ツツジ科ツツジ属
漢字:東石楠花
名前の由来:
「アズマ」は、東日本に多い。
「シャクナゲ」は、漢名「石南花」を呉音(ごおん)読みした「しゃくなんげ」が転訛したものだが、「石南花」は、本来バラ科のオオカナメモチで誤用。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:両性花、淡紅紫~紅紫色
花期:5~6月
果実:蒴果
果期:7~10月
カテゴリー: 木本
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アズマシャクナゲ Rhododendron degronianum
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アスナロ Thujopsis dolabrata
ヒノキ科アスナロ属
漢字:翌檜/明日檜
別名:ヒバ(檜葉)は、アスナロの変種ヒノキアスナロ(var. hondai)をいうことが多い。
名前の由来:「明日はヒノキになろう」からとする俗説があるが、それほどヒノキより劣っているわけではない。
樹形:常緑高木
葉:十字対生(小さな鱗のように見えるのが1個の葉)
花:雌雄同株
花期:5月頃
種子:球果
種期:10~11月
備考:
日本固有種。
材の強度はヒノキに少し劣るが、スギよりは強い。材に含まれるヒノキチオールという精油は、強い抗菌性と防虫性をもち、ヒノキよりもはるかに耐久性があり、シロアリなどの害に強い。
材は建築、家具などに用いるほか、漆器の木地にも用いられる。
耐陰性が極めて強いため、日陰の庭木に用いたり、山林の境界木(キョウカイキ)に植えられる。 -
アズキナシ Sorbus alnifolia
バラ科ナナカマド属
漢字:小豆梨
別名:ハカリノメ(秤の目)
名前の由来:
果実がナシに似ていて、アズキのように小さい。
「ハカリノメ(秤の目)」は、紫黒色の若枝の白色の皮目を秤の目盛りに見立てた。
樹形:落葉高木
葉:互生、短枝化した側枝に3枚着くことが多い
花:両性花、複散房花序、白色
花期:5~6月
果実:ナシ状果、赤色、表面に白い皮目あり、先端はやや凹む
果期:10~11月
備考:材は堅く重く、薪炭材に用いたり、器具類や家具、櫛にも用いられる。 -
アサノハカエデ Acer argutum
ムクロジ科カエデ属
漢字:麻の葉楓
名前の由来:
「アサノハ(麻の葉)」は、葉が麻の葉に似ている。
「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
樹形:落葉小高木
葉:対生
花:雌雄異株、短い総状花序、淡黄緑色
花期:5~6月
果実:翼果、翼の開きは水平に近い
果期:8~10月
備考:日本固有種 -
アケビ Akebia quinata
アケビ科アケビ属
漢字:木通/通草
名前の由来:
果実が紫色に熟し、縦に割れて大きく口を開けた形から「開け実」説、
「開けツビ(女性の性器の古語)」による説など諸説あり。
漢字「木通」は、蔓の木口から息を吹き込むと反対側に抜けるように道管が太い。
樹形:蔓性落葉木本、右巻き(ネジと同一方向として)
葉:互生、5出の掌状複葉
花:雌雄同株、総状花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、淡紫色、虫媒花
花期:4~5月
果実:液果、薄紫色、熟すと果皮が裂開する、種子は黒褐色
果期:9~10月
備考:
白い果肉は甘くて美味しいが、種が多い。
アケビの柔らかい新芽は天ぷらや胡麻和え、マヨネーズ和えにする。
蔓(茎)を乾燥したものは生薬の「木通(もくつう)」、実を乾燥したものを「木痛子(もくつうし)」と呼び、利尿、鎮痛、通経などに用いた。
蔓は、薪や柴の結束に用いたり、編んで篭を作る「あけび細工」に用いる(より柔軟で強靭なミツバアケビの蔓がよい)。
<アリ散布>
種子には脂肪の多いエライオソームという付属物があり、アリが好む。アリは、鳥類などが排出した糞から種子を巣に運び、エライオソームを食べた後で種子を外に棄て、種子散布を広げる。 -
アカメガシワ Mallotus japonicus
トウダイグサ科アカメガシワ属
漢字:赤芽柏
名前の由来:
「アカメ(赤芽)」は、新芽が赤い。
「ガシワ(柏)」は、カシワの葉のように、葉を食べ物の器にして神前に供えたり、団子を包んで蒸したりした。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄異株、円錐花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、緑黄色
花期:5~7月
果実:蒴果、褐色、熟すと3裂して黒い種子を出す
果期:8~10月
備考:
紅色の葉柄は、枝の基部の葉は長く20cmほど、先端の葉は短く5センチほどで、日光を効率よく利用。葉柄の中には太い維管束が通っている。
新芽は赤いが、赤いのは若葉そのものではなく、若葉の表面に密生している星状毛。赤色はアントシアニンで、有害な紫外線を吸収して未発達な葉の細胞を保護している。
種子だけでなく、根からもよく萌芽する。
<花外蜜腺>
葉身の基部に2個の蜜腺があり、夏頃まではこれを舐めにアリが来ている。
蜜を報酬としてアリを雇い入れている。
アリは蜜が欲しいから、花外蜜腺に近づく昆虫は追い払う。結果として、植物はやってくる害虫から守ってもらうことができる。
<先駆樹種(パイオニアツリー)>
暗い林内に到達した種子は発芽せず、伐採などで光環境がよくなると発芽する先駆樹種(パイオニアツリー)。一般に葉が大形で光を受けやい枝ぶりで初期成長が早いが、寿命は短いものが多い。他にヌルデ、カラズザンショウなど。
<シードバンク(埋土種子)>
種子の中で、暗い林内に到達したものが土中で休眠し、光環境がよくなると発芽する性質のもの(埋土種子)。土中に貯めた埋土種子集団。
陽性の先駆種(パイオニア種)など、芽生えの成長に良好な光条件を必要とする植物の種子は、他の植物にすでに占有されている場所では発芽せず、地表面付近の土壌中にシードバンクをつくり、休眠状態で数十年、数百年もの間寿命を保つ。ギャップが形成されると、ギャップ環境特有の大きな日格差、昼間の高温などが種子の休眠を解除する刺激となって発芽する。 -
アカシデ Carpinus laxiflora