カツラ科カツラ属
漢字:桂
名前の由来:落葉した葉は甘い香りを発することから、香りが出ることを意味する「香出(かづ)る」が由来とする説あり。
樹形:落葉高木
葉:長枝に対生、短枝には1枚つく
花:雌雄異株、無花被花(萼と花冠なし)、柱頭と葯 淡紅色
花期:3~5月
果実:袋果が集まった複合果、黒紫色、種子には翼あり
果期:11~12月
備考:
日本固有種。
秋の落葉時に葉からキャラメルあるいはカルメ焼きのような甘い香りを放つ(理由は不明)。
谷筋で枝を箒(ほうき)状に斜上させた樹形をかたちづくり、萌芽株で占有する特性あり。
頂芽が発達することなく2番目にある側芽が分岐伸長する「仮頂芽型」。
材は狂いが少なく加工し易いため、碁盤や将棋盤、彫刻用材、版画板、製図板、家具材、建築材など様々な用材として用いられた。昭和初期には、裁ち板(和裁で使われる作業台)や張り板(洗濯した着物を干す板)、洗濯機が普及する前は洗濯板に用いた。
<異形葉性>
葉は春、夏と2回に分けて展開する。
春葉:丸く基部に凹みがあるハート型、最初に長枝に対生する2枚の葉を出し、短枝に1枚の葉を出す。
夏葉:基部に凹みがなく葉先が尖るおむすび型、「春葉」の後に開葉する。
(「1年目の枝には卵形、2年目以降はハート型の葉がつく。」との記述もあり)
カテゴリー: 木本
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カツラ Cercidiphyllum japonicum
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カジカエデ Acer diabolicum
ムクロジ科カエデ属
漢字:梶楓
別名:オニモミジ(鬼紅葉)
名前の由来:
「カジ(梶)」は、葉がカジノキ(クワ科)に似ている。
「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
「オニモミジ(鬼紅葉)」は、葉がごわごわして厚く、果実に剛毛が多い。
樹形:落葉高木
葉:対生
花:雌雄異株、散房花序、暗紅色、雄花は花弁や萼が合着して釣鐘状
花期:4~5月
果実:翼果、翼の開きは狭い(ほとんど平行)
果期:10月頃
備考:日本固有種 -
カクレミノ Dendropanax trifidus
ウコギ科カクレミノ属
漢字:隠れ蓑
名前の由来:3裂した葉を天狗の宝物(ほうもつ)の隠れ蓑(着ると姿を消すことができる)に見立てた。蓑は稲藁などで編んで作られた雨具のこと。
樹形:常緑小高木~高木
葉:互生
花:雌雄同株(両性花のみと雄花と両性花が混じる花序)、散形花序、淡黄緑色
花期:7~8月
果実:液果、黒紫色
果期:10~11月
備考:
若木の葉は3中裂し、成木では裂けず楕円形。
陰樹で、葉は効率よく光を受けるために、葉柄の長さを変えている。
葉は1~2年ほどの寿命で、黄色になって落ちる。
樹液にウルシと一緒の成分を含み、かぶれることもある。ウルシの代用品でもあった。 -
ガクウツギ Hydrangea scandens
アジサイ科アジサイ属
漢字:額空木
名前の由来:
「ガク(萼)」は、両性花を囲む装飾花を額縁に見立てた。
「ウツギ(空木)」は、樹形がウツギに似ていることに由来。枝の中は空洞ではなく白い髄あり。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、散房花序、白色(装飾花の3枚の萼)、淡黄緑色(両性花)
花期:5~6月
果実:蒴果
果期:
備考:葉裏脈液に白い小さな毛叢あり。 -
ガクアジサイ Hydrangea macrophylla
アジサイ科アジサイ属
漢字:額紫陽花
名前の由来:
「ガク」は、両性花を囲む装飾花を額縁に見立てた。
「アジサイ」は、コアジサイの名前の由来参照。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、集散花序、青紫色
花期:6~7月
果実:蒴果、花柱が残る
果期:11~12月
備考:ガクアジサイを改良してすべての花が装飾花になったものがアジサイ。 -
カキノキ Diospyros kaki
カキノキ科カキノキ属
漢字:柿の木
名前の由来:
赤い実がなる「赤木(アカキ)」が「カキ」に転訛した説が有力、
秋に紅葉する「赤」い葉と、「黄」色い実から「赤黄」が転訛した説などもあり。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄同株、淡黄色
花期:5~6月
果実:液果、黄赤色
果期:10~11月
備考:
ヤマガキ(var. sylvestris)は、葉がやや小型で毛が多く、子房にも毛がある。
柿の渋味はタンニンによるもの。実が熟す前に食べられないようにするため。干し柿等にすると、タンニンが固まって不溶性になるため渋味がなくなる。糖が増加するものではない。
昔は渋柿から「柿渋」をとり防腐、防水、補強材として紙や糸、布、革、木材に塗布し、漁家では床下の瓶に1年分の柿渋を蓄えて漁網(ぎょもう)の防水や防腐に用いたり、和傘の防水剤にしたり、火傷や虫刺され等に民間薬としても用いた。