナギ(柳)」は、アカメヤナギの名前の由来参照。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:雌雄異株、穂状花序、無花被花(萼と花冠なし)
花期:3月、葉の展開前
果実:蒴果、ねた毛あり互いにくっつき合って並ぶ
果期:4月
カテゴリー: 木本
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カワヤナギ Salix gilgiana
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カラマツ Larix kaempferi
マツ科カラマツ属
漢字:唐松/落葉松
名前の由来:葉の様子が唐絵(からえ)に描かれた松に似ている。
樹形:落葉高木(森林限界付近では低木)
花:雌雄同株
花期:4~5月
種子:球果
種期:9~10月
備考:
日本固有種。
日本に自生する唯一の落葉する針葉樹。主に高地の寒さの厳しい環境に生育しており、雪の少ない場所では落葉することが、乾燥と低温対策に有効。このため、葉にはコストをかけず、常緑針葉樹に比べてやわらかい葉を付ける。
陽性で、山火事跡や崩壊地などの裸地に最も早く侵入する先駆樹種(パイオニアツリー)。<先駆樹種(パイオニアツリー)>については、アカメガシワの備考参照。
樹皮には褐色で細長い厚膜細胞があり、素手で触るとこれがとげのように刺さることがある。
100年生以上の天然カラマツといわれる材は狂いが少なく、光沢があり、建築材、家具材として珍重される。 -
カラスザンショウ Zanthoxylum ailanthoides
ミカン科サンショウ属
漢字:烏山椒
名前の由来:
役に立たない大型のサンショウ説、
カラスが種子を食べる説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生、奇数羽状複葉
花:雌雄異株、散房花序、緑白色
花期:7~8月
果実:蒴果(3個の分果)、灰褐色、種子は黒色
果期:11~12月
備考:
枝や幹にあるトゲは成長とともに無くなり、イボ状突起だけが残る。
葉の全面に褐色の油点があり、太陽に透かすと白く見える。
一部の果序は12月下旬から自然脱落し始め、落下した果序の果肉は閉じたままで、乾燥すると果肉が割れて黒い種子が出てくる。
果皮はミカン科特有の香り成分があるため、「香袋(かおりぶくろ)」の材料に利用された。
若芽は天ぷらとして食べられた。
山火事跡や崩壊地などの裸地に最も早く侵入する先駆樹種(パイオニアツリー)。
<先駆樹種(パイオニアツリー)><シードバンク(埋土種子)>については、アカメガシワの備考参照。 -
カラコギカエデ Acer ginnala var. aidzuense
ムクロジ科カエデ属
漢字:鹿子木楓
名前の由来:
「カラコギ(鹿子木)」は、樹皮が鹿の子模様に剥離することからの「カノコギ」が転訛した。
「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
樹形:落葉小高木
葉:対生
花:雌雄同株(ひとつの花序に雄花と両性花が混じる)、淡黄緑色
花期:5~6月
果実:翼果、翼の開きは狭い(ほとんど平行)
果期:8~10月
備考:
日本固有種。
葉身は3浅裂し、芽鱗が7~10対と多い(カラコギカエデ節)。 -
カヤ Torreya nucifera
イチイ科カヤ属
漢字:榧
名前の由来:
古名のカエ(カヘ)と呼ばれたものが転訛した説(カエの語源は「変えず」に由来し常緑の意味?)、
葉や枝、木屑などを燻して虫除けの「蚊遣(かや)り」とした説など諸説あり。
樹形:常緑高木
花:雌雄異株
花期:4~5月
種子:緑色の仮種皮が種子を包んだ核果状、緑色→紫褐色、内種皮はかたく赤褐色
種期:翌年の9~10月
備考:
日本固有種。
葉をちぎるとグレープフルーツのような香りがする。
種子は、胚乳部分をそのまま生食して十二指腸虫(鉤虫(こうちゅう))の駆除薬とした他、アク抜きしてから炒るか、土中埋蔵して仮種皮などを腐らせてから蒸して食用とした。実は、脂肪油を35%含むリノール酸を含み、良質な天ぷら油に用いるほか、頭髪油、灯火油、五平餅のタレとした。
材は軟らかく、弾力があり、水湿に強い特性あり。大木から採った柾(まさ)目材は最高級の碁/将棋盤。
枝先を釣り用のタモ材として用いる。
<イヌガヤとの葉の違い>先端 堅さ 大きさ・色 裏の気孔帯 カヤ 鋭く尖り手で触ると痛い 剛直で光沢あり - - イヌガヤ 手で触っても痛みなし 柔らかく光沢なし カヤより大きく緑色が薄い カヤより幅が広い -
カマツカ Aronia villosa Decne. var. laevis Stapf.
