ブナ科コナラ属
漢字:粗樫
名前の由来:
「アラ(粗)」は、枝葉が粗く、葉の鋸歯が粗い。
「カシ(樫)」は、カタギ(堅い木)。
樹形:常緑高木
葉:互生、先半分に粗い鋸歯、厚く硬い
花:雌雄同株、風媒花
花期:4~5月
果実:堅果、殻斗は横縞模様、重力散布または動物(貯食)散布
果期:秋
備考:[1-1958][148][1-256P][369P][下190][1-116P]
葉や樹皮には多量のタンニンを含むため、媒染剤やなめし皮剤に用いる。
小径木が多いことから、薪炭材やパルプ用材にしか用いられない。
カシ類の冬芽は多数の鱗片が重なりあった砲弾形。枝先に複数の同じような大きさの芽がつく「頂生側芽」。上から見ると5稜があり5角鐘形で、コナラ属共通の形態。
カテゴリー: 木本
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アラカシ Quercus glauca
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アブラチャン Lindera praecox
クスノキ科クロモジ属
漢字:油瀝青
名前の由来:
アブラ「油」+チャン「瀝青(れきせい:タールやピッチ等黒色の粘着性のあるものの総称)」
果実や樹皮に油分が多い。
樹形:落葉低木
葉:互生、全縁、先が尖る、葉柄は赤みを帯びる
花:雌雄異株、散形花序、雄花 淡黄色 雌花 緑黄色、虫媒花
花期:3~4月
果実:液果、黄褐色、種子は赤褐色、動物(主に鳥)散布
果期:9~10月
備考:[1-162][503][1-420P][128P][上38][4-17P]
種子に油が多い。絞って灯明油(とうみょうあぶら)(神仏に供えるともしびの油)や頭髪油に用いた。枝にも油が多く、生木(なまき)でもよく燃える。
枝葉に、クロモジ、ダンコウバイ、ヤマコウバシに似た芳香あり。
株立ちになることが多い。
細長い幹は材のしなりとねじれ強さから、杖や輪かんじき、昔は縄代わりに用いた。
<ダンコウバイ、クロモジ、ヤマコウバシとの違い>開花時期 花序 葉 冬芽 アブラチャン 葉の展開前 短い柄あり ヤマコウバシより厚く、先端が尖り、葉柄が長く赤い 混芽ではない ダンコウバイ 同上 無柄 ‐ 同上 クロモジ 葉の展開と同時 ‐ ‐ 同上 ヤマコウバシ 同上 – アブラチャンより薄く、先端は鈍頭、葉柄は短く赤くない、葉裏がやや粉白色 花と葉の両方が入る混芽 -
アセビ Pieris japonica
ツツジ科アセビ属
漢字:馬酔木
名前の由来:
万葉集で「あしび」の名で読まれており、有毒の実を指す「悪し実(あしみ)」を意味する説が有力。
酔った馬が足を曳(ひ)く「脚曳き」説、
足が痺(しび)れるので「足痺れ」から転訛した説など諸説あり。
漢字「馬酔木」は当て字とされ、馬が食べると酩酊状態になる様子を表現。
樹形:常緑低木
葉:互生、枝先に集まる、低鋸歯
花:両性花、壺形、複総状花序、下垂、白色、虫媒花または鳥媒花
花期:3~4月
果実:蒴果、褐色、先端に花柱が残る、5裂して小さな種子を出す、風散布
果期:9~10月
備考:[2-3078][2177][3-126P][649P][下270][2-22P]
葉や花に有毒成分が含まれ、中毒すると嘔吐、腹痛、下痢、四股麻痺などを起こす。奈良公園にアセビが多いのは、鹿が食べないため。葉の煎液は、殺虫剤に用いた。
ツツジ科の植物は、葉や花に有毒物質を含むものが多い。
鳥媒花:開花時期は、まだ昆虫が少ないため、メジロなどが花粉を媒介することもある。 -
アズマシャクナゲ Rhododendron degronianum
ツツジ科ツツジ属
漢字:東石楠花
名前の由来:
「アズマ」は、東日本に多い。
「シャクナゲ」は、漢名「石南花」を呉音(ごおん)読みした「しゃくなんげ」が転訛したものだが、「石南花」は、本来バラ科のオオカナメモチで誤用。
樹形:常緑低木
葉:互生、全縁、枝先に集まる、厚く革質、表面は光沢あり、裏面は淡褐色の軟毛が密生
花:両性花、淡紅紫~紅紫色、虫媒花
花期:5~6月
果実:蒴果、風散布
果期:7~10月
備考:[2-3051][2151][3-98P][609P][下275]以下には「セイヨウシャクナゲ?」が混ざっている。
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アスナロ Thujopsis dolabrata
ヒノキ科アスナロ属
漢字:翌檜/明日檜
