ヤナギ科ヤナギ属
漢字:赤芽柳
別名:マルバヤナギ(丸葉柳)
名前の由来:
「アカメ(赤芽)」は、新葉が赤味を帯びる。
「マルバ(丸葉)」は、葉が丸い。
「ヤナギ(柳)」は、昔、矢を作る材料で「矢の木」と言ったことから「矢の木」が転訛した説など諸説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生、細かい鋸歯、裏は粉白色、葉柄上部にイボ状の腺体あり、托葉はえり巻き状で縁に先端が腺状の鋸歯あり
花:雌雄異株、穂状花序、無花被花(萼と花冠なし)、黄色、虫媒花
花期:4~5月、葉の展開後
果実:蒴果、白い綿毛に包まれた種子(柳絮(りゅうじょ))、風散布
果期:5~6月
備考:[1-2143][88][1-104P][440P][上112]
平野部から低山地の水湿地に生える。
カテゴリー: 木本
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アカメヤナギ Salix chaenomeloides
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アカメガシワ Mallotus japonicus
トウダイグサ科アカメガシワ属
漢字:赤芽柏
名前の由来:
「アカメ(赤芽)」は、新芽が赤い。
「ガシワ(柏)」は、カシワの葉のように、葉を食べ物の器にして神前に供えたり、団子を包んで蒸したりした。
樹形:落葉高木
葉:互生、全縁、不分裂または3浅裂(幼木が多い)、葉柄は赤色で長さにバラツキあり(5~20cm)
花:雌雄異株、円錐花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、緑黄色、風媒花(虫媒もあり?)
花期:5~7月
果実:蒴果、褐色、3裂して黒い種子を出す、動物(主に鳥)散布
果期:8~10月
備考:[1-2086][1459][2-204P][425P][上114][2-91P]
紅色の葉柄は、枝の基部の葉は長く20cmほど、先端の葉は短く5センチほどで、日光を効率よく利用。葉柄の中には太い維管束が通っている。
種子だけでなく、根からもよく萌芽する。
<新芽が赤色になる理由>
新芽は赤いが、赤いのは若葉そのものではなく、若葉の表面に密生している星状毛。赤色はアントシアニンで、有害な紫外線を吸収して未発達な葉の細胞を保護している説と、葉を食べる虫にとって忌避物質として働く説がある。
<花外蜜腺>
葉身の基部に2個の蜜腺があり、夏頃まではこれを舐めにアリが来ている。
アリは蜜が欲しいから、花外蜜腺に近づく昆虫は追い払う。結果として、植物はやってくる害虫から守ってもらうことができる。
<先駆樹種(パイオニアツリー)>
暗い林内に到達した種子は発芽せず、伐採などで光環境がよくなると発芽する先駆樹種(パイオニアツリー)。一般に葉が大形で光を受けやい枝ぶりで初期成長が早いが、寿命は短いものが多い。他にヌルデ、カラズザンショウなど。
<シードバンク(埋土種子)>
種子の中で、暗い林内に到達したものが土中で休眠し、光環境がよくなると発芽する性質のもの(埋土種子)。土中に貯めた埋土種子集団。
陽性の先駆種(パイオニア種)など、芽生えの成長に良好な光条件を必要とする植物の種子は、他の植物にすでに占有されている場所では発芽せず、地表面付近の土壌中にシードバンクをつくり、休眠状態で数十年、数百年もの間寿命を保つ。ギャップが形成されると、ギャップ環境特有の大きな日格差、昼間の高温などが種子の休眠を解除する刺激となって発芽する。 -
アカシデ Carpinus laxiflora
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アカガシ Quercus acuta
ブナ科コナラ属
漢字:赤樫
名前の由来:
「アカ(赤)」は、材色が淡紅褐色で赤みが強い。
「カシ(樫)」は、アラカシの名前の由来参照。
樹形:常緑高木
葉:互生、全縁、厚く硬く光沢あり、先端は急に尖る、長葉柄(2~4cm)、裏面の葉脈が盛り上がる
花:雌雄同株、風媒花
花期:5~6月
果実:堅果、殻斗は横縞模様、重力散布または動物(貯食)散布
果期:翌年の秋
備考:[1-1961][151][1-248P][375P][下190]
材は堅くて丈夫なため、高級な木刀に用いられる。
コナラ属では、常緑樹を「樫(かし)」、落葉樹を「楢(なら)」で表す。 -
アオハダ Ilex macropoda
モチノキ科モチノキ属
漢字:青肌
名前の由来:樹皮の表皮が薄く容易にはげて緑色の内皮が見える。
樹形:落葉高木