バラ科カナメモチ属
漢字:鎌柄
別名:ウシコロシ(牛殺し)
名前の由来:
材が丈夫で折れにくく、鎌の柄(つか)などに用いられた。
「ウシコロシ(牛殺し)」は、材を削って牛の鼻輪を通す穴開けに用いたり、鼻輪自体に用いた。
樹形:落葉小高木
葉:互生、短枝では輪生状
花:両性花、複散房花序、白色
花期:4~6月
果実:ナシ状果、赤色
果期:10~11月
備考:
株立ちしたものが多い。
果柄にはいぼ状の皮目が多い。
長枝(光環境が悪い)と短枝(光環境がよい)がはっきり分かれている。 -
ガマズミ Viburnum dilatatum
ガマズミ科ガマズミ属
漢字:莢蒾(きょうめい)
名前の由来:
マタギがガマズミの実をみつけると、山の神からの授かり物として食したため「神ツ実」が由来とする説、
枝を「鎌(カマ)」の柄に用い、実を染料とする「染め(ソメ)」で「カマソメ」からとする説、
実に酸味があるので「噛み酢実」から説など諸説あり。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、散房花序、白色
花期:5~6月
果実:核果、暗赤色
果期:9~11月
備考:
果実は、赤黒くなり甘酸っぱくて食べられる。
実を搾った果汁には、クエン酸やリンゴ酸が含まれ、体に良い。
ガマズミ属の枝は弾力があって折れにくく、若い幹や枝をねじって繊維をほぐして縄の代用とした。
<コバノガマズミとの違い>
葉が大きい(ガマズミ:長さ6~14cm 幅3~14cm、コバノガマズミ:長さ4~10cm 幅2~4cm)
葉柄が長い(ガマズミ:1cm以上、コバノガマズミ:6mm以下) -
カナメモチ Aronia glabra
バラ科カナメモチ属
漢字:要黐
別名:アカメモチ(赤芽黐)
名前の由来:
別名のアカメモチが転訛した説が有力、
モチノキに似ていて、材が扇の要に使われた説もあり。
「アカメモチ(赤芽黐)」は、若葉が赤く、葉や樹形がモチノキに似る。
樹形:常緑小高木
葉:互生
花:両性花、複散房花序、白色
花期:5~6月
果実:ナシ状果、赤色
果期:12月頃
備考:
国産材では最も重硬で比重が重い材。車輪、車軸などに用いられる。
春の若葉は赤くて美しい。落葉前にも紅葉する。
生垣としてよく植栽される。 -
カナクギノキ Lindera erythrocarpa
クスノキ科クロモジ属
漢字:鉄釘の木
名前の由来:
樹皮の不規則に剥げ落ち、灰色と褐色のまだら模様を鹿(か)の子模様に見立て「かのこぎ(鹿の子木)」が転訛した説が有力。
堅い材を釘に用いた説もあり。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄異株、散形花序、黄緑色
花期:4月
果実:液果、赤色
果期:9~10月
備考:葉柄は赤みを帯びる。 -
カツラ Cercidiphyllum japonicum
カツラ科カツラ属
漢字:桂
名前の由来:落葉した葉は甘い香りを発することから、香りが出ることを意味する「香出(かづ)る」が由来とする説あり。
樹形:落葉高木
葉:長枝に対生、短枝には1枚つく
花:雌雄異株、無花被花(萼と花冠なし)、柱頭と葯 淡紅色
花期:3~5月
果実:袋果が集まった複合果、黒紫色、種子には翼あり
果期:11~12月
備考:
日本固有種。
秋の落葉時に葉からキャラメルあるいはカルメ焼きのような甘い香りを放つ(理由は不明)。
谷筋で枝を箒(ほうき)状に斜上させた樹形をかたちづくり、萌芽株で占有する特性あり。
頂芽が発達することなく2番目にある側芽が分岐伸長する「仮頂芽型」。
材は狂いが少なく加工し易いため、碁盤や将棋盤、彫刻用材、版画板、製図板、家具材、建築材など様々な用材として用いられた。昭和初期には、裁ち板(和裁で使われる作業台)や張り板(洗濯した着物を干す板)、洗濯機が普及する前は洗濯板に用いた。
<異形葉性>
葉は春、夏と2回に分けて展開する。
春葉:丸く基部に凹みがあるハート型、最初に長枝に対生する2枚の葉を出し、短枝に1枚の葉を出す。
夏葉:基部に凹みがなく葉先が尖るおむすび型、「春葉」の後に開葉する。
(「1年目の枝には卵形、2年目以降はハート型の葉がつく。」との記述もあり)