別名:ヒバ(檜葉)は、アスナロの変種ヒノキアスナロ(var. hondai)をいうことが多い。
名前の由来:「明日はヒノキになろう」からとする俗説があるが、それほどヒノキより劣っているわけではない。
樹形:常緑高木
葉:十字対生(小さな鱗のように見えるのが1個の葉)、気孔帯はW字形に見える
花:雌雄同株、風媒花
花期:5月頃
種子:球果、球形(径1~1.5cm)、風散布
種期:10~11月
備考:[1-39][55][3-636P][75P][上26]
日本固有種。
材の強度はヒノキに少し劣るが、スギよりは強い。材に含まれるヒノキチオールという精油は、強い抗菌性と防虫性をもち、ヒノキよりもはるかに耐久性があり、シロアリなどの害に強い。
材は建築、家具などに用いるほか、漆器の木地にも用いられる。
耐陰性が極めて強いため、日陰の庭木に用いたり、山林の境界木(キョウカイキ)に植えられる。 -
アズキナシ Sorbus alnifolia
バラ科ナナカマド属
漢字:小豆梨
別名:ハカリノメ(秤の目)
名前の由来:
果実がナシに似ていて、アズキのように小さい。
「ハカリノメ(秤の目)」は、紫黒色の若枝の白色の皮目を秤の目盛りに見立てた。
樹形:落葉高木
葉:互生、重鋸歯、直線的側脈が目立つ、短枝化した側枝に3枚着くことが多い
花:両性花、複散房花序、白色、虫媒花
花期:5~6月
果実:ナシ状果、赤色、表面に白い皮目あり、先端はやや凹む、動物散布
果期:10~11月
備考:[1-1709][1061][1-670P][252P][上164]
材は堅く重く、薪炭材に用いたり、器具類や家具、櫛にも用いられる。 -
アサノハカエデ Acer argutum
ムクロジ科カエデ属
漢字:麻の葉楓
名前の由来:
「アサノハ(麻の葉)」は、葉が麻の葉に似ている。
「カエデ(楓)」は、イロハカエデの名前の由来参照。
樹形:落葉小高木
葉:対生、細かい重鋸歯、掌状で5裂が多い、裂片の先は尾状に細長く伸びて尖る、表は葉脈が凹み細かいシワになる
花:雌雄異株、短い総状花序、淡黄緑色、風媒花
花期:5~6月
果実:翼果、翼の開きは水平に近い、風散布
果期:8~10月
備考:[2-2375][1572][2-368P][489P][下214]
日本固有種 -
アケビ Akebia quinata
アケビ科アケビ属
漢字:木通/通草
名前の由来:
果実が紫色に熟し、縦に割れて大きく口を開けた形から「開け実」説、
「開けツビ(女性の性器の古語)」による説など諸説あり。
漢字「木通」は、蔓の木口から息を吹き込むと反対側に抜けるように道管が太い。
樹形:蔓性落葉木本、右巻き(ネジと同一方向として)
葉:互生、5出の掌状複葉
花:雌雄同株、総状花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、淡紫色、虫媒花
花期:4~5月
果実:液果、薄紫色、熟すと果皮が裂開する、種子は黒褐色、動物散布またはアリ散布
果期:9~10月
備考:[1-1155][652][2-150P][142P][上66][1-95P]
白い果肉は甘くて美味しいが、種が多い。
アケビの柔らかい新芽は天ぷらや胡麻和え、マヨネーズ和えにする。
蔓(茎)を乾燥したものは生薬の「木通(もくつう)」、実を乾燥したものを「木痛子(もくつうし)」と呼び、利尿、鎮痛、通経などに用いた。
蔓は、薪や柴の結束に用いたり、編んで篭を作る「あけび細工」に用いる(より柔軟で強靭なミツバアケビの蔓がよい)。
<アリ散布>
種子には脂肪の多いエライオソームという付属物があり、アリが好む。アリは、鳥類などが排出した糞から種子を巣に運び、エライオソームを食べた後で種子を外に棄て、種子散布を広げる。 -
アキニレ Ulmus parvifolia
ニレ科ニレ属
漢字:秋楡
名前の由来:
「アキ(秋)」は、春に花が咲くハルニレに対して、秋の9月頃に花が咲く。
「ニレ(楡)」は、樹皮をはぐとヌルヌルすることから「滑れ(ヌレ)」が転じて「ニレ」になった。
樹形:落葉高木
葉:互生、角張った鋸歯、硬い、基部は左右不相称、裏の脈液に毛が密生
花:両性花、淡黄色、風媒花
花期:9月
果実:翼果、短い柄あり偏平な楕円形、風散布
果期:10~11月
備考:[1-1880][162][1-294P][335P][上175]




























































































