ニレ科ニレ属
漢字:秋楡
名前の由来:
「アキ(秋)」は、春に花が咲くハルニレに対して、秋の9月頃に花が咲く。
「ニレ(楡)」は、樹皮を剥ぐとヌルヌルすることから「滑れ(ヌレ)」が転じて「ニレ」になった。
樹形:落葉高木
葉:互生、基部は左右不相称、裏面の脈液に毛が密生
花:両性花、淡黄色
花期:9月
果実:翼果、短い柄あり偏平な楕円形
果期:10~11月
カテゴリー: 木本
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アカメガシワ Mallotus japonicus
トウダイグサ科アカメガシワ属
漢字:赤芽柏
名前の由来:
「アカメ(赤芽)」は、新芽が赤い。
「ガシワ(柏)」は、カシワの葉のように、葉を食べ物の器にして神前に供えたり、団子を包んで蒸したりした。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄異株、円錐花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、緑黄色
花期:5~7月
果実:蒴果、褐色、熟すと3裂して黒い種子を出す
果期:8~10月
備考:
紅色の葉柄は、枝の基部の葉は長く20cmほど、先端の葉は短く5センチほどで、日光を効率よく利用。葉柄の中には太い維管束が通っている。
新芽は赤いが、赤いのは若葉そのものではなく、若葉の表面に密生している星状毛。赤色はアントシアニンで、有害な紫外線を吸収して未発達な葉の細胞を保護している。
種子だけでなく、根からもよく萌芽する。
<花外蜜腺>
葉身の基部に2個の蜜腺があり、夏頃まではこれを舐めにアリが来ている。
蜜を報酬としてアリを雇い入れている。
アリは蜜が欲しいから、花外蜜腺に近づく昆虫は追い払う。結果として、植物はやってくる害虫から守ってもらうことができる。
<先駆樹種(パイオニアツリー)>
暗い林内に到達した種子は発芽せず、伐採などで光環境がよくなると発芽する先駆樹種(パイオニアツリー)。一般に葉が大形で光を受けやい枝ぶりで初期成長が早いが、寿命は短いものが多い。他にヌルデ、カラズザンショウなど。
<シードバンク(埋土種子)>
種子の中で、暗い林内に到達したものが土中で休眠し、光環境がよくなると発芽する性質のもの(埋土種子)。土中に貯めた埋土種子集団。
陽性の先駆種(パイオニア種)など、芽生えの成長に良好な光条件を必要とする植物の種子は、他の植物にすでに占有されている場所では発芽せず、地表面付近の土壌中にシードバンクをつくり、休眠状態で数十年、数百年もの間寿命を保つ。ギャップが形成されると、ギャップ環境特有の大きな日格差、昼間の高温などが種子の休眠を解除する刺激となって発芽する。 -
アカシデ Carpinus laxiflora
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アカガシ Quercus acuta
ブナ科コナラ属
漢字:赤樫
名前の由来:
「アカ(赤)」は、材色が淡紅褐色で赤みが強い。
「カシ(樫)」は、アラカシの名前の由来参照。
樹形:常緑高木
葉:互生
花:雌雄同株
花期:5~6月
果実:堅果
果期:翌年の秋
備考:
葉柄が18~30mmと長い。
材は堅くて丈夫なため、高級な木刀に用いられる。
コナラ属では、常緑樹を「樫(かし)」、落葉樹を「楢(なら)」で表す。 -
アオハダ Ilex macropoda
モチノキ科モチノキ属
漢字:青肌
名前の由来:樹皮の表皮が薄く容易に剥げて緑色の内皮が見える。
樹形:落葉高木
葉:互生、短枝に束生
花:雌雄異株、緑白色、短枝に束生
花期:5~6月
果実:核果、赤色
果期:9~10月
備考:
新芽は食べられ、天ぷらにすると少しほろ苦い。
昔はお茶の代用品だった。
<ウメモドキとの違い>
本種は大木になる、著しく短枝が発達する、葉柄が長い(ウメモドキ:4~8mm、アオハダ:1~2cm)。 -
アオダモ Fraxinus lanuginosa
モクセイ科トネリコ属
漢字:青梻
別名:コバノトネリコ、アオタゴ
名前の由来:
「アオ」
トネリコ属の樹皮には蛍光物質を含み、枝を切って水に浸して暗い場所で紫外線を当てると青く蛍光する。殺菌性の強いクマリン配糖体のエスクリン等が水に溶け出し、青(藍)色の蛍光を発行するため。
「タモ」「タゴ」
水田の畦の稲架木(はさぎ)として植えていたため「田面(たも)」由来説、
材の粘りが強くて大きくたわむ「たわむ木」から転訛説など諸説あり。
「コバノトネリコ」のトネリコについては、シマトネリコの名前の由来参照。
樹形:落葉高木
葉:対生、奇数羽状複葉
花:雄性両性異株、円錐花序、白色
花期:4~6月
果実:翼果
果期:10月頃
備考:
アオダモ類の材は縦に割りやすく、粘りがあり狂いも少ないため、公式用の野球のバットに用いた。他、床柱や木槌等の器具材や薪(生でもよく燃える)に用いた。
樹皮は生薬の「秦皮(しんぴ)」と呼ばれ、下痢止め、解熱、洗眼剤に用いた。