葉:互生、短枝では束生、細かく鋭い鋸歯、葉脈が表で凹み裏で浮き出る、紅葉時は淡い黄色
花:雌雄異株、緑白色、短枝に束生、虫媒花
花期:5~6月
果実:核果、赤色、動物(主に鳥)散布
果期:9~10月
備考:[2-3693][1639][2-454P][712P][下314]
新芽は食べられ、天ぷらにすると少しほろ苦い。
昔はお茶の代用品だった。 -
アオツヅラフジ Cocculus trilobus
ツヅラフジ科アオツヅラフジ属
漢字:青葛藤
別名:カミエビ
名前の由来:
「アオ(青)」は、果実の色。
「ツヅラフジ(葛藤)」は、蔓で葛籠(つづら:衣服を入れる編みかご)を作った。
樹形:蔓性落葉木本、右巻き(ネジと同一方向として)
葉:互生、全縁、不分裂または3浅裂(多形)、両面に黄褐色の細かい毛あり
花:雌雄異株、円錐花序、黄白色、虫媒花
花期:7~8月
果実:核果、藍黒色、動物(主に鳥)散布
果期:10~11月
備考:[1-1159][656][2-157P][145P][上68]
核は直径葯5mmで、中心が凹んで、巻貝、アンモナイトのような形。 -
アオダモ Fraxinus lanuginosa
モクセイ科トネリコ属
漢字:青梻
別名:コバノトネリコ、アオタゴ
名前の由来:
「アオ」
トネリコ属の樹皮には蛍光物質を含み、枝を切って水に浸して暗い場所で紫外線を当てると青く蛍光する。殺菌性の強いクマリン配糖体のエスクリン等が水に溶け出し、青(藍)色の蛍光を発行するため。
「タモ」「タゴ」
水田の畦の稲架木(はさぎ)として植えていたため「田面(たも)」由来説、
材の粘りが強くて大きくたわむ「たわむ木」から転訛説など諸説あり。
「コバノトネリコ」のトネリコについては、シマトネリコの名前の由来参照。
樹形:落葉高木/小高木
葉:対生、奇数羽状複葉、低鋸歯、短小葉柄
花:雄性両性異株、円錐花序、白色、虫/風媒花
花期:4~6月
果実:翼果、風散布
果期:10月頃
備考:[2-3346][2284][3-244P][676P][下297][2-88P]
アオダモ類の材は縦に割りやすく、粘りがあり狂いも少ないため、公式用の野球のバットに用いた。他、床柱や木槌等の器具材や薪(生でもよく燃える)に用いた。
樹皮は生薬の「秦皮(しんぴ)」と呼ばれ、下痢止め、解熱、洗眼剤に用いた。 -
アオギリ Firmiana simplex
アオイ科アオギリ属
漢字:青桐/梧桐
名前の由来:若い木の樹皮が緑色でキリに似た葉をつける。
樹形:落葉高木
葉:互生、全縁、枝先に集まる、掌状3~5裂、大きい(15~30cm)、基部心形、長葉柄(10~20cm)
花:雌雄同株(ひとつの花序に雄花と雌花がまじる)、円錐花序、単花被花(花冠なし萼のみ)、淡黄褐色、虫媒花
花期:5~7月
果実:袋果、種子が成熟する前に裂開し舟形となって果皮のふちに球状で皺のある種子を数個つける、風散布
果期:9~10月
備考:[2-2456][1760][2-554P][529P][下204][2-106P]
中国原産。
果実は、合着した5個の雌しべをつくっている5枚の心皮が開花後に離れて5個の分果になる。これらが熟すと、1枚の心皮の縁が合わさっていた部分に沿って裂け、舟のような形になり、縁に種子がついている。
昔、木材は、器具材や下駄材に利用し、幹や枝を黒焼きにして粉末にしたものは火傷に塗布した。種子は、炒っておやつにしたり、カフェインを含むため焙煎してコーヒーの代用にしたり、黒焼きにして円形脱毛症に用いた。
中国の故事では、鳳凰がとまる神聖な樹とされた。 -
アオキ Aucuba japonica
アオキ科アオキ属
漢字:青木
名前の由来:枝が緑色。
樹形:常緑低木
葉:対生、粗い鋸歯、厚く革質で光沢あり
花:雌雄異株、円錐花序、紫褐色、虫媒花
花期:3~5月
果実:核果、緑色→赤色、動物(主に鳥)散布
果期:12~5月
備考:[2-3115][1982][2-656P][652P][下281]
日本固有種。
葉を火であぶり、黒変したものをやけど、腫れ物などの患部に張る。
<陰樹>
林内の低木で、日陰に特化した陰樹。
大きな葉を水平に伸ばし、枝も緑色で、光合成して暗さに耐える。
樹体が大きくなると、幹から枯れ始める。
自らの樹体を捨てて株立ちで根本から新しい芽を出し再生する。
暗い環境の中では、株立ちで生き続ける木が生き残れる。





































































































































